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韓国でスラムダンク見て

韓国で映画スラムダンクの観覧者数が200万人を超えた。
鬼滅の刃の動員数を超えるんじゃないかと言われてる。


先に映画を見た人達が語る言葉に熱があったので
先日夫と近くの映画館で見てきた。
結果、予期せぬ胸アツになってしまったので書いている。
アチチ。しかも、、冷めにくいねこの熱。


なんと!私はこの映画みて
「韓国と北朝鮮の南北統一って可能なのかも」と
思ってしまった。ええー!!
そんなこと思った自分にビックリした。



ちなみに私は別に毎日「南北統一」を
考えてるわけではございません。
この1週間集中的に翻訳してたものが
たまたま南北統一を扱う内容だったので
とりあえず映画見てる時の頭の中に
「南北統一」がぎっしり詰まってただけ。
にわか知識だけど。



ご縁があって翻訳の為に読んだ本は
北朝鮮から逃げてきた女性の手記だった。
彼女の家族は皆北朝鮮にいる。
それを考えない、なんてことが出来るだろうか。
会いたいと思わずにはいられないだろう。



だから彼女は「南北統一」を常に考えているし、
今からそのための準備をしている。
その彼女が詳しく書いた韓国の問題点と北朝鮮の問題点。また統一に向けての政治的提言を読んでると、なんだかずっしりと頭が重くなってきた。
石のヘルメットかぶってるみたいな。



全く違う考えをもってる両国が
同じ事に手を取り合って向かっていけるか、、と思うと
もうその過程で起こりそうな面倒くさい事ばかりが
見えてきて絶望的になってきた。



多分著者さん自身はそんなに頭重くないと思う。
でっかい夢を持ってる人だから。
統一後の北朝鮮女性を教育するために
大学創設したいとと仰ってる。
韓国での起業も考えているという。
脱北者のための働き場を提供するため。
夢に熱い人にはゴールへの過程も違って見えることでしょう。



で、スラムダンクの話です。
以下ネタバレ入ります。


主人公チームの選手は、誰もがそれぞれ欠点を抱えてた。
そのうえ仲良くもなくて、助け合う気もあんまりない。


主将赤木:独裁者ゴリラ
流川くん:独りよがり狐
三井:スナミナ不足の鷹
リョータ:小さい猫
桜木花道:初心者過ぎる猿
監督:無口な白髪仏


けど監督のチームメイトを見る視線が仏みたい。
桜木君:このチームにリバウンドとガッツを与えてくれた。
宮城君:スピードと感性を。
三井君:かつては混乱を、のちに知性ととっておきの飛び道具を
流川君:爆発力と勝利への意思を

そしてキャプテン副キャプテンに向けては、
「赤木君と小暮君がずっと支えてきた土台の上に
これだけのものが加わった」と。 

安西監督自身は過去に白髪鬼と言われた人。
指導者としての挫折を味わい
癒えることのない心の傷を抱えてベンチに座っている人だった。



とても敵わない敵を前にした時の震える心。
挫折したままのいつかの小さな自分。
それをまずは「心で超えていく」メンバーの姿が、良かった。



今回メインとなったリョータの子供時代からの物語にも
深く惹かれるものがあった。
名プレイヤーとして期待されながら早逝した兄。
母親の前に兄ほどの姿で立てないやるせない思い。
劣等感、挫折感、俺じゃ、、だめなんかな。
俺じゃ母親を笑顔にしてあげられない。


今回の映画のメインキャラとなったリョータからして
試合前に過去のトラウマを整理できていたわけではなくて、
何かを超えたという確かなものは何もなかったと思う。



ただ、勝ちたいという強い気持ちと方向性だけが、
それだけが一致して進んでいった。
そして試合が進むにつれ
もっともっと一致していった。自然に。

走りながら学ぶというか、
何も解決してないけど、
やってるうちに分かってくるという感じ。
行き当たりばったりなんだろうけれど、
もし「解決してからスタートしよう」では
こんな風にはならなかった。
試合の中で、、本番の中で各自が成長していった。



この戦いのキーポイントは
やはり素人花道だった。
彼が要所要所で流れを変えていけたのは
バスケの常識を知らなさすぎるから。
先入観に負けないから。
ずっとバスケやってた人では出来ない発想が出来る。
だから相手も予測がつかなくてカバーできない。
花道が思考で動いていないから。



