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サンタクロースの正体を知った日

\稀人ハンタースクール アドベントカレンダー/
1日目の今日は、えなりかんなが担当します〜!

わたしがサンタクロースの正体を知ったのは、年長の冬のことだったと思う。

わたしの母は三姉妹で、幼少期はお正月やお盆といえば母方の祖父母の家に、三家族が集まるのが定番だった。その年の冬も、いつも通り集まってみんなで過ごしていた。

その時、私と同い年のいとこAに、私と私のひとつ下のいとこBだけが薄暗い廊下に呼ばれ、こう言われたのだ。

「なあ知ってる?サンタってな、ほんまはパパとママやねんで」

その前後のことは覚えていないが、この場面だけはめちゃくちゃ覚えている。

ほかにもいとこたちがいるなかで自分だけが呼ばれた特別感(ただわたしがいとこたちのなかで年上だったからなのだけれど)。大人の隠し事を知って自分もちょっと大人になったような感覚。わたしはそれを言われる前からなんとなくサンタの存在に懐疑的だったので、その違和感が氷解するような気持ちよさ。ショックはなかったけれど、ないなりにいろんな感情が入り混じっていた。

そうして懐疑が確信に変わったのを機に、そこから3年くらい「サンタなんていないんでしょ、Aが言ってたよ」と冬が来るたびに言いまくった。「プレゼントあるんだからいるでしょ」とずっと認められなかったけど。

そんな母がサンタは自分だと認めるに至ったのは小学3年生の時。

ある日の休み時間に友人とサンタの話になり、「サンタいないよね」「科学的におかしい」「でも親は頑なに認めないじゃん」「先生から言質取ったら親も流石に認めるんじゃない!?」という話になった。なんて可愛くない小学生だろう。

それで先生に聞きに行ったら「そうだよいないよ」と言われて、それを母に伝えたらいよいよ、母はサンタの正体は自分であることを認めた。

今思うと、いないことなんて年長の時点ですでに明白だったのに、なぜかどうしても親に認めさせたかったの不思議すぎて面白い。大人になることに対する通過儀礼みたいなものなんですかね。子ども扱いされたくないみたいなそういうやつ。

サンタの正体なんて知らない方が夢を見れて絶対にいいのに、夢を砕いてでもどうしても真実に迫りたくなるのがわたし本当に人間すぎる。まさに「満足した豚より不満足なソクラテス」。わたしはひっそりこれをマイスローガンのひとつにしているので、これからも不満足なソクラテスを目指して物事を探究したいものです。


次は「池田アユリ」さんです!
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