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ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2023完走記

 今年も、ULTRA-TRAIL Mt.FUJIに参戦してきました。去年は天子山塊を回避するルートだったにも関わらず、最終区間の霜山でボコボコにされた(去年の完走記はこちら)ので、リベンジを果たすべく練習量を増やし、去年の10月~3月の半年間で、月平均550㎞、14000m D+ (バックヤードサテライト、甲州アルプスクレーシャ、球磨川リバイバル含む)準備をしていました。今回も相当長くなってしまったのですが、読んで頂けたら嬉しいです。

スタートまで

 去年より練習量を増やしたことや、3月に100マイルを完走できた事のお陰か、100マイルに対する距離的な恐怖心はなくなり変な緊張もなく、今までにないフラットな精神状態が続いていた。むしろ、余裕にも感じられるその感覚に、逆に落とし穴が来てダメになるのでは?とも思ったりもしたが、そう考えても緊張感が出てこなかった。そんな状態のまま前日受付や、スタート会場では色んな知り合いに会う事が出来て、純粋に楽しめたしあっという間に時間が過ぎていく感じだった。この1年で知り合いがだいぶ増え、本当にありがたいと思えた。とにかく関係者への感謝を忘れない事、前半は抑える事、辛くても粘る事、そして何より過去1番楽しむ事を意識してスタートラインへ並ぶ。目標は27時間切りだった。
※ここからの小見出しの順位は、いずれも完走者300名中の区間、およびエイド到着順位

いよいよ始まる感じで、みんな楽しそう!

スタート~F1富士宮 24km 173位/完走者上位300人中

 スタート直後の歓声は本当にすごい。これはぜひ色々な人に味わってもらいたい。とてつもない力を貰えるが、その力をすぐに使わずにゆっくり使う意識で、事前の相談通りフジ君と並走し、LDA-RCの奥村さんとも一緒に下り基調の林道を走る。そして予想していた通り、周りの選手がみんな速く、引っ張られそうになるが、去年も参戦していた山越さんや斎藤さんを見かけ、去年より周りのペースが速いことについて話す事で、その事実をきちんと認識し、周りに合わせない意識を強くしていた。そして、鉄塔パートに到着。

鉄塔パートに突入、去年より人が多かった

 前の人に合わせたペースが続くことで、歩きが入りリラックスできた。その時に、稲村さん、菅原さん、小林さんを見かけて挨拶ができてさらに和む。なんとなく去年よりかはラクさがないかもと思いつつも、心拍が高いわけでもないので気にせず淡々と進むが、計画より10分ほど遅くF1に到着。

F1~F2麓 区間 27km  126位 (累積51km 139位 )

 FUJIのエイド間最長区間に備えて、補給を万端にしてトイレに行ってリスタート。ここのエイドでやめると決めていた、斎藤隊長としばらく並走し元気を貰って進む事ができた。

去年よりもF1までの距離が延び、本当に長く感じた

 その先でもチー100メンバーや、トモさん、JR田中さん他LDAメンバーからの声援を頂き、気分良く天子山塊へのトレイルへ突入する。感覚としては、200-300位辺りを走っていると感じていたので、無理はしなくても少しずつ前を拾っていく展開になるのでは思っていた。そのため、前のペースに合わせて登りつつ、少しトレイルの幅が広がり行けると感じたら抜かせてもらいつつ進む。ただ、気温がそこまで下がっていなからなのか、余裕がそこまである感覚ではなかった。天子手前の急登パートで久保さんを抜かし、天子に到着して少ししてから、フジ君がペースを落とすとの事で1人で行く事になる。そこからのアップダウンの繰り返しは、登りはそこそこ、下りは力を使わず滑らかに進むようにしていた。それでも下りの方が前に追い付き抜かせて貰っていた。長いアップダウンが続き、ようやく熊森山へ到着し下りパートへ突入。2019年よりもだいぶ路面コンディションは良いが、急なので詰まり気味で集団に合わせて降りる。ちょうど前が水越君だったので、話しながら下れて良い分転換になった。林道に降りてからも、まだまだ飛ばす意識は持たずマイペースで進む。2021年に一緒にTDTに参加した帯谷さん声を掛けて貰った以降は、特に出会いはなくひたすら長い林道を淡々と進んでいった。長いとわかっていてもやっぱり長かったが、焼きそばとコーラを楽しみに進み、ほぼ区間計画通りにF2に到着。

F2~F3本栖湖 区間 10km 158位(累積61km 126位)

