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ジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(毎日読書メモ(487))

殆どラジオを聴く習慣がないので、ジェーン・スーさんがどんな人なのか、あんまり知らない状態ではあったが、女性(に限らず人全般?)の生き方とかそういうことをちょっと考えて見たくなって、ジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎、現在は幻冬舎文庫)を読んでみた。

読み始めて、酒井順子『負け犬の遠吠え』を思い出したのだが(わたしの感想ここ)、作中で酒井さんについての言及もある。かつて、「Olive」に連載されていた酒井さんのコラムを夢中に読んでいた、という思い出が語られ、それは直接ジェーン・スーが酒井順子の系譜にある、ということを意味してはいないのだが、未婚で結婚適齢期(死語か)以降を生きることについて、様々な視点から考察しているのを読むと、自分自身のこうあったかもしれない人生とか、こうありたかった人生とか、自分の友達の生き方とか、自分の親世代の生き方、子ども世代の生き方、色々なものを考えさせられる。
しかし『負け犬の遠吠え』は30代未婚子なしを「負け犬」と定義しているが(これって2003年刊行の本だった!)、2023年現在、30代はまだ分岐点の手前、みたいになっているのではないだろうか。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、作者が40代を迎えるにあたって思うところを書いた本だが(2014年刊行なので酒井本の11年後か)、時代は、人は何歳になってもどのような人生の転換点がくるかわからない度合いが高まる方向に進んでいる気がする。
一方で「異次元の少子化」なんて変な言葉が新聞やネット上に躍り、その対策として書かれていることは、個人の生き方の自由度を縛りたいのかい、と思うようなことが多い。
種(species)は、数が増え続けていないと、いつか滅亡する? 地球全体として人口は増え続けていて、末恐ろしい心地になるのだが、増え続けていない=減少することは、滅亡への道なの? 資源が枯渇してまで数を増やし続けることが種のあらまほしい姿なのか、未来が見えていないのでよくわからないが、今生きている人が生きやすいようにする施策が大事なのであって、それは結果として少子化対策になる可能性があっても、それを目的にするのはちょっと違わないかい?、と思う。

ひとつひとつのエッセイが身に沁み、自分の力で生きることの大事さを噛みしめる。

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