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読書記録:「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」


コロナ特需の揺り戻しで、外資テック系界隈では、2022年の終わりあたりからレイオフがドミノの如く続いている。私も外資で働いている以上、そんなことが起きうると言うことは織り込み済みだったものの、いざレイオフの足音が聞こえてくるとそれなりにビビるものだ。

自社でも始まる、という通知を受けたあとは48時間ぐらい気分が滅入ったが「私のこの会社でのキャリアもここで終了か」と受け入れ、お正月に買ってあったこの本を読み始めた。

「ずっとやりたかったことを、やりなさい」英語のタイトルはThe Artist's Wayだ。

読んでみたら・・・30年も売れ続けているだけあって、なんという良書!!
全ての中年の危機とそれに準ずる心境にある皆さんに買ってあげたいと思うくらいなのでいかにレビューをご紹介する。


ざっくり言うと;

長年日陰に追いやっていたうちなるアーティストを呼び覚まし、育て、遊び、水をやり、本当に生きたかった人生を生きてみようよ、と言う内容。

こうやって書くと、いかにもアメリカの自己啓発本の匂いがするのは私もわかるし、著者自身も「周りにせせら笑われると萎えるから、他人には内緒にしときな」と注意している。(超意訳)

12週間にわたって、かなり具体的なエクササイズが書かれていて、それを一つずつこなしていくだけでいい。
二つだけ、12週間ずっと継続するエクササイズがあって、モーニング・ノートと、アーティスト・デートというもの。

モーニング・ノートとは

毎朝、A43枚くらいの紙を用意して、それに頭の中にあることを書き出す。支離滅裂でいい。私の場合は、昨夜飲み過ぎたな、とかベランダのオリーブの木の影が高いな(まだ日が低い)とか、その日にやりたいこと、などなど。

とにかくなんでもいいから、脳みそのお掃除と思って頭の中にあるものを吐き出してから1日をスタートすると、 アーラびっくりなんだか気分がいいんです。これは瞑想のような効果があるみたいで、始めてから瞑想をしなくてももやもやしなくなった。

アーティスト・デートとは

最低2時間、自分の中のアーティストとデートをする。やり方は色々だけど、大事なのは一人になること、アーティストと対話をしながら過ごすこと。古着屋に行って五千円分の買い物をして明日会社にきていく服を買う、でもいいし、お金をかけずに道草だけでブーケを作る、でもいいかもしれない。

これは、やってみると最高に楽しい。私は散歩が好きなので遠くまで歩いて行って、今まで見たことのない路地からそのエリアの人々の住まいの様子を見るのが楽しかった。谷中・根津あたりに行くと港区とはまた違う価値観が伺えたりする。


私にもたらした変化

  • 自分が今まで生きて感じてきた痛みを、労うことが出来た

  • 創作活動は特別な人にだけ許されたものではなく、誰もがアーティストだと思えるようになった

  • 質より量だ、と思えるようになった。量だけコミットしたら、あとは(概念としての)神様に任せる。こうやって文章を書き始めたのもそのおかげ

  • 自分は神様の通り道だ、と思えるようになった。だからある意味、無責任でいい

  • 人生に本質的な変化を起こそう、という気持ちになった。やろうと思っている(割と大掛かりな)個人的プロジェクトを始めて、タイミングをみて会社員は卒業しよう


もし、読んでみて、生まれ変わったような気持ちになった人がいたら、ぜひお話ししたいです。

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