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LGBTs当事者がファイアーエムブレム風花雪月やって救われた話をするよ

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コメントにてタイトル名の誤りをご指摘頂きました!
覚醒▶ifになります。訂正させていただきました。大変失礼致しました。
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絶望の丘からこんにちは。丘江です。

ただいま、コロナの惨禍の真っ只中におり、趣味のサッカー観戦にも、ヴィジュアル系のライブにも行けないため、ドラクエXIとモンスターハンターしかやっていないSwitchで何かしようかなと思い、そうだどうせなら手間のかかるゲームをやろうとファイアーエムブレム風花雪月を購入しました。


もともとファイアーエムブレムシリーズは興味があったのですが、どうしても結婚制度で「あー、結局は私の好きなキャラが出来ても同性とは結婚してくれないんだなあー世知辛いなあ」と思って手を出せておりませんでした。

ファイアーエムブレムifでは同性婚ができると話題になったため1度興味を持ちましたが、蓋を開けてみると、見ようによってはかえって差別的な内容でやや批判も見受けられたので見送っていたという背景があります。

そんな事もあり、1度風花雪月についても同性婚で差別的なことがないか調べ、全く悪い話が見当たらなかったため、これは信用出来ると思い、プレイしてみることにしました。


結論。ストーリーは地獄だが、キャラクター全てに人権がある。最高。



ファイアーエムブレム風花雪月について


ざっくりしすぎるあらすじですが、主人公が先生となり、住んでる大陸を構成する3つの国に由来する、3つの学級から1つを選んで担任し、5年後にほかのクラスの国と戦争をします。隣のクラス、または学校の教職員の先生方、スタッフのみなさんと殺し合う目に遭います。

しかもこれ、3つの学級と教職員側合わせて4ルートあり、敵対する組織もそれぞれ違うため、前のルートで手塩にかけた生徒を殺す事になったりするのです。

それを阻止するために他学級の生徒をスカウトすることも出来ますが、平たく言うと学級委員長と副委員長的なキャラクターはスカウトできないので前回の担任クラスの生徒を最低2人は殺す羽目に…

ほかにもスカウトした生徒は別のルートでもきちんとそのルート分の、しかもきちんと納得出来る前のクラスを裏切ってまでそのクラスにいる理由や、毎回違うセリフがあり膨大な会話差分がまさかのフルボイスです。ここだけでも本当に一人一人のキャラクターの人間性を大切に考え、丁寧に作られているのがわかります。


さて、プレイした感想に関しては素晴らしい感想が沢山あるので私は語らないとして、このゲームのもうひとつの評価をしたい、このゲームのジェンダー観の素晴らしさ、今回は同性婚について、感想を残していきたいと思います。

現実世界との差別の矛先のすり替え

まずこの作品の中では、同性愛は差別の対象ではありません。そのかわり貴族社会における「紋章主義」という(貴族の血統書みたいなイメージ)私たち現代社会において存在しないものによる差別社会となっており、差別の対象となるものの排除で挙兵するエーデルガルトなどのキャラクターも、現実に存在しないものへの憤りを持っています。

ですから、私たちにとっては、彼らが憤る気持ち自体はなんとなくわかっていても、現実にある差別では無いので、風花雪月をめぐってプレイヤー同士で差別表現で争うことがないという土台作りと、同棲愛表現に違和感を抱える人の意識を作品特有の差別表現に向かせて、また、いかなる場合でも差別するのは最後には悲劇につながるという誘導が 、まず素晴らしいと思います 。



結婚について


前作では 、可愛い女の子が大好きなソレイユという女性キャラクターに、主人公か女性に見える薬を飲ませてヘテロ結婚をする描写があったり、同性婚のできるキャラクターが1名ずつしかいなかったため、批判的な意見も見受けられました。ですが、風花雪月では同性婚ができるキャラクターが複数存在し、また、どの同性婚可能なキャラクターも、同性婚が可能である人格をしっかりと考えられており、「この子はこういう人物だから、こういうセクシャリティなんだろうな」といった感じの、どの結婚でもとても納得のいくものでした。

