見出し画像

【8月月間連載小説~こつん~】 8月19日

〇昨日の続き:無事にオランダに着いた後、2日目はスーパーを見学に〇

オランダとイギリスを案内してくれるのはお花の加工機械メーカーの田畑さんと英語とオランダ語の通訳をしてくれるウィームだ。

驚いた事にスーパーではお花屋さんがパン屋さんと同じくらいの規模だった。
さらに少し大きめのモールのようなところでは3つも4つもお花屋さんがあった。

ブーケは色々なお花で出来ているミックス・ブーケと単品の花で作られているモノ・ブーケに分かれていたが、専門店では圧倒的にミックスブーケが多かった。


さらに週末ともなれば特設の花売場が出来て、階段下の踊り場や入口のあいたスペースなどが商品の花束で埋まるそうだ。

両手で抱えるくらいのミックスブーケが1束2000円〜3000円と、日本の5分の1くらいの価格だった。ブーケはボリュームたっぷりで、色合いがはっきりした組み合わせがたくさん並べられていた。お花にラメが施されていたり、スプレーで染められていたりと、
日本では見たことのない素材がたくさんつかわれている。

ラッピングペーパーも派手派手で、1つ1つのブーケ自体がパーティみたいだった。

こんなに売れるのか?と疑問が湧き上がってくるけど、売れるから置いているわけだ。
(この文化の違い、すごい。)

次のスーパーに向かおうとした時に車の窓から見えたガソリンスタンドで
なんとそこでもブーケが売られていた。

日本人にとってお供え物以外のお花はあくまで嗜好品という位置付けの人が多いが、
オランダ人にとってお花は生活必需品だった。
お花がない生活なんて考えられないという感じだ。

花卉鮮度保証がどれほどオランダ・イギリスで浸透しているかを
しっかり調べてくることが今回の大命題だったのだが、
オランダではそんなにアピールされていなかった。

お花屋さんに聞いてみたところろ、よく売れるから鮮度のいいお花しかないからそもそも鮮度保証をする必要もないし、お客さんも求めていないということだった。


昼からは外町さんとIFTFという世界最大級のお花の展示会・商談会の見学に行くことになっていた。ウィームとメーカーの田畑さんは、商談があるとのことで別行動だった。

IFTFの会場に入ると、そこはもう夢の国というかおとぎの国のようだった。
これでもか、これでもかというほど、
花、花、花、花。


あれだけスーパーで花が売られているつまり、オランダにとって花は一大産業なのだ。花を加工する機械から、自動でブーケをラッピングする機械や陳列什器などありとあらゆるブースがあった。

一部のコーナーで展示されているオブジェの集合場所があった。
そこで私は目ん玉が飛び出るってそんなマンガみたいな表現になるくらい
驚いたオブジェに遭遇した。

高さ4メートル、幅4メートル、奥行きは2メートルくらいあろう巨大なハートのオブジェ。


よく見るとそのハートの表面一面がバラのお花だった。
(こんなに花を贅沢に使うんだぁ・・・)

他にも高さ5メートルはあろうかという
ウェディングケーキのようなオブジェのあらゆるところにお花が配置されていたり、

1人掛けソファの一面に薔薇が敷き詰められていたり、

会場を半分回ったところで、カルチャーショックから疲れてしまった。
(花に酔いそうだ。)

外町さんも初めてのオランダで「へー!!」とか「すごい」っと驚嘆の声を連発していた。

もうこれ以上見るものはないと自信を持って言えるほどあらゆるものを見て、写真に収めた。
(いつかこのエッセンスを日本で仕事で何らかの形にしよう)


百聞は一見にしかず。
もうこの2日だけでオランダに来た甲斐がたくさんあった。

18時にウィームと田畑さんが迎えに来てくれた。

今日は4人で晩御飯を食べることになっている。

ウィームおすすめのレストランに到着した。
歴史のありそうなアットホームな雰囲気だった。
我々は迷うことなくビールを頼むことにしたが、ウィームもワインを頼んだ。


オランダでは1杯までは運転者であっても法律で認められているとのことだった。

オランダ料理はそんなにクセがなくどれも食べやすく美味しかった。
マスタードスープというものがあって、
マスタードがスープにといてあるんだけど、何だかとっても大人でかつ懐かしい味だ。
(これ、気に入った♪)


話は和やかに進む。
明日はウィームのご自宅にお邪魔することになっていたので
田畑さんがよろしくお願いしますと、ウィームに言う。

すると静かにウィームは話した。
(ウィーム)「私の妻は足が悪いんだ。過去に飲酒運転のトラックにひかれて不自由になってしまったんだ」

それを聞いた私は些か驚いた。
私だったら大切な人を飲酒運転のせいで体の一部の自由を奪われたら、
とてもじゃないけどたとえ法律が許そうとも、車を運転する時は飲酒しないだろう。

文化やアイデンティティの違いに驚く。

明日ウィームの奥さんに会い、


私はそこで私の価値観を変える、


私にとって人生の格言

といえる言葉と運命の出会いをすることになる。

【明日に続く】


つたない文章をお読み頂き
本当にありがとうございますm(_ _)m

✳︎1話目✳︎
https://note.mu/enaenanote/n/n1412807319ff

スキ!やご意見ご感想お待ちしてます!

頑張る時は頑張って
ゆる〜くいく時はゆる〜くいこ♪
カジュアルメンターエナエナより⁎⁺˳✧

◆あらすじ◆
お花の新規事業立ち上げで
主人公の上条エナが
苦悩し人生の荒波に揉まれ
それでも必死に生きていきます。

そんな中で
とりまく環境の変化があり
そこで人との出会いや
価値観が変わるほどの経験を通して

主人公の感情の変化や
事業が成功するのか!?
失敗するのか!?
を見届けて頂けたらと思います。


たくさんの人の心の奥に

小さくてもいいから
響いてほしい

という願いを込めて


『8月月間連載小説〜こつん〜』

としました。


例えば高校球児や受験生や社会人、
何かに対して頑張って勝負している人が


よし、がんばろう!
という気持ちを保てる
8月になりますように。

楽しんでくれますように!


フィクションとノンフィクションmix。
ストーリーをわかりやすくするために
脚色を加えています。

予めご了承ください。

誰かを傷つけたり
困らせたりすることがないよう
表現には最新の注意を払って
おります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?