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バランスのよい食事があいまいモコモコな理由

曖昧模糊(あいまいもこ):物事の内容・意味がはっきりせず、ぼんやりしているさま。(weblioより)

曖昧模糊はわかるけど、あいまいモコモコってなんなん?
えーと、すいません。モコモコしてるとなんだかかわいいかなあ?と思いまして。
「バランスのよい食事」というお勉強っぽいイメージを少しでもやわらげようと思ったのですが。。。ちょっと方向性間違っちゃったでしょうか(苦笑)

バランスのよい食事がはっきりせず、ぼんやりしているなんて、全然科学的じゃないじゃん!

いやいや、科学的であるからこそ、一言で言おうとすると、ぼんやりしてしまうんです。
なぜかというと、エネルギーと栄養素の必要と推定される量は、同じ日本人であったとしても性別、年代、体格、身体活動量の違いによってバラバラだからです。

日本人の食事摂取基準には、目安として利用している数値が複数あります。こうした数値は統計的に導きだされたものです。

例えば、その数値のひとつである「推定平均必要量」はざっくり言うと「ある属性の人たちの「必要な量の平均値」」です。
「推奨量」も同様に説明すると、「ある属性の人たちの「必要な量をほぼカバーしている量」」となります。

ちょっと分かりにくいので図で表すと、必要と推定される量の分布が青い曲線とすると、平均値(中央の赤い縦線)が「推定平均必要量」です。

正規分布


え、かえって分かりにくい?すいません。。。汗
とりあえず、青い曲線が摂取量の分布で、赤い線は平均値=推定平均必要量ってことでご理解ください。


そして、推奨量は、必要と推定される量の分布のうちの赤い線のところまで(①~⑤の部分)の量ということになります。

正規分布2

赤い線のところは、統計的には、平均値よりも標準偏差2つ分プラスした数値ということになります。
(標準偏差ってなんだよー???というのを説明していると長くなるので、ここでは割愛します。ごめんなさい。機会があればどこかで説明します。すぐ知りたい人はググってみてね。)

つまり、必要と推定される量は、①の区分の人もいれば、⑤の区分の人もいて、できるだけ多くの人をカバーするには、赤い線のところまで摂ることをおすすめします、という値です。

。。。ってことは。。推定平均必要量は、ある集団の半分の人は足りる量ですが、のこり半分の人にとっては足りないと推定される量。

そうです。半分の人にとっては足りない量のはず。。ってことです。
げげげっ!
しかも、食事摂取基準には、他にも目安となる数値があります。

なぜ、こんな統計的な数値を使うんでしょうか?

それは栄養素ごとに一定量を食べ、人にどんな影響があるのかを調べようにも、ヒトが生きていくためには、複数の栄養素が必要でひとつの栄養素だけを食べ続けるということができないから、です。

反対にひとつの栄養素だけを摂らない、あるいは、極端に減らした食事を摂り続け、どれくらい足りないと健康を害するのかを見ることは理論上可能です。が、実際には倫理的にそのような調査はできないでしょう。
(昔、実際にそのような実験をやって被験者が数日で立ち上がれなくなったらしい。。。という噂を聞いたような気がしますが、きっと私の気のせいでしょう。。。)

そのため、健康なヒトが日ごろ食べている食事から栄養素摂取量を算出して、そのデータから摂取すべき数値を推計する、というかなり面倒な手順を踏むことになってしまうわけです。

しかもこれは栄養素レベルの話であって、実際には、「食品」を「調理」して摂取するわけで、ますます複雑でわかりにくい。。。。つまりあいまいになってしまう、というわけなのです。

ヒトは、日々の食事で食べるものも違えば、量も変わります。もちろん、体調の変化によって代謝も変わります。そのため、できれば2~3日、ざっくり見ると1週間の中でとれていない栄養素がないように、食品の分類が偏らないように食べることが重要です。

食品の分類が偏らないようにする食べ方、つまりバランスのよい食べ方は、

・主食(穀類などの炭水化物(糖質と食物繊維))
・主菜(肉、魚、卵、豆製品などのたんぱく質、ビタミン、ミネラル)
・副菜(野菜、きのこ、いも、海藻などの食物繊維、ビタミン、ミネラル)
・汁又はお茶
を食事でとり、加えて
・乳製品(たんぱく質とミネラル)
・果物(食物繊維とビタミン)も食べる、

というのがおすすめです。
ぜひ、日々の食事に取り入れてみてくださいね。


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