また、前回が男女各1名ずつしか結婚出来なかった批判を受けたからといって、闇雲に全員同性婚可能とせず、しっかりと同性婚をしても違和感のないキャラクター複数のみ可能とし 、もともと同性婚が可能ではないキャラクターに、安直に同性婚を押し付けずに、きちんとしたヘテロセクシャルという性指向を持たせたところが キャラクターの人権をしっかり守っていて当事者として大変好印象でした。我々も同性愛を押し付けるようなマネは望みませんからね。そういう考え方もあるんやな程度に思っていただきたいので…

また、同性同士のペアエンド(キャラクター同士の支援値=好感度をあげておくとクリア後に後日談が見られる)も多数あり、それも同性同士の恋愛を示すものもあれば友達関係のものや師弟関係のものもありました。男女の恋愛が人間関係における最良のゴールではなく、色々な人と色んな形の絆で結ばれていいのだ、という暖かい考え方を垣間見ることができます。もちろん、主人公が生涯独身を貫くことをエンディングとすることも当たり前のように自分の手で選べます 。結婚しないという選択肢を自らの手で選ぶことが出来る。アセクシャルの方々もこれには救われることがあったのではないでしょうか。

では、ここからは当事者目線で同性にプロポーズをする形でのエンディングがあるキャラクターをセクシャリティやジェンダー観の観念から紹介、レビューしていこうと思います。

ナチュラルに5年後の姿乗っけてるので未プレイの方は注意してください。
LGBT界隈からの切り取りなので結婚イベントのネタバレがバチくそあります。スチルも乗っけてるので見る時は自己責任でお願いします。



エーデルガルト(アドラステア帝国)


エーデルガルトは、アドラステア帝国という大国の皇女で、アドラークラッセというクラスの級長を務める女の子です。

ある気高い志を持ち、覇道を突き進むこととなるのですが、その覇道を共に歩いてくれる主人公をとても大切に思ってくれます。また、女の子ながら鎧を着込んで斧を持っている職業に適性があったり、守られる女の子ではなく、みんなを物理で守るかっこいい存在として描かれています。彼女は、戦う女の子の中でも1番女性が着たくないであろうごつい鎧という外見でみんなを守り導きます。
そのような所からもジェンダーロールからの脱却の姿勢を見ることができました。
また、恋愛表現についてはバイセクシャルというよりかは、絆を深めるのに性別は関係ないという信念を持っているように感じました。

こんな感じの絆を大切にしている内容が多いです。(ストーリー上の絡みが膨大すぎて
かつエーデルガルトのことを書くと結構なネタバレになるので、あまり紹介できずすみません)

何とエーデルガルトのペアエンド相手は男性と女性が完全に同じ数で、何となくこの子はデミセクシャルもしくはパンセクシャルなのかなと思います。主人公が大好きでこっそり似顔絵を描いてくれたり心を開くと普段のかっこいい姿に秘めている可愛らしい面がゴロゴロと出てきて、違うルートでは絶対に敵対する運命の彼女ですが、エーデルガルトのルートでは彼女はわたしが守る!という気持ちになりました。似たような生い立ちの女の子のリシテアとの支援会話では子供っぽいのを気にする可愛らしいリシテアをからかったり茶化して遊んでる姿が、お姉さんらしくて可愛かったです。




ドロテア(アドラステア帝国)


彼女は、貧民街出身の孤児で、生きるか死ぬかの生活をしていたところを歌姫マヌエラという女性に見出され、神秘の歌姫に登りつめた女の子です。この貴族社会で生きていくため、できるだけ条件のいい伴侶を見つけなければと色んな男の人とデートをしており、歌姫としての自分しかみんなが見てくれず、誰かに本当の自分を愛して欲しいと思っています。おそらく、彼女が1番両性愛者としての描写が多いのではないでしょうか。女性主人公へのスキンシップも激しかったり、エーデルガルトとの支援会話でエーデルガルトの恋愛のパートナーになるには自分にもチャンスがあるかと問いかけたり

