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変わる街並みと井の中の蛙。

よくゴールデン街に居そうと言われますが、ワシは歌舞伎町に生息していた生き物です。一番街です。毎日居ました、今は亡きとあるバーに。知らん世代は知らんだろうが、あの風俗店やらのビル火災の時、ちょうどその時間帯にはいなかったんだけど、みんなして「巻き込まれてない?」とメールの山が来るくらい、ワシは歌舞伎町にいたよ。店が無くなった原因は社長が代替わりして、経営方針が変わったり、内部で古参のバーテンダーやらがみんなやめちまい、やめちまったことによりワシのような常連が消えたのもあるところに、コマ劇閉鎖での打撃受けたとかいろいろ。

寄る店が無くなっても相変わらず歌舞伎町をうろつきます。なんだ、この中途半端な健全な感じは、店変わりまくっとるなぁ、ゴジラロードって何や!と毎回思いつつ、人の波が戻って来たのはええことやけれどさ、ちと寂しさはあるわけや。それでもワシは歌舞伎町のネオンを浴びます。疲れていると確実に徘徊します、光合成のようにネオン浴びます、生き返ります。オーラ見えるという人に言わせると露骨に変化するそうです、ワシ。

コロナでやはりまた人は消えているわけさね。どうなるんだろうなぁと思いつつ、何となく歌舞伎町ってしぶといから変わらないんだろうなぁという安心はあるけれど、また街並みは変わるのかもねと。

なんてことを思いつつ、あちこちの炎上発言やら、それに関するコメントやらなんやらのことでちょっとずっとムスムスしている自分がおったんで、ご機嫌伺いと貴重な長電話相手にストレス発散で電話した。

3時間半。

そのうちの30分くらいしかムスムス内容は話してなかったんだけども、相手は早い段階で耳を壊して音響をやめた人ね。だからもう堅気と言えば堅気で、ワシも離れていた期間が長いから、いわゆる「演劇どっぷり」の生き方していないし、そもそもどっぷりが耐えられないのが根底にあるので、ワシの演劇について思うことは確実にズレているのは知ってるんだが、それでもムスムスしていたわけです。

「こんなに演劇が一般化、認知されていないものだと思わなかった」

この手の発言をしている人がかなりいて、まぁ世代的には若いんだけどワシとしてはこの発言に本気で失望したんですよね。だってこの事実はもう30年前に確定事項で、それが問題になっていたよ。観客の大半が同業者、観てくれたから今度の観に行くね、みたいな集客の仕方が基本の世界だった。

わかってて、それでもワシが活動を舞台空間に移した理由は個展一週間より舞台でまぁ5~7ステとかね、やった方が受け手の数が多いよなってのが理由の一つにあったし、今は「創客」という言葉が出回ってるけれど、ワシは他業種やら演劇関係ない客層をいかに呼ぶしか考えてなかったわけよ。

実際、確かに演劇好きという同業者ではない客層はいるよ、昔から。それでも一般人って言い方嫌だけども、大半どころじゃない層が「演劇何それ」だから。今は2.5次元やらなんやらでファンが強い部分はあるけれど、でもその類のファンって同じ舞台を1人で全ステ見るとかだから、観劇人口数というものがうわぁぁと増えているわけではない。

で、電話相手と「ハッハッハッ、昔から決まってること何言うてんの」と多数決ったけども、やはり二人して何か誤解してないか?というオチに。

いやまぁかなり長く引退していたので、特に魔の世代と隠れて言われるほどタメ前後が死滅しているので、ワシらのせいかなとも反省はするんだけどもさ、「創客」をしようとそれぞれ頑張ってるのは知ってるよ、知ってるけども根本の意識が違ってることに、世の中の表と裏やら、大人の事情やら含めてわかってないよね、世間とすげーずれてんだよね、気が付かんのか?

現役続行組とたまに話すけど、チラシ1枚で読み取れてしまうことってすごくあって、それは内部事情だったり、いろいろあるんだけど、それで知り合いがいたって同業者として予定空いても行かないというのをよく聞く。しらけてるわけじゃないんだけどもさ、そしてチケット値上がりすごいでしょ。月に何十本も観に行くという人はとても大事だと思うし、それは構わないんだが、いやこの人いくら使ってくれてんだとか思うと怖くなるくらいチケット値段は値上がりしているし、そうなる理由も数字叩かなくても読めるからさ、余計に感覚がズレてしまっている人らが増えてしまったのかと思う。

昔よく言ってたが、誰かデートとして連れて来てチケット代とその後の飲み代やら奢ったって財布痛くなかったわけですよ。今、痛いですよ、普通。

言い切ろう、そのチケット代金で叙々苑で余裕で焼肉食える。

他のでもええけど、まぁうまいもん食えるわけですよ。って比べたら、行かんわ!若い子連れて若い子が普段行かない店にただの大人としてワシは連れてくわ!奢るわ!そしてその子が金ある時とか自分のデートコースに使えよ!と教えるわよ、やはり。っていうので上の世代(演劇ではない大半)に教わっていたこの所謂「芸能界の年功序列制度」に育ってるんで、そう考えたらさ、一般化どうこうっていう次元ではないわけですよ。普通の人、観劇に金落とすの難しいくらいのご時世通り越してるんですよ。

そりゃ良さはありますよ、表現として演劇に。でもそこさ、はき違えてるよとしかワシは思っていないのでそこらへんがやはり「終わってる演劇人」でしかないんで、まぁ通じない人には通じないからええけども。

自分のいる場所がすべてと思うなや、その常識は通じないんだよ。ってそんなのどの業種でもそうですけどな。



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