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北海道にUターンして、3ヶ月。

 神奈川県から、のっぴきならない事情で実家のある北海道にUターンしてから何ヶ月が経っただろうか。離婚をきっかけにフリーランスを志し、それがうまく行かないまま、よく分からないまま北海道に帰ってきた。

 帰ってきてすぐの頃は、「手に職を」と、ハローワークで職を探してみたりした。でもやっぱり、会社に常駐して働くことに抵抗があって、在宅で職を探した。そうすると、コロナ禍も味方して、今は在宅での仕事の需要があり、とりあえずアルバイトにありつくことができた。コロコロと自分の意志に従うまま、仕事探しや自分のやりたいことに興味を持っていったら、次々とシンクロニシティが起こっている。

 私は実家のあるこの地域を思うたび、こだまさんが書いた「ここは、おしまいの地」を思い出す。ここはインターネット過疎地だからだ。想像できるだろうか。この現代に、光ファイバーが通っていない地域があることを。私はこの場所で、オンライン在宅ワークをやろうと苦労している。

 ネットワークが遅い。神奈川県では、重いファイルも苦痛なくダウンロードできていたし、Netflixもストレスなく観ることができた。

 それがどうだ。アップデートにも一晩パソコンを放置したり、別タブで同時にファイルをダウンロードするのも時間がかかる。毎日、帯域制限との格闘だ。楽天モバイルを利用した都会っ子のまま田舎に帰ってきて、エリア外とはなんということだろう。光ファイバーをつなぎたくてもエリア外。持ってきたポケットWi-Fiもエリア外。在宅ワーカーにとっては「おしまいの地」だ。そんな制限の中、私はモバイルネットワークで、テザリングを利用しながら、なんとかオンラインをキープしている。

 そして、仕事が動き出しつつある。神奈川県にいたときよりスムーズに事が運んでいる。まだ駆け出しだけれど。こちらにあったものは、心の余裕と人とのつながりだった。

 この「おしまいの地」を出たのは20年前になる。「人目が気になる」が私の田舎のイメージだった。それはこの20年で変わっていた。私自身が都会で叩かれてきたせいか。それよりも、田舎に人がいなくなりすぎて、気になる目線も少ない気がする。のっぴきならない事情で地元の福祉団体に相談しに行ったこともいい流れを作ってくれた。相談した方が地元の人との縁をつなげてくれた。これが田舎のいいところだ。都会で打ち砕かれた自分のスキルを認めてもらえた。

 まだ走り出したばかりだけれど、必要なシンクロニシティが起こっている。それを後押ししてくれたのが、この本。これから、田舎から起業の風景を、ちょくちょくここに書いていこうと思います。


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