隣のクラスのイングリットかある事件の解決のお礼に貰った指輪を結婚指輪だといってはしゃいだり


なんとなく、プレイをしている時点で堂々とバイセクシャルであることを表現している事がわかってくるキャラクターです。また、愛に性別は関係ないというよりかは、その性別として主人公を愛していることが支援会話から伝わってきました。


(女性主人公の結婚会話。主人公に愛を語る時に徹底的に貴女という表現を使って、女性として愛おしく思っていることがわかります。)また、女性主人公以外とも女性キャラクターとの恋愛エンドがあります。

風花雪月でも同性婚できるキャラクターが複数いると聞いて、彼女がきっとそうだろうなとなんとなく見た目とプロフィールを見て思いました。こういったセクシー系のフェム系女性(しかも主人公についてはスキンシップでリードしようとする姿勢を持っているので、フェムタチらしい描写までされてる!)はレズビアン界隈ですごくモテますし、布教したらドロテアが1番人気になるのではないでしょうか。同性との絡みも所謂ファッションレズ的ではなく、ドロテアのアイデンティティとして盛り込まれていて、最終的に女性キャラクターと恋愛に行き着くこともできるところが、本当に素晴らしく、制作陣が新しい時代への順応、理解、表現について本気で取り組んでいるのが伝わってきて、ドロテアの事が大好きになりました。
レズビアンとしてすごく興味深いキャラクターなのでドロテア贔屓です、すみません!



リンハルト(アドラステア帝国)


彼は、このシリーズで最もジェンダーロールを否定した人生を送っているのではないでしょうか。まず、適正とされる職業は女性がやるイメージである回復要員です。(DLCで判明)
また、甘いお菓子が好きだったり、戦いや血を見るのが苦手で、一般的に男らしいイメージを持っている事に取り組むのが嫌いです。

剣の鍛錬とか誘われるともう全力で逃げる。

自分の価値観で生きてる子です

男らしさの強要をされると逃げ出したり真っ向から否定をする、ホモソーシャルに対して意義を唱えるような位置付けでもあります。また、男らしさを拒絶しても、そのリンハルトの選択をだれも責めることがありません。(あくまで責められるのはサボりや居眠りといった、貴族や学生としての責務の放棄など)リンハルトについてはジェンダー観などがかなり挑戦的になっているので彼についてだけでも記事がひとつ書けるくらいです(笑)


お昼寝と紋章学という学問が大好きでそれ以外のことに全く興味を示さず独特な価値観で生きている子で傍から見ると結構なサイコ野郎なのですが、主人公については一途な面を持っており、スカウトすると母国と敵対するルートでも先生と一緒にいたいからと言ってくる健気な面があります。


ただし結構なサイコ野郎である

プレイしていると、彼は自分にとって大切ならどんな人だろうが気にしないような人なんだろうなというのを察します。私はせっかくの「初めての同窓会は、血の雨が降った」というキャッチコピーなので、次は母国との敵対ルートでこの子を引き抜き、友情より恋愛を選んだ立場にさせて親友のカスパルくんと殺し合わせる悲劇をおこす予定です(道徳ゼロ)。

なんとなく、バイセクシャルかつ、知性に性的魅力を感じるサピオセクシャルなのかな、とも思います。あまり身体に関する性的なつながりを重要視していなさそうです。生殖についても科学的に考えていそう。主人公とは一緒にひなたでお昼寝するような関係が似合いそうでほっこりします。



メルセデス(ファーガス神聖王国、元アドラステア帝国)



彼女は、抱擁力のある優しい天使のような女性です。貴族制度のせいで紆余曲折あり、母が結婚したモラハラ男の養女として過ごしています。とても面倒みがよくみんなのお母さん的存在で、彼女と色々なキャラクターの支援会話はカウンセリングのようです。養父のこともあり、自分自身のことを自分で決断するのに恐怖心を持っているのですが、その胸の内には大切な人と結ばれたいという強い思いがあります。彼女とのエンディングですが、向こうから養父に絶縁を申し出てきたので、結婚してほしいと言ってきて、おっとりしていて決断を恐れていたメルセデスが、こんなにも情熱を持っていたのだとギャップにやられた記憶があります。

