見出し画像

先人に前倣え キャラに命懸け 押忍!漫画道

9月のモーニング月例賞は諸事情ありパスして、10月分に回してもらった。
自信の無さに起因する鉛のように重い右腕が私の創作意欲を阻害したからに他ならない。
いろいろあったけれども無事提出。今月末には結果が出るらしい。素早いな。


「あなたにしか描けない漫画が読めて僕は嬉しい」
担当氏の言葉にどれほど救われたか。
自分が主語の「Iの褒め」が極めて効果的だというのは教育における定説で、お言葉はこれを承知の上だったのかもしれない。それでも良い。結果的に痩せ細った心へスーパーモロダイレクトに刺さったのだから。

現状の質はさておき、読者第一号である今の「あなた」がそう思ってくださった。私にはもうそれだけで十分だった。
あとは「あなた」が「あなた方」になるよう、読者を意識できるプロになれるように、技量を伸ばしていく以外にやるべきことは無し。



初めての持ち込みから丸1年。多分、何かを掴んだ。
次作の短編は従来とはまるで異なった出で立ちとなるはず。
今後について以下、宣誓!

一、「漫画の文法」に忠誠を誓う
手塚先生、F先生、石ノ森先生へ今一度立ち返る。
ぼく地球、パトレイバー、キングダム、蟲師、寄生獣、ドラゴン桜、あたしンち、ナニワ金融道、ダンジョン飯、女の園の星…時代とジャンルを縦断横断して「巧みな漫画」から技術とマインドを大いに盗ませていただく。

一、余韻のコマを除き、読者に「背景」を意識させない
背景が意識に上がってこない状況は風景が自然に描けていることの証明となる。その境地へ至るには訓練と描写に途方もない時間を要する。そういうものだと割り切る。
読者に読み飛ばされれば読み飛ばされるほど泣いて喜ぶ変態に私はなりたい。

一、はっきりいって「世界観」なんてどうでもいい
奇抜なことを考えるのは簡単。狂気を演じるのは簡単。今は人間よりAIの方がデペイズマンに長けてるし。
ほんとうに大切なものを捉え、真理を掴み、普遍性を新鮮な表現へと変換する方がよほど困難だ。
奇人変人の天才より、平凡を装った天才の方が遥かに手強いってもんよ。

一、一にキャラ、二にキャラ設定、三四にキャラ愛、五にバディ
何よりもキャラクター最優先。狂信的ファンを生んでナンボ。キャラが立てばストーリーはどうとでもなる。おもしれぇヤツはそこに突っ立ってるだけで既におもしれぇから。
自分自身を投影したキャラは最低でも1名。もはや居なくてもいい。ナルシシズムを捨てよ。
似た者同士は描かない。タイプの違うキャラを主人公のバディとする。そのバディのライバルもタイプを分ける。
ええそうです、初代相棒こそ至高です。右京さん・亀ちゃん・イタミン。イタミン大好き!

長編のキャラはCVまでイメージできているのに、短編では怠っていたなと猛省。生命錬成には声音も重要因子となるので、これからは全人物のCVを自分の中で確定させてから描く。
設定がうまく整えば、キャラが自動的に動く。勝手に喋る。
「私」が台詞を「語らせ」たらその時点でアウト。



「自分の漫画おもしろくない症候群」に陥っても、筆が止まっても、原稿を落としても(落とすな!)とにかく喰らいついて最後まで完成させるのが当たり前。
数社に持ち込みしてみて一部から酷評されるのも、絵ごと話ごと批判されるのも当たり前。
プロットがなかなか通らないのも作画に行き詰まるのも打ち切りを食らうのも全部、漫画描きにとっちゃごくごくごく当たり前。
大半の漫画家が通ってきた道程に違いないので、全てにおいて褒められることでもけなされることでも、落ち込むようなことでもない。精神を乱すだけ無駄だと、私は完全に理解した。

駄作を作る勇気!島本先生、よくぞ仰いました!



10月月例賞に関しては、まァ〜獲れたとしても"良くて"努力賞でしょう。まだまだ足りないものが多すぎてねえ。
作り終えたものに興味はNothing。前しか向かねえ。
勉強不足を自覚し、特訓不足を自覚しながら、懲りもせず今日も片手間にプロットを量産する吾輩です。

さて、本日の打ち合わせ終了。毎度打ち合わせが楽しくて仕方ありません。筆舌に尽くしがたいワクワク感。脳みそで煮えたぎっているアイデアを第三者に知ってもらえる幸福感。
漫画サイコォーー!!

今描いてる短編は結構「おもしれぇ」モンになると思われます。
どうぞご期待くださいませ。

思考の残骸

この記事が参加している募集

今こんな気分

最近の一枚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?