 予定通り、焼きそばとコーラを食べ大福をポケットに入れ、他の選手のサポートに来ている知り合いに挨拶して気分良く出発。キャンプ場沿いのルートが河原に変更されていた影響で走りにくかったが、それ以降はたまに歩きを入れつつ淡々と走って進む。この区間は登り基調だが、歩くと時間が掛かってしょうがないので、遅くてもなるべくステップで進む事を心掛ける。が、端足峠の登り口でなぜか胃腸のむかむかが出始める。最初は気のせいだと言い聞かせたが、気持ち悪さへ変わりもどしそうになる。正直、去年と同じようなペースで、同じ焼きそばとコーラを摂っているのに発生した体調の異変に動揺するが、起きてしまった事はしょうがないので、ペースを落としカロリー摂取をやめ水だけで進む事へ切り替える。登りは力が入らず遅いが、下りは力を使わなくても走れるので、何とか最低限のペースで進んでF3へ到着する。計画より30分ほど遅れていた。

F3~F4精進湖 区間 12km 243位(累積73km 150位)

 エイドに入ってすぐにトイレでもどすが水しか出ない。こうなったら、空腹感が出るまでひたすら水で進む事を覚悟する。カロリー摂取ができない分力は出ないが、胃腸を回復させ再度動いてもらうためには余計な胃腸への入力は避けたかった。回復した時のため、まんじゅうをポケットに入れ、両ボトルとも水に切り替えて出発。ただ、当然力が入らずどんどん抜かれる。そうすると更に気持ちまでも落ち始め、やめたくてしょうがなくなり、さらに力が出なくなる。辛うじて下りだけは重力を使って小走り程度だったが、それ以外は本当にゆっくり進むのが精一杯だった。どうやったらやめられるか、中止になるか、やめた時の言い訳を100通りくらいは考えた。過去イチやめる事を考えていたと思う。ただ、パノラマ台まで行けばRyuGさんに会って元気が貰えて、浮上のきっかけになることに一縷の望みをかけていた。まさに他人任せ状態だった。そんななか、自分を抜く際に心配して声を掛けてくれたのが、浜松うましかの岡本さんだった。少しの間一緒に進んでくれて励ましてくれたりしたお陰で、少し胃腸の回復感が出始める。ただ、カロリーをしばらく摂取していないせいで力が入らないので、登りは全くついていけず感謝しつつも先に行って貰う。さらに、その先の中ノ倉峠でたみさんが応援に来てくれていた。本当にいいタイミングで声掛けに救われた。その前後で、今度は遠くから応援の声が聞こえてきていた。これはパノラマ台からに違いない、もう近づいているんだと前向きに思えるようになる。やっとの思いでパノラマ台への登りを終えると、RyuGさんだけではなく大野さんや他の方もいて、大声援だった。RyuGさんにはハグまでして貰い本当に嬉しかったし心が救われた。ただ、この時点でRyuGさんは声が枯れていて、最後まで応援してたら死んじゃうんじゃないかと心配になった。でもお陰でなんとか次のエイドまでは行けるなと思えるようになった。その先の下りは少し走り、登り返しはフラフラしながら登って烏帽子山に到着し、その先の下りはまた重力に任せて脱力走りで何とか凌いだ。ただ、下りた先の樹海のフラット区間はやっぱり走る力が出ず、歩いてたところでまた岡本さんに声を掛けて貰って、ジョグペースで引っ張って貰い何とか進む事ができた。本当に助けて頂きありがたかった。やっとの思いでエイド前のロードに出たところで、球磨川で何度も前後した第4Wスタートさんの清田さんに追い付かれつつ、なんとかF4に辿り着く。計画より1時間くらい遅いし、相変わらずやめたかったが、空腹感も出ていたのでそれに賭けたかった。

F4~F5富士急ハイランド 区間 23km 155位  (累積96km 143位)

