エノコロ庭園設計室

静岡県富士市で植物と自然素材を使った庭造りの設計・施工を行っています。 2023年に自…

エノコロ庭園設計室

静岡県富士市で植物と自然素材を使った庭造りの設計・施工を行っています。 2023年に自邸が完成。noteでは庭の設計者である自身の庭との暮らしをお伝えしていきます。 樹木医・一級造園施工管理技士。 https://enokoro-teien.com/

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エノコロの庭1~自己紹介・目指す庭の形~

はじめまして。 静岡県にてエノコロ庭園設計室という屋号で個人邸の外構・庭の設計をしています。大人から子どもまで親しみのある、素朴でかわいらしいエノコログサ(ネコジャラシ)の美しさが味わえるような庭造りをしたいという思いから、この屋号を名付けました。 2023年に自邸が完成するとともに、自身の庭造りがスタートします。せっかくなので、庭造りと庭との暮らしを記録してみようと思い、noteを始めます。 自己紹介私は幼少期からずっと団地やマンションで暮らしてきました。小学生の頃から植

    • エノコロの庭8~目隠しってやっぱり大事~

      エノコロの庭、12月に完成しました。工事の進捗とともに記事を書いていこう!と思っていたのですが、忙しくしているうちに出来てしまいました。 新築される方の多くが、外構工事も完了してから引っ越しをされるかと思います。我が家は駐車場すらありませんでした。徐々に出来上がっていく中で、やっぱり駐車場があると便利だなぁ~と感じたり。(当たり前ですね) その中でも一番実感したのは、目隠しの大切さでしょう。我が家は角地なので、目隠しが無いと三方開けた感じになっています。洗濯物を干せば、世

      • エノコロの庭7~真・行・草の空気をつくる~

        書道の楷書(真書)・行書・草書をご存知でしょうか?楷書は崩されていない、読みやすい字ですね。それを崩した行書、さらに崩したものが草書です。日本庭園における真・行・草もこれと同じです。 延段の作り方を見るとわかりやすいのですが、真は切り石で仕上げたきっちりとした形です。行は切り石と自然石が混ざったもの、草は自然石だけのものです。これをエノコロの庭にも取り入れています。 玄関へと至るアプローチの手前は、切り石と自然石を混ぜた行。門の奥には切り石+洗い出しの階段があり、玄関前に続

        • エノコロの庭6~石積みの夏~

          ついに石積みが完成しました! 高さ50cm、全長約20m、プラス4段の階段です。職人さん、ありがとうございます。いつから石積み作業に取り掛かったのか、もうはっきりと思い出せないですが、夏の間はずっと石積みでした。 大沢石という、富士山でとれる石を使っています。空隙の多い溶岩よりも、さらに締まって硬い石です。石積みをするのに楽な石では無いそうです。荒っぽくなるのを覚悟で大沢石を選びましたが、とても丁寧に、きれいに仕上げてもらいました。 よく見ると赤みを帯びたものがあったり、溶

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        エノコロの庭1~自己紹介・目指す庭の形~

          雑記:エノコロ庭園設計室って何?

          エノコロ庭園設計室の庭造りは、在来植生を基本としています。今回は、なぜ在来植生の庭造りをしようと思ったのか、その経緯について書きます。 私はもともとは園芸店に併設された庭工事の部門で働いていました。そのお店は、店舗面積がかなり広く、植物の品揃えも豊富で、珍しい植物も多くありました。このお店で働いていた時は、お客様のご要望に応じた植物の提案をしていました。リゾート風のお庭やイングリッシュガーデン、茶庭、アンティークなお庭等々・・・ここで様々なテイストに合わせて、お庭の設計をし

          雑記:エノコロ庭園設計室って何?

          エノコロの庭5~アイアン扉とCradle to Cradle~

          めっちゃかっこいいアイアン扉を設置しました。インターフォンとポストが一体となったアイアンの門柱とセットで作ったものです。我が家のアプローチ幅にぴったりのオーダーメイドです。インターフォンは内側に設置し、表面がフラットになるようにデザインしました。裏側には点検のための蓋もあるので、故障の際も対応可能です。 門扉をつけるかつけないか・設計の工夫 最近は門扉を設置しないお宅の方が多いかと思いますが、我が家は門扉を設けました。門扉をつけると、玄関扉を開けたあとにもう一度扉を開けな

          エノコロの庭5~アイアン扉とCradle to Cradle~

          エノコロの庭4~庭側のデザインについて~

          さて、いままでお伝えしてきたことを、平面図にまとめてみました。 こちらです。 駐車場やアプローチ等、全体の配置については建築の間取りを決める段階で考えていたので、あとはどんな仕上げにしていくかを決めれば良いだけなのですが、大変悩みました。なんてことない庭なのですが、ここに至るまでに凝ったデザインにしてみたり、シンプルにしてみたり。建築の設計士の方や職人さんにもアドバイスをもらいながら考えました。 三和土 軒の下は雨が当たらないため、土が乾燥しやすく露地植えはには向きませ

          エノコロの庭4~庭側のデザインについて~

          エノコロの庭3~素材選びについて~

          今回は庭でどのような素材を使うかについてご説明します。職人さんとも相談しながら、迷いながら決定していきました。ごちゃごちゃと色々考えましたので、まとめてみました。 擁壁or石積み 庭の仕事をしている私は植物が好きです。そして石も好きです。マニアというほどではないですが、古い石垣や、敷石や、そんなものの風合いが好きなのです。 建物のGLが道路よりも50cm高いので、その分土留めとなる構造を作らなければなりません。コンクリート擁壁を作るというのが一番多いでしょう。ですが、私は

          エノコロの庭3~素材選びについて~

          エノコロの庭2~外構の骨組み~

          我が家は区画が整った、普通の住宅街の中の一角です。 場所は南東角地で二面道路に接しています。日照を確保しやすく、条件が良いと言われる角地ですが、外構費用が割高になりやすいというデメリットもあります。デメリットもある角地ですが、この形状を生かすため、間取りを考える段階から玄関の位置や駐車場の位置を検討しました。南側は建物への採光と共にプライベートな庭部分とし、東側を玄関アプローチ及び駐車場スペースとすることにしました。 玄関の位置 我が家は道路から50cm程度上げたところを

          エノコロの庭2~外構の骨組み~