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本の紹介、感想

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2016年4月の記事一覧

ボッティチェリの「プリマヴェラ」を分析する知的冒険の書(前編)

ボッティチェリの「プリマヴェラ」を分析する知的冒険の書(前編)

タロット、ダンテ、ランディーニ、フィチーノ、ロレンツォ・イル・マニフィコという連鎖

昨年、今年と東京ではボッティチェリの作品が固めて展示される展覧会が続くという、ある意味、奇跡的なことがありました。一つは昨年3月から6月にかけてBunkamuraミュージアムで開催された「ルネサンスとボッティチェリ フィレンツェの富と美展」で17点のボッティチェリ作品(「受胎告知」「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」が

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在野研究者へのエールの書
「これからのエリック・ホッファーのために」を読んで

在野研究者へのエールの書 「これからのエリック・ホッファーのために」を読んで

私の家系は、そこそこアカデミズムな家系でした。なので、小さい頃から家の中には学術書が山と転がってましたし、親は学者だったので、学者の生活を目の前で見ていました。
周りにもアカデミズム系の人が多かったので、自分もそのうちそういうものになるんかなぁ、と思って育っていたのですが、いかんせんこの性格と能力のなささ加減が半端なく、結局は自分はアカデミズムの人にはなれませんでした。
それでも、中にいないけど、

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春画はエキゾチックか? 山本ゆかり「春画を旅する」を読む

春画はエキゾチックか? 山本ゆかり「春画を旅する」を読む

日本は性に対してオープンな国なのかどうなのかってのはいろんな意見がありそうです。青少年健全条例とかいったり、マンガやアニメの表現規制がどうとかいったり、コンビニに18禁の雑誌が置いてありスポーツ新聞の女性の裸を堂々と広げて読む男性はとんでもないという抗議がされたり、いろいろあります。
こういう視点は同じ国内にいる人々があれこれいうより、海外の人がどうみているかの方が参考になるのかもしれません。

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