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神様との約束。

8才の時、
姉が死んだ日、
神様と約束を交わしました。

これからは
罰を背負って生きていきます。
でも一つだけ私のお願いを
聞いてください。

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私には、5才上の姉がいました。
生まれた時から長くは生きられない
医者に、そう言われていました。

当時の我が家は、東京の下町・葛飾柴又で。
木造の風呂なしアパートで。
唯一の贅沢が 近くの銭湯に行くことで。

決して裕福ではない家庭でした。
病気の子を抱え、家計のやりくりは
大変だったと思います。

ただ、当時の私は知る由もなく。
姉中心でまわる日常に、
ウンザリしていました。

私は、姉のおかげで、小さい頃から
なぜ?を いつも考える子供でした。
 

なぜ、私は生まれてきたのか?
なぜ、私はここにいるのか?
なぜ、人は死ぬのに
生きる意味はどこにあるのか?


思い通りにいかないとき
こんなことを考え、その答えを
神様に聞いていました。 

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姉は完璧な人でした。

絵が上手く、字がキレイで。
学校の出席が 年間で半分程でも
成績は、県内でトップクラス。
天才と言われるのを嫌い
人より努力した事を評価してほしい、と。

姉は優しい人でした。

兄弟がほしい、そう母にいつも
お願いをしていたそうです。
姉が望んだから、私が
生まれることに なりました。

姉は、とにかく私を
可愛いがりました。
私が、どんなに八つ当たりをしても
姉が怒った記憶はありません。

姉は、思いやりに溢れた人でした。

自分の存在が、親に負担をかけている、
十分に察していた姉は、大人が根をあげる
つらい治療にも、決して泣く事なく
耐えたそうです。その吐け口に書いていた
数冊の日記は、姉の死後、
どんなに探しても 出てきませんでした。

読んだら、母が悲しむに違いない。

死を予感していたのでしょうか。
姉の気遣いだと、母が涙していました。 

かなわない


だから私は、
姉が大好きでしたが 大嫌いでした。

姉が入院のたびに、私は一人でした。
家は金物屋をしていて、父は店で忙しく
祖母がご飯を作りに来ていました。
可愛げがない、と、私に言う祖母が
私は大嫌いでした。 

みんな消えちゃえ!

死んじゃえ!

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私が8才。
夏休みのある日。
夜、姉は、母に耳掃除をしてほしい
と、お願いしていました。
膝枕されながら

「好子、おやすみ」

それが、私への姉の最期の 言葉でした。

あの時、
なぜ、おやすみと返さなかったのか。
今でも後悔しています。

明け方、発作を起こし、
姉は亡くなりました。

葬儀の手配で、しばらく
姉と私の2人だけの時間がありました。
天井を見上げ、思いました。

私は罰を受けるために生まれてきたんだ


ずっと問うてきた、
なぜ?の答えを知りました。

その為に、
私は健康で生まれてきたのか、と。
罰を受ける為に ここに来たのか、と。

今さら後悔したって、姉は戻って来ない。
だって私が、そう願ったのだから

でも
だったら神様、
一つだけ願いを聞いて下さい。
30才までに、一生これだ、
というモノを 私に下さい。

なぜ、あの時そう思ったのか
罰を受けるのに、なぜ浅ましくも
お願いをしたのか
なぜ一つなのか、なぜ30才までなのか
今 思い返しても不思議でなりません。

でも私は、ずっと
この約束を持ち続けていました。
そして、罰を受けることも
決して忘れることはありませんでした。

全て、そう全て
その通りになりました。

私は、花に出会い、コレだと確信し、
29才の時、お花の会社を起こしました。

神様は、約束を叶えてくれた。
あとは、償い続ける人生なんだな・・

笑われるかもしれません。
でも、私は真剣にそう思いました。
そして、その後、
本当に、そうなりました。

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今、思い返してみて
神様とは何だったのか?
それは、私自身に他ならない
そう気づいたのは、ほんの数年前のことです。

そして、
罰を受けるために生まれた。
これを、自分に与えることでしか
私の生きる道がなかったんだ、と。
私は生きられなかったんだと、気づきました。

罪悪感は、
私にとって生きる意味そのもの、でした。
私を戒め、ある意味 守られてきた。

罪悪感は、愛おしい。

何年か前は、幸せになるために
罪悪感は手放さないと幸せになれない
そう思って、手放せず苦しんでいましたが

今は、どっちでもいい。

そう思っています。

私の幸せと罪悪感は別物で
持っていたければ、持ってればいい。
そう思っています。

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お姉ちゃん
思えば、あなたは
いつも私の手を握ってくれましたね。
もう声も、仕草も忘れかけてきたけど
あの手の温もりだけは、忘れられない。

あなたを
心から愛していたのも、本当で
心から憎んでいたのも、本当です。

生きていてほしい、と
心から願ったのも、本当で
心から死んでほしいと
願ったのも本当です。

残念だけど
あなたを思う気持ちは、一つじゃない。
全部、本当。
ごめんなさい。
あなたが、心から愛した妹は
こんなにも最低です。

だけど、私以上に
あなたを思う人は
この世にいない、そう思っています。

わかってると思うけど
私は、あなたに向かって、今を生きてます。
その時がきたら、
今度は、私からあなたの手を握りたい
そう思っています。


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