 ちょうどおじやが出るエイドだったので、とにかくカロリーを入れたくて2杯頂く。補給しながら清田さんと球磨川での話が盛り上がる。清田さんも球磨川でバチバチやれて楽しかったと言ってて、強い人とそんな風な走りができて良かったなと思え、少し救われた。さらに運営の松井さんもいて、「相変わらず楽しそうじゃん!」って言ってくれたお陰でまた救われた。ただ、まだ動きが鈍いのと、この先どうなるかわからなくて不安の方が大きかった。胃腸が動き始める事による眠気発生予防としてコーヒーを飲んでいるところで、柵の向こう側に清々しい顔をしたフジ君を見かける、最初フジ君がここにいる訳がないと思ったがやっぱりフジ君で、F2でやめてこっちに来たとの事。自分のキツさ加減を愚痴る事で、さらにやめたい意欲が増した。ただ、食べられたしコーヒーも飲んでいるし、やめてもやる事ないから、もうひと区間だけ頑張ろうと思いなんとか出発。最初だけジョグで進むが、やっぱり眠気の急襲にあい、真っすぐ歩くのが精一杯な感じに陥る。エイドを出なきゃ良かったと後悔するが、歩きながら回復を待つ選択をする。ロードに出て下りですらトボトボ歩きになってしまう。この先の長い登りロードを歩き通したら永遠に終わらないと思っていたので、正直今年のUTMFは終わったと思った。案の定、登りは更にフラフラになるが、コーヒーを飲み20分くらい経ったところでようやくカフェインが効いてきたようで、急に視界が開け始めた。そうすると不思議と身体にも力が入るようになり、そこから鳴沢氷穴までのロードを全部走れるまで身体が復活したし、何人か抜くことができた。途中、ミカさんシャウさんの応援を受け更に元気が出た。

ミカさん、シャウさんは毎回のように応援に来てくれて有難い!

 鳴沢氷穴の自販機でリアルゴールドを飲み、足和田山へのトレイルへ突入。無理はせず淡々と進む感じで、特筆するようなことはなかった気がする。山から下り始めたところで若干夜が明ける感が出てきて、もうタイムは狙えないけど、この先はせめて楽しく走りたいなと思いながらロードへ降淡々と走りヘッデンを消し、その先にいた方が自分の事を知っていてくれいて、名前で応援して貰う事で元気が出た。とにかく心を前に向かせるきっかけを渇望していたので、夜明けとそれが重なり有難かった。その後は、長いロードを去年同様淡々と走り、何とかF5に到着。

F5~F6忍野 区間 16km 150位 (累積112km 139位)

 デポバックを受け取てからエイドまで距離があり、もう少し軽くすればよかったと早速思った。その間に早朝にも関わらずチー100メイトの遠野さんの応援を頂いた。エイドで着替えつつ、時計とスマホ充電し、トイレに行ったり補給を入れ替えたりしている間に、先に着いていた稲村さんや、あとから来た芳野さんや田治米さんと話せたし、久しぶりに吉田君とも話せて元気が出てきた。あと、お味噌汁を作ってくれたエイドの方が、あしラボのインスタで自分の事を知っていると言われ、SNSの影響力の凄さを感じた。何だかんだ20分くらい滞在してしまったが、回復途中の自分には悪くはなかったと思って出発。去年は歩き通してしまった緩やかな登りの林道やロードを、ペースは遅いがそこそこ走って進んでいたが、ちょっとした下り基調のところでまた急に力が入らなくなり、下りにも関わらずフラフラ歩きになってしまう。どうやら睡魔に急襲されたようだ。明るい時間にも関わず襲われるのは珍しいため最初戸惑ったが、もうどうしようもないのでカフェインを投入し覚醒するのを歩きながら待つ。その間にゴールに来くれる予定だった妻に、予定より2-3時間遅くなるかもしれないという弱気な連絡を送る。稲村さんに抜かれるが、小倉山の登りで身体が動くようになる。その先の道の駅のトイレに寄り、信号待ちで芳野さんに追い付かれる。まだ、覚醒しきってはいなかったので先に行って貰いジョグを続け、忍野エイド前の最後のひと山へ突入。そこで急に身体が動くようになり心身共に整ってきた感が出た。富士山は見えなかったが、眺めは良いのでそれも楽しめるようになった。

ここから見る富士山を楽しみにしていた

 登り切ったところで、ここから行けるところまで行こうと思えたので、山中湖前だったが意識的にペースを上げた。すぐに稲村さんに追い付き先に行かせてもらい、気持ちよく走って下り、あっという間にF6に到着。

F6~F7山中湖キララ 区間 12km 40位 (累積 124km 119位)

 エイドで芳野さんを見かける。もうそろそろ出そうだったので、バナナをささっと食べてほぼ一緒に出発。山に入るまでの河川敷&ロードが退屈なのがわかっていたので、一緒に走れる人がいて助かった。途中ユースケさんにも応援を貰ったし、厚木大学/高松山グルグルクラブに参加された方にも応援を頂きどんどん調子が良くなっている感覚になっていった。

ちょうど調子が良くなってきたタイミングだったので気分も上がった

 どん底を抜け出せた感のお陰で大平山も比較的ラクに登れた。山頂で誘導をして頂いていた方に大体120位くらいと告げられ、100位以内の可能性が見え更にスイッチが入る感じだった。その先の長い階段の降り登りも、力みなくラクに進めてただただ楽しくてしょうがない時間帯が続く。

