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10年前の解放の日

3月1日は韓国の祭日。独立記念日。
町の大通りには国旗が掲揚され、各地では国家行事が行われます。


この時期になると毎年感じてたことがあります。
決して決して歴史的なたいそうな話は書かないので(書けない!)
あんまり期待しないでください。



それは「子供よ!さっさと学校行ってくれ!頼むから!」です。もっといえば「もうメシ、何作っていいか分からん!いやもう作りたくない!」


今では我が家の三人の子供のうち二人は成人し、末っ子は高3で寄宿舎に入っているのでほぼ家におりません。↑の気持ちもちょっと前までの気持ちです。子育て真っ盛りの時代の感情です。

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日本の小中高、1月頭から3月下旬まで子供達は登校しますが、韓国の学校は違います。三学期がないわけじゃないけど無いも同じで、2月辺りに数日の登校日らしき日があるだけ。(進学校や高3や、過疎地の学校だと補習授業や課外授業等で埋めたりはしますが)ちなみに韓国の1学期は3月スタートで、卒業式シーズンは2月となります。



なので12月のクリスマス辺りから3月の頭まで、子供が家で三食食べる生活に!3月になって「さー!子供が学校に行く!」と思っても3月1日は独立記念日で祭日なので絶対に休日。
今年2024年のように3月1日が金曜日だったりすると始業式は3月4日!
長い!長すぎる!涙 



家に子供がいると母親は何が辛いかというとごはん三食!
もちろん最近ではデリバリーもあるし、外食という手もあるし
「家にあるもの勝手に食べてなさい」もできるけど、何しろ丸2カ月だ。
ずっとそうするわけにもいかない。一体どうすりゃいいの~!だ。
もう許して。何作っていいのか分からない~。



子供がずっと家にいると、買い置きのパンもラーメンもお菓子もあっと言う間になくなる。お米も牛乳もすぐ切れる。買い出しだけでも大変。食べる量もすごいから出るゴミの量もスゴイ。当時の私が貧乏すぎたのかもしれないし、めんどくさいことをやり過ぎてたのかもしれないけれど、料理のレパートリーももう出尽くしてもうなんも作れない~。もー嫌だ~~となるのが三月の頭の常だった。そのピークが独立記念日の3月1日。



だから独立記念日に、在韓日本人として歴史的な思いを馳せる、なんて高い意識はゼロだった!怒られてもそうでしかなかった。意識低くてすみませんが「一日でもはやくワタシをひとりにさせて」という思いだけだった。子供が学校に行った日、静かに昼ごはんを食べたい時に食べられるという喜びに震え涙し「解放の日が来た!独立万歳!」を叫んだ。あれが私の解放記念日だった。




韓国では一人でご飯を食べる事を寂しいとみる向きがあるが、、
寂しいどころか、そんなの2カ月も続いたら、ただ「うざい!」
お願いだから静かな所で一人にさせて!が私の願いだった。三人も子供を持ったのは私の意思だし自分の責任だ。その良さも味わっているけど、一人の時間も絶対必要~! 





そんな話を以前韓国語のエッセイに書いた事を思い出した。「解放の日近づく」というタイトルだった。「独立」という言葉を使うので、韓国人に嫌悪感を抱かせないように配慮した。楽しく書くことを心掛けているが、誰かを攻撃したいわけではないから。韓国の冬の学校休みの長さに辟易してるのは韓国人ママ達も同じだったから、あの記事は好評だった。(ワーキングマムであっても大変) その記事を確認してみたら、なんと2014年2月27日の記事だった。きっかり10年前に書いたものだった。




10年前はそんなだった自分が、にゃんと!今年はソウルで3月3日にイベントをやることになった。友人と「ひなまつりを祝おう!女性のためのドレスパーティ」を開催する。ささやかな会だけど、素敵な方々がエントリーしてくださり満席になった。ありがたくてたまらない。来てくださる方々が良い気分でお帰りになれるように進めたい。




2014年なんて、まだ子供達は幼くてまるで先が見えなかった。だけどあれから10年。なんだかんだいって、子供はすっかり大きくなり夫も元気だ。
私は相変わらずこうして思いを書きつけている。ありがたい。去年からまた新しく書く場所が広がり、これから先まだ末広がりを見せてくれそうなうれしい予感しか感じない。




ということで、3月3日ソウルでひなまつりドレスイベントに行ってまいります。10年前の3月1日は「ああ早く解放されたい」とハンカチを噛みしめてゴミ捨てていた自分が(今も捨ててますが笑)あれから10年、今は全く別次元のこともやれるようになっている。目の前の状況が硬直してても、先はどうなるか分からない。ありえないよ!と思えるほどの嬉しいことだって起こるかもしれない。だからガックリ諦めずに、バッサリ決めつけずにいこう、と思えるのです。



ありがとうございました。




































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