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詩|人生の、晴れと雨

晴天続きの毎日 久々に雨が降って
翌日 ふと庭に目をやると
黒土から小さな植物たちが 空に向かって懸命に短い葉を伸ばしていた

雨で一気に芽吹いたのだろう
あちこちから ぽつぽつと 明るい緑色
雑草の葉だけれど
なんだか微笑ましい

「恵みの雨か」
そう思って、ふと気づく

晴れの日ばかりでは
どうやら植物も枯れてしまうらしい
雨もまた
彼らにとって いのちを繋ぐために必要なのだ

そう 植物には
晴れと雨とが 両方が必要で
雨は
時に植物を、大きく成長させてくれるもの

そうか 
きっと
人生も同じこと

何ごともない幸せな毎日を 
『晴れ』と呼んで
トラブルや苦難の日を 
『雨』と呼ぶのならば

私たちは穏やかな、晴れの毎日を望むけれど
意図せず雨の日は 突然訪れる

その雨は
すぐにやむこともあれば
しばらく続く事もあって
晴れ間が恋しく
雨なんて
早く上がれば良いのになと 恨めしく思ったりもするけれど

雨の日があるからこそ
晴れの日を 恋しくもありがたくも感じられて
カンカン照りの毎日は 植物を枯らしてしまうように
それだけじゃきっと 人は生きていけない
雨は 
より強く より大きく
伸びていくための 成長の糧になる

どんな困難も どんな苦難も
長い目で見れば 私を成長させる一つの要素
「恵みの雨か」
卒然と
晴れの日、雨の日 
両方を与えられた大地に生きていること それ自体に
心から感謝したくなり

人生の、晴れと雨
やはりどちらも必要なもの

大切なことに 気づかせてくれた
庭の植物たち
君たちを
なんだか 愛おしく思う 雨上がりの日

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