結構大胆にアピールしてくるのギャップに萌えます

また、親友のアネットが友達として大好きと発言した時も

こんなふう

に茶化したり、妹分のコンスタンツェと本物の姉妹のような関係となるペアエンドがあったり、可愛いものが大好きだったりするので、可愛い女の子を可愛がるのが好きなんだろうなと思う描写が何回かありました。彼女は出身はエーデルガルトが皇女を務めるアドラステア帝国なのですが、アドラステア帝国出身者はバイセクシャルが多いですね!彼女はなんとなく、女性とのデートでは可愛い喫茶店やお買い物に連れて行ってくれたりお家女子会をしてくれそうだと思います。いつもみんなが笑顔で過ごせるように考えて、笑顔で癒してくれる彼女が、同性でも何の違和感を感じずに何もいわずに受け入れてくれるだけでも嬉しかったのですが、自分から積極的にアピールしてくるとは思わなくて、ひとつ夢がかなったような幸せな気持ちになりました。
メーチェ(メルセデスの愛称)も本当に大好きで、えっ!このゲーム1万円以内で買えるのに女性主人公でプレイしてメーチェと結婚できるの!?10万円出そうか?って思ったくらいメーチェが大好きなんですが、彼女はどちらかというと自分のジェンダー感を話すタイプというより、みんなから聞き出して共感してくれたり、はたまた無意識にミソジニーを内包しているキャラクターがいたらそのミソジニーの原因に一緒に向き合ってくれたりするような、ジェンダーの問題については一緒に考えて行動してくれるようなタイプで、この同性結婚についても私があなたに惹かれることに何も問題はないわ〜。とにっこり笑って解決するような女性なのです。



ユーリス(アビス、元ファーガス神聖王国)


途中からの追加キャラになります。ヴィジュアル系パパ活アウトロー男子!一見パワーワードに見えますがユーリスのことを的確に表せている自信があります(笑)男の子ですがメイクをしており、その美貌を己の武器としているジェンダーフリーなキャラクターです。訳あって表の社会で生きられず、地下で生活していて、アウトロー集団の頭領をしています。
彼もドロテアと同じように貧民街出身なのですが、貴族のおじさんたちに取り入って、ぼかされて表現されていますが平たく言うとパパ活で有力貴族の養子にまで登りつめました。
ドロテアとの支援会話が面白く、歌の実力だけでのし上がったドロテアと、貴族に美貌を売ることしか出来なかった自分を比べてしまうユーリスと、そのユーリスを励ますドロテアという内容なのですが、

ユーリスめっちゃいい子なのに自尊心を搾取したおじさん許せないな

貴族が妾にしたいドロテアの代用品にユーリスが選ばれた過去を語ったりとか、ユーリスがドロテアの代役で歌「姫」として歌劇に出るはめになったりするのですが、


この2人の会話はもう性別を超越しすぎている

通常の作品なら女性同士で会話する内容を男女がしており、さらに登場人物のだれも違和感を覚えない内容となっていて驚きました。本当の美しさには性別など些細な問題というドロテアとユーリスのジェンダーフリーさを感じます。

こんな生き方なので 、男性に恋愛感情や性的欲求やまなざしを向けられることに違和感を感じない子なんだなと納得ができます。また、お菓子が好きで回復魔法や料理も得意であり、ここでもジェンダーロールからの脱却を感じます。ユーリスもリンハルトと同じく、ホモソーシャルという文化により、女性のジェンダーフリーなキャラクターよりも描写が難しい傾向にある男性キャラクターを魅力的に作り上げた制作陣に拍手を送りたいです。

