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「藺相如さん。お忙しいところお時間頂き、ありがとうございます。」

「もう趙の臣ではないので。お構いなく。」

「今日は一つあの時どうだったのかな〜と思っていることがあって。そこを聞ければなと思い、メールしました。」

「竹簡じゃないと、正直翻訳するのに時間かかりました。笑」

「大変失礼しました笑。以後気をつけます。」

「いえいえ、次からは全然メールでいいですよ。竹拾う手間無いので。ところで何を聞きたかったのですか?」

「はい、それは「完璧」についての話です。」

「・・・懐かしい。その時の心情についてですか。」

「はい、秦の昭襄王(しょうじょうおう)に対して、簡単に言うとブチギレたわけですよね。めちゃめちゃギャンブルだったのではないかなと思って。それとも何か勝算はあったのですか?」

「そもそも、和紙の壁という宝を持って行って奪われたらドンマイだし、持って帰って来ることができたらきっと帰国したらモテるのかなぁぐらいの気持ちでした。当時最強の国ですからね。秦はなんせ。」

「えぇ・・。軽い。」

「別に失敗したら殺すとか言われて無かったので。んでいざ秦に行くと昭襄王は宮殿の若い子に和紙の壁を見せびらかし始めたんですよ。まるで自分がゲットしたんだぜみたいな感じで。そこでカチンと来て。遥々持ってきたの俺だし。まず褒めろやと。んで美女たちの視線こっちに寄越せやと。こっちは客だぞと。」

「な、なるほど。」

「そしていてもたってもいられなくなって。ヤンキーのガンつける感じで。「ビビらせたら勝ちじゃね?」と思い大声で道理を突きつけてやりました。そしたらアイツ(昭襄王)ビビっちゃってwww。ザッコって思いました笑。」

「まさに完璧なカツアゲだったんですね。外交カードのタイミングとしてはタイムリーでしたね。」

「その場で激昂されて殺されるリスクはありましたが、元は食客ですからね。明日生きるためにやることやるってきたし、シメるとこシメるんで。えぇ。」

「(怖っ・・)結構こういう時って今話している感じと違って大きい声でるものなのですか?」

「そうですね。そうしないと相手を威圧できないですから。食客時代に身に着けました(本当はおならの音がデカいから大声出して誤魔化す為に覚えたんだけどなぁ。よく廉頗にはお前屁したろってなすり付けたっけ。あの日もガス溜まって出そうだから大声出したなんてことは黙っておきましょうか。もう美化されたエピソードだし。)」

「いやぁ、ざっと2300年後の今にも残るエピソード。裏側聞けてよかったです。今日はありがとうございました!」

「こっちも昔話話せて楽しかったですよ。またメール、待ってます。」

「はい!」

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今日も今日とて。歴史を知っては創って知っては創って。
よっこらさっさ成政。


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