エリザベス女王 在位70年 プラチナ・ジュビリー

 イギリスではロンドンを中心にエリザベス女王在住70年の祝賀行事が始まりました。私の住んでいる町や近郊ケンブリッジでも、それぞれが様々な形でお祝いをしています。
 沢山書きたいことはありますが、エリザベス女王については検索をかければありとあらゆる情報が見つかると思うので、私からはイギリス国民が今回のような国の祝賀をどういう形でお祝いをしているか庶民目線でお話します。
 先ずは、一番分りやすいのは、ロンドンで行われるパレードをみる為に、もっと具体的にはロイヤルファミリーを一目見ようと地方から出向く人たちがいます。ただし、いい位置を確保するにはテントを張って前泊で望むか朝一でスタンバイすることになります。また、実際のパレードは見なくともロンドンの至る所で祝賀ムードなのでオックスフォードストリートなどの大通りを歩いたり、パブに立ち寄ったり、ブリティッシュカラーで飾られたカップケーキを食べたり…と、とにかくロンドンで出てみるのもいいですね。
 ロンドン以外の地方都市ではイベントを開催し、マーケットが並んだり、ロンドンほどではなくとも結構な賑わいです。パブではジュビリーBBQを催したり、ジュビリーランチをメニューに取り入れたりしています。
 町単位になると、教会を解放してティーパーティーイベントを行なっていることろが多く、わざわざ都市に出向かなくとも十分にお祝いができます。
 最後にもっと小さく見てみると、ストリートパーティをするという所もあり、これはご近所さん同士で話し合って決めてやるものです。各自玄関先や通りに面した家の壁に英国国旗の飾りつけをしたりして雰囲気を出して、当日は家の前にテーブルと椅子を用意して、ケーキ、紅茶、お菓子、アルコールなど持ち寄り時間を過ごします。ちなみに、このストリートパーティがイギリス国民に身近になったのは、コロナ禍のロックダウン中の5月初旬にあったヨーロッパ戦勝記念日(VE DAY)の時のように思います。移動距離が制限され、遠方で暮らす親戚や友人と会えない中、ソーシャルディスタンスを保ちながら如何に家族以外の人と交流するかという人々の知恵が生み出した地域との関わり方の新しいカタチなのだと思います。当時、私の通りでも行われ、2メートルの距離を保ちながらご近所さんと会話を楽しみました。お向かいさんは老夫婦なのですが、音楽がかかると2人で仲良くダンスをし始めて微笑ましかったです。
 話を戻しますが、祝賀参加の仕方は勿論これだけではないですし、外には出ずに家でテレビの前に座り、ホームメイドのケーキを食べながら紅茶片手に、パレードの様子を見て静かに過ごす人も多いのではないでしょうか。
 どんなカタチにせよ、エリザベス女王の在住70年を祝う国民と英国王室との心の距離の近さには日本人として感動するものがあります。今これを書いている6月3日の時点で、エリザベス女王は昨日の陸軍によるパレードと空軍による儀礼飛行を観覧した後の疲労から今日の祝賀ミサは欠席しています。明日の予定は競馬場でのダービーですが、姿を見せるかはまだ未定とのことです。96歳というお歳を考えると、お身体を大事に無理せずにいてほしいと願うばかりです。
 

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