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アイヌの料理を作ってみた(低再現性)

最近、「 ゴールデンカムイ 」という漫画にハマっている。
#北海道 に移住した身としては、アイヌ文化や歴史に親しめるマンガはありがたい。
目の離せないストーリー展開の中に #アイヌ やその周辺で起きた史実を折り込んでいる、いや、逆に膨大な調査に基づいてストーリーを作っているというのが正しいのだろう。
何よりも、今消えゆくアイヌという"固有文化"をどう捉えたらいいのか、という大切な視点をおざなりにせず、かつ決めてかかるのでもなくて、
登場人物たちのいろいろな立場の考え方を提示しながら共に考えていこいうという姿勢が素晴らしい。強烈なキャラクターと独特なユーモア?によって、この世界観へ強く引き込み、誰しもが自然とアイヌ文化について考えてしまうのではないだろうか。

この漫画の作り込まれたストーリー展開や、個性的なキャラクターも確かに素晴らしいのだが、個人的にはアイヌの慣習や #料理漫画  的要素は外し難い。
アイヌという文化の中で自然に生きる動物たちがどのような存在なのか、信仰としてのキャラ付けがされ、北海道の動物に対する愛着がより一層に高まってくる。
一方で、
様々な狩りの方法や道具について事細かに紹介され、
エゾシカはもちろんのこと、リスやアザラシ、ナキウサギ(愛くるしい耳の丸いうさぎ。現在絶滅危惧種として認定されている。)といった可愛い動物たちが次々に調理され、美味しそうに食されていく。。。ちょっと見ていられないこともあるが、
同時に食に対するありがたみ、尊さを感じさせられる。

漫画内容に関してはぜひ本編を読んでほしいのでこれくらいに、、
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さて、今回、この漫画に度々出てくる #アイヌ料理「チタタプ」(つみれ)の入った「オハウ」(汁物)を再現してみた。
正直、コープさっぽろで買えるものでしか作っていないので #再現 度は低いが、とても楽しかったので載せてみることにした。
加えて、8巻・17巻に登場する東北の #マタギ  (猟師)の間で食べられてたという保存食(餅菓子)「かね餅」を作ってみた。

オハウに使った材料は以下の通り
 ・エゾシカのもも肉
 ・鶏むね肉
 ・しいたけ
 ・人参
 ・姫竹
 ・小ねぎ
 ・春菊
 ・生姜
 ・鰹節や鮭節(お好みで)
 ・味噌(お好みで)


刃物二丁を使って無心にたたき続けて作るチタタプは、漫画の中で一種のいやし空間を作り出し、登場人物たちの距離を縮める大事な作業でもある。
本来、行者にんにくなど、香草を入れてくさみのある肉に合わせるようだが、
これを作ったのが4月初頭だったので、まだ行者にんにくの季節ではなく、
代わりに季節ものの春菊を使ってみることにした。
また、美味しく食べられないのでは意味がないので、逃げ道としていくつかの工夫を入れてみた。
血生臭さを抑えるためにしょうがを入れ、鹿肉だけのものと鶏むね肉と合い挽きにするもの二種類のチタタプを用意した。
また、鹿肉と僅かな野菜だけの出汁では現代人の口に合いそうになかったので、鰹節を少し使うこととした。

たたきやすいように肉は粗く刻んでおく。
春菊の柔らかい葉の部分、しいたけの軸、生姜を粗くたたいた肉の上に載せて再びたたいていく。
その後、軽く塩を振り、こねて丸める。
水分の多い(油分の少ない)肉は塩を入れるとすぐに水が出て同時に旨味も逃げてしまうため、
野菜を混ぜ込んでから塩を振ることで、ある程度野菜の方に塩が持っていかれていくぶんか旨味を閉じ込めることができると思う。

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多少の鰹節でとったスープに人参、春菊の茎を入れて、ひと煮立ち。
団子をスープに落とし入れたら、椎茸と共に弱火で静かに煮込む。
漫画ではよく味噌を入れていたため、
(アイヌの少女はオハウに和人の味噌を入れるのを好む)
味噌ありと、無しを試してみた。
個人的には味噌なしがおすすめ
#鹿肉 は、牛骨スープのようなしっかりとした、水自体の味を変えるような、しかし牛骨ほど舌に残りすぎないスッキリとしたのどごしが特徴で、味噌を入れなくとも十分に美味い出汁が取れた。
今度は行者にんにくやニリンソウを入れて試してみたい。

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漫画ではチタタプを作る際に、「チタタプ、チタタプ」と声を出しながらながら、叩くシーンがあるので真似をしてやってみたが、、、
この作業、思った以上に重労働で、3分後には掛け声出すことを忘れていた。

かね餅に使った材料は以下の通り
 ・上新粉
 ・くるみ
 ・味噌(お好みで)
 ・砂糖少々(お好みで)

かね餅は、うるち粉ともち粉を混ぜたものを竹葉で巻いて囲炉裏で蒸し焼きにしてつくる。
凍りにくいことから東北のマタギ(猟師)の間で遭難時などの非常食として食されていたようである。村によって、味付けや形にしきたりがあり、大半は塩や味噌のみで味付けされていたらしい。しかし、漫画に出てくるマタギ・谷垣はすりつぶしたくるみをこっそり入れて楽しんでいたという。(8巻)
そこで、今回はベースにペースト状にすりつぶしたくるみを入れ、味噌ありと味噌なしの二種類を作ってみた。
かつてに比べて現代の米のアミロース率は低く、粘り気が強くなっていることをかんがみて、上新粉(うるち粉)のみでつくることにした。
単体で食べることも考えて、ほんの少し砂糖を入れた。
餅を巻くための葉はなかったので、フライパンで焼き目をつけてからキッチンシートで挟んで、オーブンで蒸し焼き焼いた。
スチーム機能もついていないのでお湯を入れた耐熱容器を一緒に入れて180℃で焼いた。
くるみを感じたいなら味噌なしが断然美味しい。
ただ、味噌入りのかね餅は味噌なしのスッキリしたオハウととても相性が良かった。かね餅は味噌の香りをとても引き立ててくれるので、少量の合わせ味噌を使うか、甘めの白味噌を使うほうがいいだろう。

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