共通の価値観

マザーハウス経営者兼デザイナー、山口絵里子さんの著書「Third way(サードウェイ)」を読んだ。サードウェイとは、二項対立ではなく、グローバルとローカルのように一見真逆に見える概念を掛け合わせた、新たな3つめの道という意味で使われている。

私自身も、この二項対立的な難しさに直面することがよくある。「自分の収入を下げてでも本当に心からいいと思える事業をしたい」という自分と、「自分の生活が豊かでなければ人に優しくはできないから収入が大切だ」という自分がいたり。

最近大きなテーマであるのが、「女性である私の働き方」である。転職により、成果を出すためにとことん挑戦することが奨励される職場になった。私自身、成果を出してなんぼだと思っているので、ときに周りを顧みずに打ち込むようなことがよくあった。

しかし大人になった今、冷静に周りを見渡す自分もでてきている。あからさまに頑張りすぎることは、そんな女性は、異質なものとしてとらえられているのではないかと。

この感覚をもったとき、わたしは地方の公立校での日々を思い出した。頑張ること、優秀であること、評価されることは、ひた隠しにする対象だった。そんなものを開示したら、村八分に遭うことがわかっていたから。抑圧された状態から、やっと解放されると思っていたのだが。

それでも成果を出して成長して経営者になって社会に影響を与えたい自分と、半径5メートルの幸せを手に入れたい女性としての自分と。今わたしはこの二項対立からサードウェイを導き出すべく、日々もがいている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?