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~お金と投資について考える~ 読書3冊

今まで「まだまだ遠い先のことだ」と思っていた夫の定年が視野に入るようになり、定年退職後の「お金」について、いろいろ考えるようになりました。年金も、これからは昔のようにもらえない時代です。しかも超高齢化時代・・・。日本人の平均寿命が90歳を超えるようになり、60歳から更に30年くらいは軽く生きてしまうかもしれない・・・と考えたら、安心して老後を過ごすために「先立つもの(お金)」をしっかり確保しておくことが大事です。

しかし、今世で50年も生きていながら(汗)、実は正直なところ「お金」についてイマイチよく分かっていなかったりします。「無駄遣いしない」「お金を貯める」「借金は極力するな」「滞納は厳禁」「ローンの金利に要注意」「連帯保証人には絶対になってはいけない」・・・云々。せいぜい、←これくらいしか親から教えてもらっていないし、あとは自分の今までの体験から「お金の概念」を漠然ともっている程度で、ハッキリした「お金についての知識」は身につけていない・・・というのが、今の私の状態です。

そこで、今後のことも考えて、(もう遅いかもしれませんが・汗)老後の資金作りのために「お金」について勉強してみることにしました。

そこで、まず手に取った一冊目がこれ↓です。

『マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門』

著者はボード・シェーファーさん。翻訳は田中順子さん。そして、この本の監修が、かつて村上ファンドで一世を風靡した投資家の村上世彰さんです。

インサイダー取引で逮捕された後、表舞台に全く出てこなかった村上さんが、子供向けのお金の本の監修をされた・・・ということで、非常に興味を持ちました。しかも、Kindle本だとKindle unlimited(読み放題)の対象になっていたので、すぐにダウンロードして読んでみました。

この本は、子供向けだけあって非常に読みやすいです。しかも金融に関する専門的なことが、子供にも分かるように噛み砕かれて優しく説明されていて、「お金」素人の私でも最後までワクワクしながら読み切ることができました。

そして、この本の最初に「監修者まえがき」として、村上さんから子供たちへ『お金にまつわるメッセージ』が記されています。その中にあるのが、この下記の一節です。

「お金は汚いものではなく、仲良くすればするほど、君たち、そして君たちの周りの人も幸せにしてくれる」

これを見て、「そうだ・・・お金と仲良くするという概念、私の頭からスッポリ抜け落ちていた~!」と思いました。

お金って、私の頭の中では「本音は大好きでたくさん欲しいんだけど(笑)、嫌われたら縁を切られて離れていきそう・・・。裏切られると怖いもの・・・」という概念になっていました(汗)。プラスに受け止めたいのに、何故かネガティブな気持ちが付きまとうという・・・とっても複雑な存在だったわ~と、これを読んでハッと気づかされたのでした。

ちなみに、日本人って、昔から「お金を稼いでいる人=卑怯な手を使って金をせしめているに違いない=守銭奴=嫌われ者」「お金が無くて貧乏=清貧=尊くて正義の人」みたいな変な固定観念があると思うのです。

また戦中の「贅沢は敵だ」というスローガンじゃ無いけど、平成が終わろうとしている今も、「贅沢すること」に罪悪感が付きまとったり、金を使いすぎると不幸になるんじゃないか・・・という恐怖心があったり等、どうも「お金」に関するネガティブなイメージが、社会からかなり刷り込まれているように感じます。

要は、多くの人々が「お金」を自由に使いこなす経験が不足していて、体験不足からくる無知さから、お金に対してネガティブな感情を抱きやすく、そんな「ネガティブな先入観」が社会に蔓延して多くの人々に刷り込まれ、固定観念として植え付けられていったのだと思います。お金を自由に使えない窮屈さ、お金を失うことへの恐怖、将来への不安・・・等、そういうものを抱えながら生きている大人たちが多い昨今、もっと「お金」について恥ずかしがらず貪欲に自由に真剣に学ぶべきではないか・・・と感じます。

