「コミュ力おばけ」という障害

過去の話となったので、困った後輩についての話をまとめたい。

以前にも書いたこの人なのだが、まあその後すぐ地雷を踏み抜いて…というよりはあまりの高慢さに腹を立てた私が「あなたはアッパー系コミュ障であってコミュ力が高い事とは違う」と事実を突きつけた事により、事態が急変。
私は傷つけられた!本当にひどい!と周囲に吹聴しまくられ、一気に孤立化する羽目になった。

アッパー系コミュ障というのは要するに、自己愛性パーソナリティ障害という人格障害なのだが、特にタチの悪い境界性や反社会性などのB群タイプに属する人で、白黒思考であり感情の起伏が激しく、自分は何がなんでも正しいと思い込み、自信過剰なように見えて実は中身がないので、人の意見や評価で死ぬほど落ち込む…という症状が現れる。

人からの評価が全てなので、案外見た目も人当たりも良いのだが、その場その場の自分の利益しか念頭にないため、ほとんどの場合長い友情が築けず3~5年程度の友人関係で終わる傾向があるらしい。この人も例に漏れず「学生時代の友人がいない」らしかった。

今身近にいる人物に対しては、興味を引こうと献身的なプレゼント攻撃(これが本当に不思議だったのだが、ラブ・ボミングと呼ばれる典型的な行動らしい)をしたり、積極的過ぎるほどのコミュニケーションを取り、狭い世界での人気を獲得するのだが、それにも関わらず10年を超える友人が1人もいないというのは…??と疑念が膨らんでいた。

この人は初対面の時に、あまりにも「積極奇異」の症状が強かったので、ああ、軽度アスペルガーか精神症状の強いADHDだな…とは思っていたのだが、後に後者だと聞いた。
しかしADHDというのは7割が重ね着症候群と呼ばれる複数の精神障害を患う傾向があるらしく、およそ14%もの人がパーソナリティ障害を併発しているらしい。(定型発達だと1%強)

困った事に、このテのタイプの人は取り巻きを作るのが上手く(心理学用語で言う「フライングモンキー」)あからさまに罵倒するわけではないのだが、常に自分の肩を持たせるように働きかけるので、当然の事ながら非常に仕事がやりづらくなっていった。

どのみち今の職場ではあまり先の展望がなく、このまま怠惰に続ける事も出来なくはないが、自分にとっては良い選択ではないだろうともわかっていたので、転職活動をする事にした。
結果として給与も休日日数も増える事になったので万々歳だと言えるだろう。

なお、一式資料は渡したのだがほぼ引き継ぎが出来ておらず、どうも業務であっても嫌いな人間にはなかなか話しかけられない真のコミュ障であるらしい。
私が困る事はないので別に良いのだが。

これまで何人か見てきているのだが、コミュ力おばけというのは大抵発達障害タイプの人であり、あれは適切にコミュニケーションが取れているワケではなく、やはり過剰であり偏りが強いものなのだ。

コミュニケーション能力というのは、友だち100人出来るかな?でも社内やグループでの人気を獲得する事でもなく、適切な相互意思疎通能力を指すのだという事に、彼女もいつか気付く日が来るのだろうか?


以下、後日談。


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