海を見て、何を思う。
今日は雨。
ぽろ、ぽろ、ぽ…ぽぽ、ぽぽぽ…
家がちがうと、雨の音もちがう。
次男が、どうしても望みのガチャガチャを探しに行きたい、というので、小雨の中外に出た。
高校生のとき、雑貨屋で買って気に入って使っていた傘が、今も実家の玄関の傘立てに入っている。
オレンジの細かいギンガムチェックの生地で、持ち手がミルキーな白と透明感のあるオレンジとのツートンでできていて、それがキャンディーのようで、好きだった。
久しぶりに持って、そのつるりとした柄をなでてみる。
ちなみに昨日は、家から東側に歩いてあちこちのお店を覗いてみたけれど、お目当てのものがなく。
今日は西側に歩いてみて、ようやくひとつ彼のお眼鏡にかなうものが見つかり、さらに第一希望のものが出てきてご満悦のようす。
*
昨日は晴れていて、海まで歩いて行ってきた。
風が強くて冷たくて、でも春の海の色。
空と海の、何重もの青の層。
ちょうど折り返すラインの波の色は、ラムネのびん。
白いしぶきを立ててひきあげる波は、ベールのよう。
(おぉ、陳腐な語彙よ…)
波が寄せては返すのを、長いあいだ、ただ眺めていた。
ちょうど、持ってきた本の中に海に関するエッセイがあって、それを思い出す。
海のいいところ。
と同時に、こんなことも。
私は、どちらかと言うと…
時間よりも、無限に思えるその空間。
物心ついたときから、海を見るときは常に畏れが伴う。
…そうだ。
今でも、きれいだな、の奥にいつも必ず言い様のない不安と恐怖がある。
それは、上の引用の「人生の短さと対比されるとき…」と同じ種類のものかもしれない。
人間の営みと対比されるとき、圧倒的な大きさを感じるから。
また、明日には海のないところに帰ります。
今日も読んでいただいて、ありがとうございます。
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