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UXデザインの法則_1、ヤコブの法則

前に読んだ本のレポートです。
本の内容は省略してほぼ自分の言葉で記載してます。

1、ヤコブの法則

他のサービスと既視感のあるデザインにするとユーザは新たに学習する必要もなく使いやすいと感じます。

このヤコブの法則は、ユービリティの専門家ヤコブ・ニールセンによって2000年に提唱されました。

ありふれた慣例に従ったデザインにすることで、ユーザーがサイトの中のコンテンツにもっと集中でき、
逆に、まだ慣例となっていないデザインは苛立ちと混乱を引き起こし、あきらめと離脱の原因になります。

慣れというものは信じられないほど価値があり、ユーザがUIの学習に時間をかける精神的なエネルギーを減らせば目標達成に向けてもっと力を割けるようになります。

その根源にがメンタルモデルという心理学の概念があります。

■メンタルモデル
メンタルモデルとはその経験やシステムについて、自身がどう理解しているのかという概念のことです。

私達は「AをしたらBになる」といった経験をした場合にこのシステムのモデルを頭の中で構築しています。そしてそのモデルを、似ているが直面したことのない状況に応用しています。
つまり、私たちは週去の経験から得た知識によって、新たなものごととやり取りをします。

メンタルモデルはデザイナーの武器になります。
サービスのデザインがユーザのメンタルモデルに沿ったものであれば、はじめてよいユーザ体験が実現できます。

ユーザのメンタルモデルが分からない時は、ユーザーインタビュー、ペルソナ、ジャーニーマップ、エンパシーマップなどの手法を用いると良いそうです。



■事例
デザインがユーザのメンタルモデルと合ってない場合、これを「メンタルモデル不協和」と言います。主に使い慣れたプロダクトが突然変更された時に起こります。

2018年Snapchatがいきなり大規模なリニューアルを行いました。使い慣れたアプリのフォーマットを劇的に変更しました。
それによってユーザ達はTwitterに不満を呟き、競合サービスであるInstagramに乗り換えました。

Snap社側からすると、広告出稿の活性化やユーザーごとのカスタマイズ広告の展開を期待してのリニューアルでしたが、実際に起きたのは広告関覧数と収益の低下でした。

しかし、大規模なリニューアルが常にユーザを失うわけではありません。
Googleカレンダー、YouTube、Gmailなどでは、ユーザ自身が新たなデザインを使うか選択できるようにした事で、ユーザは新しいデザインを試したりフィードバックを送ったり、また旧バージョンに戻すこともできました。


■テクニック ユーザーペルソナ
ターゲットとして明確な定義が無いと、デザイナー達は各々で勝手に解釈し始めて方向性が定まらなくなります。
ユーザーの定義を絞り込む事でニーズに合ったデザインの意思決定を可能にします。

ペルソナには下記の項目が備わっていることが多いです。

●基本情報(info)
名前・年齢・職業など、ユーザの肝となる部分

●詳細情報(Details)
プロダクトに関係がありそうな行動の特徴やその人たちが抱えていそうな不満。加えて、目標や動機、ユーザーがプロダクトや機能の力を借りることで実行したいタスクなどを含めると良いそうです。
詳細情報は共感を生み出し、デザインに影響する特徴に焦点をあわせるのを助けてくれます。

●インサイト(Insights)
特定のペルソナやそのマインドセットをより深く理解するための文脈を加えること。
ユーザーリサーチから直接引用することが多いです。



■重要な論点 同質化
もし全てのサービスが同じようなデザインになってしまうと、つまらなくなってしまいます。

ですが、逆に全く別のバラバラのデザインにした場合、メンタルモデルの考え方によればユーザはサービスを一から学ばなければいけなくなって離れてしまいます。

デザイナーは独創的である前にユーザのニーズなどに合わせ、技術的な制約を踏まえて最適な方法でデザインしなければなりません。
そこにはユーザビリティを犠牲にしないように心がけないといけません。



■結論
ヤコブの法則は、サービスが同質化を提唱しているわけではありません。むしろ、ユーザが新たな体験を理解するために過去の経験を活かす方法です。
また、核となるユーザ体験をよくするためには、同質化とは異なるものを作ることが必要になります。そこでデザインの探究を始めることが大切です。



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