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なぜ多様性のある組織が機能しないのか?

最近、「多様性」「ダイバシティ」といった言葉をよく聞きます。多様性の高いメンバーでチームが構成されていると、これまでとは違うスピードで革新的なアイディアが生まれ、クリエティブだったり、イノベーションといった良い結果が得られるということを期待している経営者や各分野のリーダーがいます。

しかし、実際に多様なメンバーで構成されたプロジェクトが進む過程で、「それぞれのパフォーマンスが発揮されない、期待していた結果が得られない」といった現実に直面します。

なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?
その理由と解決策についてEQの視点から考えてみました。

日本の国民性の影響


1つ目は、日本の国民性による影響です。日本は地方によって多少の違いはあっても、島国であるが故に多国籍の方が少なく、単一民族・単一文化の傾向が強い国です。そのため「暗黙の了解」「言わなくても分かる」「それ常識」のように言葉にして伝えていなくても理解し合えると思っていることが多くある「ハインコンテクスト」なコミュニケーションが多く見受けられます。

このハインコンテクストによる「言わなくてもわかる」という隠れた前提が多様なメンバーが集まったプロジェクトで問題になります。

多様であるので、考え、理解、発想と多くの点で違うはずなのに暗黙の了解のままにしていることで、いざ進めようとすると噛み合わずチグハグになります。

欧米など多民族が混じり合う環境では文化も常識も異なる「ローコンテクスト」が前提のために、言葉や可視化によって伝え合おうとします。

言語化や可視化されているものは認知・認識できますが、暗黙の了解は非認知の状態と言えます。

多様なメンバーでプロジェクトをはじめるときは、違うであろう考えや理解、発想をお互いに語り合い共有することが重要てす。

情動の共同構築


2つ目は、情動の共同構築がされていない(不安や将来起こりうる課題の共有がされていない)可能性です。

多様なメンバーであるか否かに関わらず、情動(特に不安や恐れ)の共有がされておらず、共通した感情体験を構築したり不安の共有がされないことは多くの場で見受けられます。

不安は人の行動や思考を停止させます。そして、じわりじわりとメンバーに不安の波紋は広がり機能麻痺を引き起こし、自ら積極的に関与する人が減っていく状態を生みます。

各々が不安に感じていることは何か?
将来的に起こりうる課題や問題は何か?

ことの大小に関わらず、これらがプロジェクトの初期の段階で共有され、その後も共有できる風土が維持されることが重要です。

最近よく耳にする「心理的安全性」をプロジェクトの風土として作り維持することになります。

具体的な解決策はあるのか?


多様なメンバーなので従来の形式的な自己紹介やプロフィールの開示では表面的な違いしか共有できません。考えや理解、発想をお互いが語り合い深いレベルの共有を図るためには、ファシリテーターによる場が必要です。
また、不安や恐れ、課題や問題の共有は、そうしたネガティブなことが遠慮なく言える場づくりに加えてハレーションを引き起こさないように感情に対する適切な取り扱いが求められます。感情に対する適切な取り扱いができるリーダーやプロジェクトマネジャーの存在も必要です。

ファシリテーションのご相談、ファシリテーション研修、リーダーやマネジャーの感情の取り扱いスキルを高めるEQ研修のご相談も受け付けています。

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