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毎日読書メモ(154)『頭の中身が漏れ出る日々』(北大路公子)

またしても懲りずに北大路公子を読む。『頭の中身が漏れ出る日々』(毎日新聞社→PHP文芸文庫)。

最初に読んだ『生きていてもいいかしら日記』に続く、「サンデー毎日」に連載されていたエッセイ。相変わらず、時代を全く反映していない、半径5メートル以内だけをつきつめて書かれた生活。相変わらず佐藤浩市だけが外から入ってくるが、佐藤浩市がはいってきたところで時事性などは全くない。

札幌で両親と同居して家で仕事をしている日々。隣の家に妹家族が住んでいる。時事性はないが、札幌で生活している実感・生活感は克明に描かれている。花鳥風月のかけらもないのに、リアルな季節感。

旭山動物園ではただサイだけを眺め、自分に憑いているインコの霊にDVDの予約録画を頼んだり確定申告を頼んだりしたいが、交霊の方法だけがわからない、と言う。餅好きのお父さんが毎週末大量の雑煮を煮て、1月に昼夜あわせて32回も雑煮を食べさせられることになるが、当人はお昼はこっそり仕事場で寿司をとって食べていることに気づいた衝撃。それは不問にするからもう雑煮つくりはやめてください、と雑誌連載上で懇願。

この間読んだ『いやよいやよも旅のうち』の中で、途中でそのお父様が亡くなったと触れられている。合掌。この本に収められたエッセイの時期から10年くらいたってからのことと思われるので、その間の本を引き続き読めば、よき親子関係をもう少し見ることが出来るのではないかしら。お母さんの話も色々出てきていて、遠回しの親孝行の記録にもなっているな、と思うのであった。

あーー、北大路さんとビール飲みに行きたい!


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