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自分を町の名で例えるなら何?

地名のパワーにあやかったネーミング

 地名の持つ力に最初に気付かされたのは、確か宮沢章夫さんのコラムではなかったであろうか?
 そこには、「ドイツの医療機器」「中国の4千年の歴史が生んだ漢方薬」とかそんなことが書いてあったと思う。これが「フィリピンの医療機器」でも「オーストラリアの秘伝の薬」でも弱いのだ。地名にはイメージが伴い、そこには得体の知れないパワーがあるのだ!確かそんな論調だったような気がする。
 歳を重ね、この手の事例というものはいくつも見聞きをするものだ。「銀座ルノアール」「築地銀だこ」「カフェ・ド・巴里(パリ)」「戸越銀座」しかり。地名のパワーにあやかったネーミングの付け方は一つのブランディングとして定石と言ってもいいだろう

ミラノ風ドリアとは何なのか?

 私の運営するPlanet of foodで先日、こんなテーマの企画をやった。
「80年代・90年代の食文化を語ろう!」

ドリアはイタリア料理じゃない

 実はこの中でイタ飯ブームのくだりで私のドリア初体験の話を披露したときのことである。出演者のAyumiさんから「ドリアはイタリア料理じゃないですよ。」という事実を告げられる。(8:08秒あたりです)
「なにー------」である。もはや50歳の大台を前にする私は数十年に渡り、ずっとイタリア料理だと勘違いをしていた。言われてみれば、イタリア本国でドリアを食べたことは一度もなく、真っ先に思い浮かぶのはサイゼリアの「ミラノ風ドリア」である。

 ドリアって、日本生まれのイタリアもどき料理なのか?もやもやした思いが頭の中に生まれまくっている。早速、Wikipedia先生に訊いてみると

 現在知れ渡っているドリアの原型は、1930年横浜ホテルニューグランドの初代総料理長であったサリー・ワイルが、体調を崩した欧州の銀行家のために即興で提供した料理であると考えられている[2]。その時提供されたものは、バターライスに芝エビのクリーム煮とベシャメルソース(ホワイトソース)をかけ、オーブンで焼き上げたものである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 うーむ、日本で生まれたが日本人が作ったわけではないのか。こうして一つの知識を得るのだが、私のモヤモヤは消えない。

 そうだ、なんだ「ミラノ風」というのは!!!しかし、私も、もう大人だ。すかさずピンと来た。これはパリ、ニューヨーク、ミラノとくれば、なんかいかにもお洒落な洗練されたイメージがある。サイゼリヤの上層部の人間は安易にも「ミラノ風ドリア」と名付けたに違いないと睨んだのだ。いわふるこれは築地銀だこパターン!と呼んでも差し支えはないだろうと私の分析は静かに終えようとした。しかし、まあ、一応検索という便利なものもあるので「ミラノ風」で検索を掛けてみた。

 すると、、、諸説あるようだがミラノは昔から「金融街」として栄え、商人の象徴であるゴールド、それが黄金色を意味し、黄金色したものが「ミラノ風」になったと書いてある。
 なんじゃそりゃ。もはやイタリアでもなんでもないじゃないか。なんかミートソース的なこととか、そんなことに由来するのかと思ったが全然違うではないか。これが「ミラノ風タコス」(タコスはメキシコ料理)とか「ミラノ風ケバブ」(ケバブはトルコ料理)とか明らかに異質なものと合体していれば、私もドリアをイタリア料理とは思わずに過ごせたはずだ。うーむ、ミラノ風カツレツとか言われても元々、小麦色していてるじゃないか!とかどうにもならないツッコミが浮かんでは消える。

 くそー--。49歳にもなって何を考えているんだ。俺は。
 そういや、ふと思ったが世界のセレブとしても有名なパリスヒルトンはやはり、文字通り、Parisから来てるな。AV監督でも「代々木忠」「槍ヶ先一」とかわざと地名を付ける人がいるな。まあ、アイドルでもAKB48やら欅坂46とかあるな。
 今まで芸名とかペンネームで仕事をしてこなかったのだが、もし私にペンネームを付けるなら、どんな地名がいいか?そこには私自身がどう見られたいのか?何に憧れているのか?それが浮き彫りになるのではないか?強いてはこのテーマでキャバクラ嬢をトークしたら「君はどの町を選ぶ?」と話をしたら盛り上がりそうだ。急にこの話題が楽しくなってきた。

 本音を言えば「島津神保町」とかいかにも本を読んでます的な匂いを出したいがちょっと背伸びしている感は否めないな。「島津梅屋敷」とかどうだろうか?元々の苗字が武士みたいだから、殊の外、落ち着きがいいが思い入れが一切ないんだよな。そうだなあ、ドイツにずっと滞在していた町は第2のふるさとようでもあるのだが、その町でいうと「島津コンスタンツ」となる。よく分かんないけど、しっくりこないな。なんだろうな、出身大学である神奈川大学のある町、、、「島津六角橋」はどうか!よく分かんないけど、六角精児と間違って仕事が来そうな気もする。とまあ、この遊びは意外と楽しいことに気付く。

 Planet of foodのイタリアンにまつわる回はこちら。
 イタリアに旅行に行った際に、気を付けてほしいことを紹介しています。
 ローマ出身のMichelleが解説してくれています。

 執筆者:島津秀泰(放送作家)
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