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高齢者の目的別の外出頻度から見えてくる課題とは?

~本記事の要約~
1.高齢者では、他の世代と比べて「通院」目的での移動回数が多い
2.75歳以上の後期高齢者の移動回数は「買物」での移動回数と相関している
3.高齢者では、外出困難があっても「通院」での移動回数は変わらないが、「買物」での移動回数が減り、外出率が半減する

あなたは普段、高齢者の方と接する機会はありますか?
ご家族や近所の方、医療職の人であれば患者さんとして接することがあるかもしれません。

あなたが関わる高齢者の方は、どういった目的で外出することが多いでしょうか?一見シンプルな質問ですが、そこから課題も見えてきます。

今回は、高齢者が移動する目的とは何か?というテーマについて、国土交通省の調査をもとにみていきましょう。

① 全国都市交通特性調査

日本地図

国土交通省が主体となり、和62年(1987)から平成27年(2015)の期間で6回にわたり「全国都市交通特性調査」という調査を行っています。この「全国都市交通特性調査」は、全国の都市において、人々が、どのような目的で移動しているか、どのような交通手段を利用しているかなど、人の動きからみた交通実態を調査するものです(①)。
今回は、この調査結果をもとに「高齢者の移動の目的」についてみていきます。

② 高齢者は「通院」目的での移動が多い

高齢者と30代の目的別移動回数(通院)

イメージはあるかもしれませんが、高齢者は「通院」目的での移動回数(※1)が多い傾向にあります。実際に高齢者と30代の移動の目的を比較してみると、高齢者では0.09〜0.14(回/日)30代では0.01~0.05(回/日)と高齢者の方が「通院」目的の移動が多いことが見て取れます。

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