なぜ小学校の体育の指導は難しいのか_

運動をする「空間」の減少。【なぜ小学校の体育の指導は難しいのか?vol.4】

前回の投稿では、スポーツや外遊びの3つの間(=時間・空間・仲間)が減少しており、それが子どもの体力低下や二極化の大きな要因になっていることをお伝えしました。

学校内だけでなく、学校外で子どもたちへの運動機会が多く提供され、運動を大好きになってくれれば、体育の授業も進めやすくなるはずです。

「時間」と「仲間」に関しては、少子化や家庭環境の影響があり、複雑な問題が絡み合っている為、すぐに解決することは難しいかもしれませんが、

「空間」に関しては地域社会の協力や大人の寛容さによって、すぐにでも解決できる問題なのではと考えています。

◼️ボール遊び場を求める板橋の小学生の活動が話題に。

先日も板橋の小学生がボール遊びの場を求める活動がニュースで話題になりました。

◼️ボール遊びが禁止される理由。

様々なニュースや記事等でその理由は述べられていますが、主な理由は「危ない」か「うるさい」かのどちらか2つです。

もちろん狭い公園でバットを振り回したり、硬いボールを使用することは危ないですし、夜間に壁にボールを当てていたらうるさいかもしれません。

しかし、広めの公園で、柔らかいボールで子どもたちが遊んでいて、危険だとは思えませんし、そもそも公園は子どもが遊ぶことが目的で作られていることも多いので、日中に騒がしくなるのは当たり前です。

◼️地域社会の協力と大人の寛容さで、少しずつでも変えていける。

今後人口減少且つ少子高齢化を迎える日本社会の中で、まずは「子どもたちが何も気にせず、思いっきり成長できる」を環境を整えることが何よりも重要です。その中で「遊びたくても、遊ぶ場が無い」というのは、大きな社会問題だと考えます。

東京都のある区では、「この公園はボール遊びができる公園」「あの公園はお年寄りも利用しやすい公園」と各公園の役割を分けている、という取り組みを行っているそうです。

問題が起こることを恐れ、一律で禁止するのではなく、「広い公園やネットが設置された公園では、ボール遊びOK」「保護者同伴であればOK」など、できる範囲から規制を緩めていくことが大切なのではないでしょうか?

(文:ENGINE本部事務局・櫻井)


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