私自身も、預貯金やローンについては自らの体験等でいろいろ知ってはいるものの、「資産を運用する」「投資してリターンを得る」「お金を増やす」という分野は、全く未知の世界です。それに、私の親世代も、資産を運用するほどのたくさんのお金を持っていなかったし、昔は貯蓄第一でしたので、資産運用についての正しい知識を得ないまま済んでいきました。人は知らない世界には一方的に恐怖心を抱きます。知らないから怖い、怖いから「触れてはいけないタブーの世界」「自分たちには縁の無い世界」という風に線を引き、少し距離を置いて生きてきたと思うのです。

こんな感じで、子供の頃から、客観的に「お金」について正しく平等に教えてくれる人がいない・・・というのが、日本の今まで現状でした。

この本は、一人の女の子の家にマネーという名前の白いラブラドール犬がやってくるのですが、この犬が不思議なことに人間の言葉を喋り、主人公の女の子キーラに「お金」のことを教える・・・というストーリーです。キーラの視点に立って物語は展開します。キーラは、自分の「お金」に関する疑問を一つ一つ解決しながら知恵をつけていきます。そして、師と仰ぐ「お金に詳しい大人たち」との出会いを通してお金について学び、実践を通して「お金」の増やし方を身につけていく・・・という内容です。

「お金」というものがイマイチよく分かっていない大人たちも、この本を読むことで「お金ってそういうものなのか~」と改めて気づかされると思います。私も、上記の通りで「お金」については中途半端な知識と概念しか持っていなかったのですが、この本を読んだら、「お金」の基礎基本がサクッと理解できました。

この本で初めて知ったのは「投資は怖いことではない」ということ。お恥ずかしいことに、投資信託という名称は知っていたけど、内容はよく分かっていませんでした。ただ漠然と「怖いもの」としか認識してしませんでした。でも、これを読んで「なるほど、そういうことなのか~」と非常に勉強になりました。投資の意味が根本から理解できたら、「お金を運用すること」への不安と恐怖が少し薄まりました。

次、二冊目の本はこれ↓です。

『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』

先述の『マネーという名の犬』を読んで、投資について更に詳しく知りたくなった私は、いろいろ調べていきました。そこで、今現在、ロボット(ロボアドバイザー)による全自動の資産運用サービスがあると知り、その中の筆頭であるウェルスナビ代表取締役・芝山和久さんの本に出会いました。

芝山さんの奥様 (米国人)のご両親は、アメリカで長年『資産運用』をされていて、それによって老後の資金を蓄えられ、今はとても豊かな老後を過ごしていらっしゃるとのこと・・・。しかし一方の日本では、今後ますます年金が先細っていくことが懸念され、安心して高齢化社会を生きていけるよう「老後の資金づくり」の重要性が強く求められています。そこで、正しい資産運用をすることで「投資は怖い」という先入観を払拭し、「長期・積み立て・分散」の長期投資で正しく資産を運用して、老後の資金を確実に蓄えていく・・・・・という理念のもと、今の会社を立ち上げられたそうです。

まさに、我が家もそれに該当するので(汗)、ドキリとしながら読み進めましたが、この本も、非常に読みやすくて分かりやすい内容でした。

芝山さん自身の体験談も交えながら、投資の失敗例から、長期投資の大切さが分かりやすく説明されています。「投資=失敗したら身ぐるみ剥がされる=非常に怖いもの=やってはいけない」という先入観(←どんだけ固定観念が強かったことか・汗)がポロリと取れました。芝山さんが仰る「正しい投資」という概念。これを読むことでスーと脳に染み渡り、なるほど~と目から鱗が落ちました。

本文中の最後に、「長期・積立・分散」の資産運用をするということは、世界経済全体に投資し、成長の種まきをし、肥料をやるということです。という箇所があるのですが・・・ここ「なるほどなぁ~」と思いました。

「投資=成長の種まき」ということ。

一時の損得勘定に振り回されるのではなく、長期にわたって自分の資金を社会に回していき、成長の種まきをして、そのリターンを受け取る・・・ということ。それを長い目で見守り、コツコツ継続していくこと・・・。

