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#7 少年は吹っ飛んだ布団を乗り熟していた

 私はスポーツ全般に苦手意識を持っており、だからと言って見る専なのかと言われれば特段見ようともしない類の人間……と書こうとした所(書いてる)で「でもオリンピックとか世界陸上とか見るな」と思うあたりどうにも私のきまりの悪さが出ている。それはそれとして話題は現在開催中のサッカーワールドカップの話。ルールも詳しくは解らないし特に見る気は無かったものの、スペインvs日本戦のその日はどうにも課題が終わらず3時半までかかってしまったので、世に言うわあるどかつぷといふものを見て進ぜようとよく分からんテンションで見始まってしまった。深夜テンションというものは恐ろしく非常に盛り上がってしまう私。三苫選手が敵選手のパスを奪い、端からゴール手前まで猛進した時など「香車だ!」と叫んでしまった。なぜ将棋なのか。

 して、深夜テンションの恐ろしさというものはそれだけでなく日本の1点ビハインドで迎えた後半戦。堂安選手が開始3分でゴールを決めた時私の口から出た言葉が

「今大会の日本の得点、堂安率高くね!?」

 これは酷い。日本人だからと言って盲目的に日本の応援をしている所ではなく、名前と掛けて上手いと思っている所だ。目も当てられない。

 目も当てられないと言いつつそういえば昔(私は今22の青い若造です)は駄洒落をめちゃくちゃ思いついては言ってたなぁ、と後に報道各社が「三苫の1mm」と語る得点の審議時間に物思いに耽る。アルミ缶の上にあったミカンは一体誰が食べたのだろう。今やアルミ缶のビールにはチキンがぶっ刺されて旨い旨いとされている。吹っ飛んだ布団はどこへ行ったのだろう。ナルニア国だろうか。確かに押し入れに片付けられるしその可能性もある。内臓がないぞうと明るく笑っていた少年の家庭環境は当時は察せなかったが、今ならある程度察せる部分もある。

 などなど今回は変なテンションでサッカーの観戦をしたというお話。オチが思いつかないのでどうしようかと、とりあえず布団でも敷きながら考えようと立ったところでふと気づく。お前、まさかオチのために少年の時代から現世まで……!

 時をかける布団。吹っ飛んできた布団に乗って、私はこのえっせいのきまりの悪さから逃れることにする。

◎ふわっとえっせいとは……
内容もしまり方もふわっとした感じのエッセイらしき
記事です。人生経験の不足を補うために偶に嘘の経験
も混じっていますがそこもふわっとということで……
(#の番号に前回との繋がり的な意味は一切ありません。
こんだけ書いてんだなーと思っていただければ。)

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