あとみんなが任務における不安を口にする中、主人公の体調不良を見抜いて心配してくれたり、最終決戦でどこにもいないと思ったら教会で主人公の無事をお祈りしていたり、主人公に何かあるとまずは主人公の感情に共感してくれようとする姿勢を見せるお母さん的な目線も持っていて、アウトローだけどめっちゃ優しい。


そのほかの同性支援S



教会の大司教レア様と、ネタバレをするので詳しくは言えませんが、主人公のサポート妖精的なソティス、そして帝国ルート限定でイエリッツァ先生とも指輪を渡す支援Sができるようなのですが、プレイするのに膨大な時間がかかるので、まだできていません。レア様はタイミングを逃してしまい、イエリッツァ先生は支援Sを見る前の最終セーブを間違えて上書きしてしまったので、次回の周回で見て感想を書きたいです!この作品、とにかく作り込みがすごくて、別のルートをやってから違うルートで見えてくることだったり、スカウトしたキャラクターの反応とかルートごとにちゃんとストーリーに沿った人格を持つので、周回したいなあと思わせてくれるゲームなんです。

また、結婚以外の支援Sもあり、これは妻帯者のおじさんキャラクター2人とできます。ファーガス神聖王国ルートでのみ仲間にできるギルベルトおじさんと、全ルートで仲間にできるアロイスおじさんです。ギルベルトおじさんはまだ支援Sを見れていないのですが、アロイスおじさんとのペアエンドを少々紹介します。

アロイスおじさんと恋愛抜きの生涯のパートナーとなるエンディングなのですが、プロポーズを受けそうな主人公にそんな予定はないのか心配してくるという内容です。ただ、このエンディングが素晴らしくて、おじさんっぽい古い価値観で一瞬主人公を心配してしまうアロイスおじさんですが、口に出してすぐにその価値観の押し付けをしてしまったことを反省し、さらに、価値観の押しつけを行ってしまったが、主人公を大切に思っているからこそそういうことを言ってしまったという、言ってしまったがわの心理も述べてくれます。


これは、あえて今の時代に結婚しないことについて、上の世代の価値観を頭ごなしに否定するのではなく、上の世代は、その人を大切に思っているからこそそういうことを言ってしまうことがあって、あくまでも思いやりの気持ちを持っているという原因をきちんと提示してから、でも、自分にとっては結婚しないことが1番今は自然なんだよ、ありがとう、というようなお互いの世代での暖かい歩み寄りを見せ、何よりも古い価値観を言ってしまったあとすぐにそれが今の世代の子にとっては余計なお世話であると言われることに自分で気づくことができたアロイスおじさん、という構図が本当に素晴らしいです。




その他の同性愛描写



シャミア×カトリーヌ

ほかにも、上記のキャラクターが関係しないところで同性愛描写がある組み合わせもありました。クールで中性的な異国出身女傭兵のシャミアと、元お嬢様の男勝りな騎士のカトリーヌです。この2人は相棒なのですが、


支援を深めるとシャミアがこんなことを言い出したのでびっくりしました(笑)。

どちらもフェミニンな雰囲気な女性主人公とは支援Sになれないので、私はシャミアとカトリーヌはフェム系はタイプじゃなくて、ボーイッシュな人がタイプなだろうな。と思ってリアルすぎて面白くなりました。



恋愛、結婚がゴールではないペアエンド



さらに、ヘテロ異性同士でのペアエンドには、結婚をせずに、結婚であったり、騎士の仕事をする生涯のパートナーになるエンディングも多岐に渡りました。異性が出会うと恋に落ちなければいけないというある種の呪いのようなものからの解放を感じて私は嬉しくなりました。
ヘテロの世界でも、家庭を持ってからこそ1人前だとか、恋人がいないことが劣っていると考える価値観の押し付けで人を傷つけるということはよくあることです。その人がどんなに素晴らしい人でも、恋愛をしない、結婚をしないだけでその人の事の価値を勝手に周りが下げてくるのは、忌避すべきことだと私は思うのです。
そんな中、結婚をしなくても、恋愛をしなくても、1人でも、友達、師匠、同僚、兄弟、親を生涯のパートナーとしても、自らで考えて自分にとっての幸せを掴むキャラクター達のエンディングは多様性に満ちていて、レッテル貼りから解放された素晴らしいものだったと思います。