登ってきた階段、あっという間だった

 石割山手前までいき、山中湖への下りも本当に楽しく流れるように進む事ができた。そんな中、力なく進んでいる菅原さんに追い付く。話すと脚を傷めた訳ではなさそうだったので、練習の質/量ともに過酷なことをやってきている人なので、何かのきっかけでスイッチが入れば脚は動くだろうと思え、我慢して粘れば絶対復活できるという事を話して先行させてもらう。その後もリズムよく走り続けF7に到着。

F7~F8二十曲 区間14㎞ 41位(累積138㎞ 94位)

 エイドで豚汁におにぎりを入れ食べている時に、菅原さんがエイドに入ってくるのが見えたが、あっという間に出ていってしまった。ついさっきとは全く別人のような集中した表情で、ヤバい人を起こしてしまったと思えたが、追える楽しみも感じられた。そのためちゃんと補給し、コーヒーを飲んでエイドを出発。出発する際に、またも多くの知り合いに応援して貰えて元気が出た。そして出た直後にヒデキさんと、ガチャ君に遭遇。ガチャ君は脚を傷めてDNFという事で、ヒデキさんと一緒に進む事になる。バックヤードではさんざん一緒に走ったが、トレイルでは初めてで単純に楽しかったしリズムが合い、本当に気持ちがラクだった。さらに、F1でDNFした斎藤さんも応援に加わり、過去で一番いい心身状態で鉄砲木の頭に到着できた。

登りなのにメチャクチャ楽しかった!
ヒデキさんは接地の仕方を意識的に変え、使う脚の筋肉を変え疲労を溜めない工夫をしていた。

 そこからは先行させてもらい、菅原さんと海君を追いかけるモードに突入。ちょっと先でカメラを構えていた石山さんに挨拶をして、トレイルを心から楽しみ進む事ができた。お陰で、高指山付近で水越君に追い付き、山伏峠分岐付近で前田さんに追い付く。前田さんは故障明けなのにいいペースで進んでいて、本当にすごいなと思えた。その先も登りはキツかったが何とか粘り、下りは気持ちよく走って気分良くF8に到着。

F8~F9富士吉田 区間12㎞ 32位 (累積150km 83位)

 さすがに、菅原さん海君はまだいなかった。エイドにいた、ハルカさんとお話しさせていただきながら補給を進める。彼女がMCをしているPodcast 塩屋ヒーハーFM (LINK)で名前を出して頂いたお礼を伝えられて良かった。エイドを出るタイミングで水越君とすれ違いエールを送りながら出発。せめて海君に追い付こうと気合を入れる。が、やっぱりここの登りは斜度がありキツい。杓子山山頂でボラをやっている黒田さんに会う事だけを意識し、ひたすら耐えて登った。鎖&岩場は相当集中する分登りの苦しさが紛れるので、そこまでは粘り、そこからはスリリングな登りを苦し楽しむ意識で進んだ。もう少しでピークというところで、田島さんが応援に来てくれていた。お陰で元気を貰い、杓子までの細かいピークをこなしてようやく杓子山頂に到着。会いたかった黒田さんにお礼を伝えると、菅原さんがぶっ飛んでいったとの事。自分も見習って飛ばすつもりで下りを開始するが、最初に白さんがいたので一緒に写真を撮って貰い、応援を追い風に軽快に下って行った。お陰で何人か抜きあっという間に林道に到着。その後も頑張って走り続けるが、1人だけとんでもない速さで抜かれた、水曜高尾連のワッペンを付けている方だった。その後も走り続けて気持ちよくF9に到着。

F9~ゴール 区間15㎞ 64位(累積165㎞ 81位)

 エイドに入ってすぐに海君が目に入る。プッシュして追いついた事に安堵しながら一緒に補給を食べる。早く出たかったのでうどんは回避し、バナナとコーラだけにした。その時に、さっき林道で抜かされた方に話しかけられ、今年の大江戸小江戸の200kmで優勝したマサルさんだとわかる。海君とほぼ一緒にエイドを出て、並走させて貰う。何気に長いロード区間だが一緒に走れた事や、すみれさんの応援もあり気分が紛れて助かり、順調に霜山の登り口まで来れた。ただ、股関節が詰まり気味で動きが悪いと感じたので、先に行って貰いほぐしを入れてから登りへ突入する。が、やっぱり動きがいまいちで、どんどん海君の背中が小さくなっていってしまったし、後ろに追い付かれる展開になってしまった。ただ、このひと山をリベンジしに来たと言い聞かせ発破をかけていた。特に送電線下区間のキツいパートは、遅くても止まることだけはないように意識をした。