もつれもつれて最後の一分、
ラストのゴールを決めチームを勝利に導いたのは
花道の「庶民のシュート」だった。



派手なスラムダンクじゃない。
天才プレイヤーの100年に一度のプレイじゃない。
バスケ初めて4か月男の基本のシュートだった。



また、その最後のパスは流川から渡されたものだった。
そして、犬猿の仲だった二人のハイタッチ。


そして即座に背を向けるふたり笑
スグにお前となんか仲良くするもんか!!に戻る。
戻ってもいい
ゴールはもうカウントされてるから。
相手が嫌いでもいい。
意見が合わなくてもいい。
それでも同方向に向かって、
一時的に手をつなぐ事は可能だ。


はい、南北統一の方の話です。

私が韓国の事なんてよっくわかりませーん、
と言ったらそれは、、、ウソだ。
20年超えて住んでて子供三人を学校に送ってほぼ成人させて
仕事もして奉仕もして、、
名節やキムチ漬けは、ほぼ皆勤賞でやってきた。



だけど韓国の事を深く知ってる部分が多いゆえに、、
韓国人にはこれは無理じゃないか?
韓国人はそんなこと出来ないよ、、とすぐ思っちゃうし言っちゃう。
だれよりも先入観でぐるぐる巻きになってるのは自分。
韓国人って〇〇だよねが、多くて強い。
だから、南北統一?韓国人無理じゃね?って。
私が一番南北統一に反対してるじゃないか。
声高に。
なかなかの反対勢力ですよ。




だけどもし南北統一に関して
まっさらな心で
「南北統治したら楽しいですよね!!」って
素直な気持ちで頑張れる人がいたら、、
「バスケットはお好きですか?」
「はい。愛しています!」位の単純さで笑

自分が気持ちよく
「パス」を出せる人でありたいなと思いました。



もう長年の韓国生活で心がスレちゃって笑
今後私の心の垢が落ちるかどうか定かではないので。
南北統一のために先頭きって行くことは難しいけれど。
住人の為に北の生活状況が好転する事を心から願います。

せめて「南北統一無理~」はもうやめる!
「南北統一が成されたら、どんなだろう~」
を夢見る事に変えていきたい。



先入観だらけの自分を、スクリーンに見ました。
それを打開したのがあまり知識がない人(アホともいう笑)
そういう人が時代を切り開いていくんだろうね。
だから決めつけずに行こう、、って、心が柔らかくなった。




南北統一に関しては固定概念でがちがちの自分だけど、
自分が燃えてることに関しては
既存のあれこれがどうであれ、
「しらねーよ!」で突き進んで生きている部分もある。
出版に関しては自分素人なんでそんな感じで。
熱さと勢いだけで進んでる。知識ないから。
だから、ある意味流川も自分、アホの花道も自分に見えて
スクリーンで自分の欠片が舞っているようでもありました。
あれは、、全部自分であると。


ああ、社会だけじゃなくそういえば
自分の中にも矛盾した色んな自分が共存してるんだった。
動脈と静脈の向きは反対だけど、ケンカしない。
自分の身体にこそ、すごい名采配の監督が存在してるんだった。
向きが違っても共存できてる見本は、私のすぐそばに。



私がこんな風に思ったように、この映画
誰もがスクリーンに自分の欠片を見つけられるのかも、と思いました。
韓国では自分のベスト映画を「人生映画」っていうのですが
この映画を「人生映画」とする韓国人急増中です。
この映画語ると熱くなるよね。


温度の高い空気って上昇していく。
作者の井上雄彦先生の熱と、
これを映画にするためのすごいエネルギーが
韓国にしっかり届いてる。
井上雄彦先生、本当にありがとうございます。
あなたの熱が韓国人の胸を熱くさせています。
私が見た日の映画館では、他のお客さんも
うわーとかええーとか、
身体も一緒に動いていました。



映画のどこにも「南北統一」は出てこないはずなのに、
「南北統一ありかも」と思ってしまった。何故だ?笑
今までずっと無理だと思ってたのにね。



本当はどうしたい?って正直に言えるなら、
「日本の文化大好き」
「日本うらやましい」って言いたい韓国人いっぱいいる。
その声を出させてあげてるような気もする。



南北の境界線は38度線。
あそこを思い浮かべた時、鳥の姿が浮かんだ。
境界線があっても自由に行ったり来たり出来る存在は鳥。
私たちの心が熱くなって、ふわりと軽くなった時、、
それは可能なのかもしれない。。
あきらめたらそこでゲームオーバー。
熱くなろう。

















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