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きっとどこかで

Xで見たSuumoの寄稿文。
1人暮らしをした街での思い出だとか、どうとか。
下までスクロールすると、書き手は私よりも少し若かった。
嫉妬した。
わたしだって、何かを書いて、それを読んでもらって暮らしたかった。
今だってそう思っている。これからだって遅くない。そう思っている。
それでも私はなにも書いていない。そりゃSuumoから依頼がくるわけはない。
それなのに嫉妬する。
そして、いや私は”きちんと”純文学を書いてそれで評価されたいんだ、そんなちんけなネット記事を量産したいわけじゃない、と思い直す。嫉妬しているから。
怠慢、それを凌駕するだけの才能もない。

物書きとして生きるというのは、抽象的すぎる。クソみたいなnoteを売って有名になれればいいわけじゃない。けど芥川賞だけがすべてでもない。
芥川賞がとれなくても、2LDKの家を借りるだけの収入がなくても、才能はあるかもしれない。ただ世の中に見つかってないだけかもしれない。ていうか、ただ書いてないだけ。本気で書いたらちゃんと売れるはず。

こうやって、あったかもしれない未来、ではない現実の延長を生きている。
そんな人はいっぱいいるんだろうな。平凡な私の毎日。

次の瞬間には、海外移住に憧れるアカウントが目に入る。
別に言うほどいいもんじゃないよ、と思う。今から日本に帰るかって言われたらちょっと迷うけど、絶対に嫌ではないな。定職とか人間関係とかを手放してまでくるような場所ではないよ、欧州。日本は思っているよりいいところだし、欧州は思っているより汚いよ。
けど、来たいなら来ればいいじゃん。もちろん最初の2年くらいは大変だけど、無理じゃないよ。現地語勉強してなんでもいいからお金稼いで役所と戦って、信頼できる人と知り合いになって。そのうち日々の暮らしには困れないくらいの語学力がついて、適当な仕事が見つかって、知り合いも増えて、なんとなく生きていけるようになるよ。とくに面白いことが起こるわけではないし、外にはジャンキーとか狂った人間もいっぱいいる。けどまあ移住ってそういうもん。生活していくわけだから。外国に住んだからって毎日おいしいご飯が自動的に出てくるわけじゃないし、天気だって悪くなるし、生理はくる。死?
だから海外移住は特別なことでもなくて、ただ暮らす国が生まれた国と違うってだけ。

これが平凡な毎日だろうか。私の毎日だって、他人からみればじゅうぶんに平凡ではないかもしれない。思えば6年前は日本にいて、クソみたいな生活をしていた。
今だって最高ハッピーライフではないけど、あの頃に比べたらかなりの進歩だ。日本でこの進歩ができたらよかったけど、できなかったなあ。できなかったからドイツでなんとなく暮らしてるわけだし、このなんとなくの暮らしもできるなんて思ってなかったな。すごく大変なことだと思ってたし、すごいことだと思ってた。まあ大変ではあったけど、過ぎたことなのですごいことをやり遂げたって感じはしないよね。

よくわからなくなったけど、叶わなかった夢や現実にならなかった未来ばかりに思いを馳せるのもよくないかなと思った。無理だと思ってたけど現実になった今をもっと労わってあげようね。

でも作家は羨ましいよな~~~そもそも努力できるのが羨ましいよな。切羽詰まってない状況で、絶対のやるべきこと以外をできるのは才能だよねえ。
日々の洗濯や掃除機、白菜の買い出し、ぼーっと観るNetflixでだいたい人生終わるじゃん。週末にはシーツの洗濯とかもありますし。。
どうにか強制的に時間とやる気を捻出して20年後の自分に誇れる自分になりたいものです。

おわり


お読みくださりありがとうございます。とても嬉しいです。 いただいたサポートがじゅうぶん貯まったら日本に帰りたいです。