主従関係のペアエンド

恋愛がゴールではないヘテロ男女のペアエンド

友達とのペアエンド


さっきのシャミアとカトリーヌ




ドキドキの女神の塔イベント



結婚イベント以外にも、学校での舞踏会を抜け出して、そこで将来を誓あうとその2人は結ばれるという伝説のある塔で待ち合わせをするようなドキドキイベントがあります。

同性愛者あるあるかとは思うのですが、よくRPGの決戦前夜でヒロインや異性のキャラクターといい感じになるイベントありますよね。あれが私はずっと羨ましくて仕方ありませんでした。男主人公でプレイして、ヒロイン可愛いけどなんかコレジャナイ…って思ったり、女主人公が選べるゲームで男キャラといい感じになるも、主人公イコール自分なゲームで、自分受けのヘテロラブがどうしてもセクシャリティ上受け入れられずにギャーーーーーってなったりしたことがあります笑
自分受けのHLが1番の地雷!

そんなこんなで決戦前夜イベントが始まりそうだとスゥッと気持ちがどこかにいってしまい恨めしそうにボタンを連打したりしていた私ですが、風花雪月はちゃんとドキドキイベントに同性も来てくれます。

DLCのユーリスは正式な生徒ではないし来ないのですが、同性の主人公をえらんでもドロテアは主人公と逢い引きがしたくて待ち合わせのラブレターを出してくれたり(紆余曲折で届かなかったのですが )リンハルトは来ると信じて待ってくれていたり、メルセデスは主人公と舞踏会で踊ろうと思って探していたことを話してくれたりしました。エーデルガルトはまだやっていないので、次はエーデルガルトと逢い引きしたいと思います。

私はこの、自分は除外された存在だったドキドキイベントに初めて自分が仲間に入れて貰えたような気がして、本当に本当に救われたと思いました。初見プレイは女主人公だったのですが、普通のゲームショップで買えるSRPGで、女の子のドロテアが女主人公に会いたくてラブレターを出してくれて、待っていてくれたことが嬉しすぎて、泣くようなイベントではないのに号泣してしまいました(笑)



まとめ

今まで一般のRPGなどで男女が恋に落ちるのに、同性とは結ばれないことに疎外感を持っていました。

BLやGLの専用のゲームをやるしかなかったので、みんながやっている人気のゲームの中でも、私のセクシャリティを受け入れてくれるキャラクターが現れてくれる日を夢見ていました。先程も述べたように、みんながやっているゲームでも私は常に蚊帳の外、わかってはいるけど、寂しい気持ちになることは多く、本当は私もみんなのドキドキワクワクが欲しかったのです。そんな、手に入らないものへの渇望をこじらせて、二次元の画面の中から私のことを肯定して、理解してくれる誰かが手を取ってくれるのをずっと待っていました。ですから、初見プレイで、バイセクシャルであることを何のマイナスポイントやいじりの対象ではなく、魅力的なアイデンティティとして持っている素敵なドロテアが私に会いに、女神の塔に来てくれたときの救われた気持ちは忘れることができません。一途で愛されたいエーデルガルトも、全てを赦し包み込むメルセデスも、甘くてふわふわなリンハルトも、色仕掛けを武器にするユーリスも、みんな私が待っていたものをくれたと思います。それに、先程述べたキャラクター以外でも、みんなジェンダーバイアスにとらわれず、目の前の人を一生懸命に見て接しています。そんな風花雪月のキャラクターのみんなが、私は大好きです 。



このゲームは、ルッキズムの問題とか、性差別、男性、女性の軽視問題にも真剣に取りくんでおり、ジェンダー観の視点から見て素晴らしいので紹介したいことがまだ山ほどあります。

ジェンダーのことや、男女対立、そういったことで疲弊している人には本当にやってほしいゲームです。


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