それが大切なんだな~とスゴく腑に落ちました。

この本、夫にも読んでもらいました。夫も投資に対してネガティブなイメージを持っていたのですが、この本を読んで払拭したそうです。

投資の基本がよくわかり、とても勉強になりました。

三冊目は、この本↓です。

『生涯投資家』村上世影

こちらもKindleのunlimitedでダウンロードして読みました。

今まで固く口を閉ざしてきた村上世彰さんが、ご自身の今までの人生について語られ、過去の投資のこと(ライブドアのことやインサイダー事件のこと)も赤裸々に語られた著書です。

実は、先の『マネーという名の犬』を読んだ時、村上さんの書いた「監修者まえがき」があまりに素晴らしくて良かったので、村上さんのイメージが少し変わったのですよ~。それまでは、過去のマスコミの情報でしか村上さんのことを知らず、「ハゲタカファンドで会社を乗っ取り、株で大金を儲けている人」という世間のイメージそのままを私も持っていました。(ゴメンナサイ・汗)

ところが、この本を読んで、村上さんの投資家としての信条と理念を知り、また過去の様々な事件の実情がわかり、村上さんに対する見方が180℃変わってしまいました。

投資家の家庭に生まれ、子供時代からお父さんについて投資について学び、小学生からすでに株投資を体験し、やがて通産省の官僚となり経済に関する法整備をしていくなかで、『コーポレート・ガバナンス』を日本に根付かせる必要性を強く感じ、自分がその先駆者となるべく投資家の道へと進まれた・・・とのこと。

全ては、日本の馴れ合い体質の会社経営を健全な形に正すためのことで、その理念を実践するために突き進まれたその覚悟は、当時、相当のモノだったのだな・・・と感じます。億単位のお金の流れを作り、日本や世界の経済を動かしている人の話は本当にスケールが大きく圧倒されます。投資によってリターンを得て、そのリターンで得た資金を次の投資に使う・・・。こうやって、お金を塩漬けせず、どんどん循環させていくことが大切なのだと、村上さんは文中で様々な体験を通して熱く語られます。

この本のなかでは、ご自身のあの逮捕のことにも触れられていて、「そういうことだったのか~」と今更ながら、その真実を知りました。結局は、それがきっかけでファンドを手放し、今はご自分の資産を運用して投資をしていらっしゃるとのこと。先の東日本大震災の時も、投資家として日本に投資し続けることで経済的にサポートしつつ、知り合いに声をかけて物資の流れをつくり、自らも炊き出しのボランティアに出向かれたそうです。

今回、この本を書いたのはご家族から「何を目指してきたのか、世間に伝えて欲しい」と強く勧められたからだそうです。さらに、この本で得られた収入を、日本における投資の教育のために使いたい・・・とのこと。

投資とは「資金の循環」であり、資金の循環によって経済が活性化するという村上さんの理念は、先の「これからの投資の思考法」の著書の芝山さんにも共通するものである思います。昔と違って投資に対する偏見とハードルが下がりつつある今、ぜひ、村上さんにはその豊富な知識とと経験をもとに「経営者のあり方」「投資家の心得」「投資の理念」を教えてほしいな・・・と切に思いました。

この本は、村上さんの臨場感溢れる文章にぐいぐい引き込まれ、まるで自分もその場にいるような感じになります。これドラマ化したら面白いかも・・・です。投資に対するネガティブなイメージは、この本で木っ端微塵に壊れました。お金を生かす一つの手段として、とても大切なことなのだと、そう認識ががらりと変わりました。

◇◇◇

以上3冊。とても面白かったです♡。

老後資金を貯めるなら、なるべく早いほうが良いみたいです。我が家の場合、今からではもう遅いかもしれませんが(汗)、この本で得た情報を家族と共有し(息子にも教えよう・・・)、今後の生活に大いに生かしていきたいと思いました。

最後に・・・

投資や資産運用については、頭から「苦手だから」と決めつけて避けていてはダメですね。苦手なことほど、早めに蓋を外してしっかり現状と事実を把握し、適切に対処していくことが大切だと思いました。これは全てのことに当てはまりますが、特に「お金」に関しては、感情論で誤魔化さないで、耳が痛くても現実を直視して、早め早めにきちっと的確に対処していくことが必須だと感じました。

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