キツい送電線区間への入り口、キツいとわかっていてもキツかった

 本当に止まる寸前くらいまでペースが落ちてしまったが、何とか持ちこたえたお陰か、その先の傾斜が少し緩くなってきたところでまたしても脚の復活感を感じる。そのおかげで進むスピードが戻り、追いつかれ気味だったのが離し気味な感じに変わっていった。去年腰かけてしまった倒木もちゃんとスルーし、霜山分岐手前で応援を受けたり写真を撮って貰ったりして、いい気分で下りパートに突入。相変わらず下りの脚は残っていたので、けがや転倒のリスクを意識しつつ飛ばして下っていった。去年も思ったがこの下りはご褒美区間なので、絶対脚と心を残した状態で入りたい。半日前には考えられないような良い心身状態で純粋にトレランを楽しめている感じだった。そんななか、またしてもユースケさんの応援で元気を貰い楽しい気分で、あっという間にロードに降りた。(多分ちょっとした登り返しはゆっくり歩いていたと思うが、下りが楽しすぎてあまり覚えていない)

2回も応援を貰えるなんて思ってなかったので、嬉しかった

 ここまで来て順位やタイムを考えても仕方ないので、せめて残りは走り続けようと思い、マイペースで街中を抜ける。30時間を超えてしまうのではと考えていた中盤の苦しさやそこからの巻き返し、家族や仲間や関係者の暖かい応援などを色々想い出し、またしても泣きそうになってしまいぐっとこらえる。その後もきちんと走り続け、国道を超える横断道路を渡り駐車場のところで、とんでもない速度差で抜かれた。どうやらKAIのトップ選手だった。他には来てなさそうだったので、ラクに会場に入るとすぐに家族、厚木大学の仲間、LDA-RCメンバー他が並んでくれていたので、気分良くハイタッチしメチャクチャ笑顔になれた。まだ、KAIトップ選手のゴールシーンだったので、少し待ってから最後のコーナーを曲がり、子供と一緒に手をつないでゴール。時間以上に長く感じた27時間15分のレースを終える事ができた。

ゴール後と振り返り

 すぐに海君が目に入り、健闘を称え合えたし、菅原さんも待っててくれて話せて良かった。この二人のお陰で最後まで追いかける意識で頑張ることができた。蹴落とす競い合い方ではなく、お互いに敬意を持ちつつ刺激し、時に引っ張り合いながらゴールを目指す感覚が改めて自分には合っているなと思えたし、刺激を貰ってきた人達の中で恩返しも兼ねて少しでも刺激を与えられるようになりたいと思えた。

海君と、また来年も競えるように鍛え続けたい!
厚木大学の仲間が作ってくれたTシャツのお陰で応援を貰えた!

 今回は天子山塊を越えたにも関わらず、山中湖からゴールまでのタイムを去年より約45分縮める事ができたのは純粋に嬉しかった。一方で、前半の停滞は思いがけない出来事で、今後起きないようにとか、起きたとしても最低限の落ち込みでリカバリーできるように試行錯誤してみたい。今回で100マイル以上走ったのが15本目となったが、これだけ前半に苦戦し辞める事ばかり考えた大会はなかったと思う。ただ、要所で色々な人達に声を掛けて貰ったり応援して貰い、何とか調子が浮上するの耐え忍んで待つ事ができ、復調の兆しを逃すことなく立て直すことができた。ウルトラは、ほぼ必ずトラブルが発生するが、ケガでない限りは復活する可能性がある。その復活の可能性を上げるために、”自分に起きている事を冷静に分析する事”、”その分析に対する対処法をとる事”が求められる。これらを進みながら実行し、リカバリーしていかなければならない。その為にも、”復活できると自分自身を信じる事”、”進めると信じてくれている人達からの応援”を正面から受け止め、脳をある意味騙して進めると勘違いさせ、前を向くための力やきっかけにする意図的な意識が必要だと感じた。この教訓をぜひ次回以降に活かしたい。今年は11月のバックヤードに挑むので、それに向けて7月、9月にロードのウルトラを入れるつもりなので、ぜひ学んだことを実践して体得し、思う存分楽しめるようにしたい!
 まだまだ、走る事はやめられそうもない!

STRAVAの記録はこちらです➡LINK

このタイムでこの順位、年々レベルが上がっていくので練習をサボれないw

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