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インディーズ始めます

いやー、まず本当に覚えていないものですね。何年に何をしたかとか。

間違い無いのは、18歳まで過ごした、九州は大分の田舎街のことがとても嫌で、はやくここから出ていきたいという思いと、どうせ出て行くなら”東京”がいい!という青春まっただなかの10代特有の感情におもいっきり振り回されてなにも考えずに東京の大学を受験して東京に出てきたということは覚えています。

いまは大分の地元のこと本当に素敵だと思えるけど、当時はなんで”オアシス”や"ブラー"をみんな知らないんだ?”クーラシェイカー”かっこいいよ!大分にはそんな話をできる人がいないのは本当ダサい!、、、とか思っていまして、いやはや、お恥ずかしい限りですが、自分が世界の中心で、自分が知っていることが全てでしたから、CDの数や、すこしでも洋楽に詳しいことがステータスと思い込んでおりました。そもそも大して詳しくもないのに、、、お恥ずかしい。

でもそんな乱暴に音楽を聴いていく中でも、あれ?これ、本当に好きなんじゃない?とか思うサウンド、声、リズム、なんてのが出てきて、すこしづつ自分の好みなんてのが作られていくのですが、その中でやはりハマったのが渋谷系。音楽だけでなく、洋服やデザインや映像と、カルチャーがついてきて発言や行動までもあわせてアーティストの魅力となり、しかも遠い外国でなく、身近な渋谷という街で起きている。クラブやライブハウスに足を伸ばせば、アーティストと同じ空間、同じ音楽、同じお酒を楽しめて、まるで物語の登場人物になったように感じられる。

そしてそんなカルチャーに一歩ハマると見えてくる、自分で作る面白さ。クラブイベントのオーガナイザーやってDJをやる、雑誌を自分で作る、服を作ってブランドを始める、、、etc,,,自分たちで何かをはじめる、はじめると、自分の好きな曲をかけていい、自分の好きなものを紹介していい、自分の好きな洋服をつくっていい、自分の好きな写真、イラスト、、、なんだって自分で決めていい”自由”という魅力。もちろん自由の代償もあるのですが、なんてったって若いから大丈夫。自分がかっこいいものがかっこいい、自分が好きなものがいけている、そんな時期ですから、もう勢いだけですよ。

例に漏れず、自分もクラブイベントをはじめ(YANKEES'S HOLIDAYというイベントでした)、ライブイベントも主催し、レコードもプレスして流通させて、レーベル始めよう!と動き出したのです。

もちろん一から手探りですが、なんのために?とか、なんの得が?とか、そういった邪念がなく、”面白そう!”これだけで始まったんですね。始まったのですよ。おお、すごい、これで数年後大成功してれば、物語のめちゃくちゃいいはじまりなんだけど、まあ、そんな人生甘くなく、、、動きはじめたはいいが、苦労がどんどんおそってきますよ。いいことばかりじゃありゃしない、いろいろ思い出しながら、、、、

まずは

【クラブイベントをやるには】

こちらはまず自分がいったことのある箱の店員さんに、「ここって平日いくらぐらいでイベントできるんですか?」と聞きます。当日はまだインターネットもなかったので条件とかは聞くしかなかったんですね。そして、だいたい平日なら〇〇万円です、とか、30人動員条件(30人分のチケット代は先に払ってね)で、それ以降はハーフバック(チケット2000円だったら1000円もらえます)とか金額面を教えてくれます、さらに、何時から何時まで使っていいですか?とか聞いて、「10時から翌朝の5時まで」とかルールを教えてもらい、では、「open10時半、close4時半」とか決めて、10時入りでセッティング10時半開場&スタート、4時半音止め、5時撤収と、大体のタイムテーブルが見えてきます。

そしてチケット代を決めて(自分が行くイベントの金額に合わせましょう)、イベント名(ちなみに僕が始めたイベント名:YANKEES'S HOLIDAYは大好きなフィッシュマンズのアルバムにちなみにました)を決めて、出演者(というか、友達ですね、みんなで箱代を割り勘にしよう、とか、一人友達5人呼んでね、とか振り分けましょう)を決めて、これで、、、

1998年◯月×日恵比寿ほにゃらら”YANKEES'S HOLIDAY”

open 10:30 〜 end 4:30     2,000yen +1drink

DJ:ジュリエッタ/アンドロメダ/ペガサス/34/焙煎豆 and more,,,

とイベントの概要が完成です。主催者は自分です。全部の責任がのしかかってきます。タイムテーブルも自分で決めます。楽屋やイベント後の打ち上げとかも自分で決められるのです。もちろん、その分プレッシャーも重くなります。当時はインターネットがなかったので、チラシを自分で作り(これもルールはなく、上記の文字が載ってればOK)、配るだけ。もちろんそれだけで知らない人が来るわけないので、自分でいろんなイベントに遊びに行ってはDJやお客さんに声かけて、こんなイベントやってるから今度遊びに来てよーという活動も必要でした。でももちろん好きで楽しみにイベントに遊びに行ってたのでなんの苦痛もないですし、何より自分が好きなジャンルの音楽がかかるイベントだったら、自分の好きな音楽の話ができて本当、面白いしかないし友達も増える、といいことばかりでしたね。

今思えば、今だにその時の、いわばナンパみたいな出会いの友人がずっと続いていたりしていて、勇気を出して声をかけることは大事なことかもしれません。

あとは当日きちんと箱のスタッフさんに挨拶をしてマナーを守ってイベントを開催するだけなのですが、このマナーも誰かが教えてくれるものではないので、少しづつ自分で覚えていくしかありません。主催者が酔っ払いすぎて、グロッキーになったり、気持ち悪くなって先に帰宅したりしてはいけません笑、主催者が楽しくなさそうに、楽屋でピリピリしててはいけません。お酒や食べ物を持ち込んで身内だけで盛り上がってはいけません、自分の選曲に盛り上がって、音量を大きくしすぎてもいけません、etc、、、、、言い出せばキリがないですが、もう場数です。体で覚えていきましょう。

そんなこんなで、自分で一つのイベントをオーガナイズすることができました。これがインディの始まりであります。

ぜんぜんワイキキレコードと関係ないようで、そんなこともない大事な始まり。なんか思いつきで書き始めたけど、どこまで続くやらわかりませんが、トップに貼った高校卒業式の写真が出てきて、自分的に相当エモく10代を思い出しております。一緒に写っているのは数少ない音楽の話ができる後輩達でした。音楽の話をするのが楽しかったなー(いや、今もですけどねw)

次回は、「ライブイベントを主催する」、から、「オリジナル音源を流通する その1」です、お楽しみに!(笑)





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