本当に美味しい焼きおにぎりに出会った。
最近、息子(小2)は、焼きおにぎりがブームた。
おにぎりをフライパンで焼き、仕上げに醤油をたらして表面を焦げ付かせる。という、シンプルなもの。ごはんを愛してくれるのは、私としてはとてもうれしいので、食事でもおやつでもウェルカムだ。
ただ、息子のブームには訳がある。
ある焼きおにぎりに出会ったことだ。
遡ること、数ヶ月。私たち一家は、友人がおすすめしてくれた郷土料理屋にいた。
外食は少なめのわが家だが、この日、九州から夫の知人一家が札幌に遊びに来てくれたのだ。
お刺身(豪華)にザンギ(唐揚げ)、カスベ(エイ)の煮付け、裏メニューのじゃがいもの煮物など、何を頼んでも美味しいお店だった。
ただ、わが家の小学生2人が欲したポテトや洋食メニューはほとんどなく(郷土料理だからね)、知人宅の3歳の子は白ごはんを頼んで、おかずはちょこちょこと食べる程度だった(じゃがいもの煮物はみんなパクパク食べた)。
大人はお酒でお腹を膨らませていたが、小学生2人は、まだ足りないとのことで、〆にご飯ものを頼もう、となった。
それで、娘(小6)はにゅう麺、息子は焼きおにぎりを選んだ。
注文をお店のおばさまに伝えると、一旦厨房に行った後に戻って来られた。
「焼きおにぎりが、15分か、もしかしたら20分以上かかるみたいですが、大丈夫ですか?」
と聞かれる。そういえば、店内はほぼ満席。忙しいのだ。どの道、まだ談笑が続きそうだったので、そのままお願いした。
娘のにゅう麺は比較的速く到着。
それから約25分、なかなか来ない焼きおにぎり。そろそろつまみもなくなってきた。夫同士は二次会に行くという。
それで、おばさまにお尋ねする。
ーーすみません。焼きおにぎり、もうそろそろでしょうか?
「あー、もうちょっと待ってね。今焼いてるからね。」
との回答。
とりあえず、忘れられてはいないんだとほっとした。
さらに待つこと約10分。
ようやく、息子の焼きおにぎりが到着した。
「ぼく、遅くなってごめんね。熱いからゆっくり食べてね。」
とおばさま。息子が注文し、待っていたことは十分伝わってしまっている。
思っていたよりも大きめの焼きおにぎり。三角で、表面にうっすら上品な焼き目がついている。
待ちくたびれた息子が、一口食べてこう言った。
「うんめ〜!!」
ちょっとびっくりしている。
ーー何なに、本当?じゃ、一口もらうね。
遠慮なく一口かぶりつく。
うわ。ほんと美味しい。て言うか、何これ。こんな美味しい焼きおにぎり初めてかも。
醤油の香ばしさが鼻を喜ばせる。表面はパリパリに焼かれている。両面だけでなく、周囲も全てパリパリなのだ。なのに、中はふっくら。これはきっと、全面をじっくり丁寧に弱火で焼いたんだと思う。そして、多分、網焼き。
だから時間がかかったのだ。
その美味しさと、たった一つしか頼んでいないにも関わらず手を抜かないお店の姿勢に心を打たれた。
息子も、長く待ったことなんて忘れて、無心で食べている。よかったね。
わが家の分だけでなく、知人宅の分も頼めば良かったと後悔したほど。
帰る時、厨房のおじさまにお伝えした。
ーーどのお料理も美味しかったのですが、焼きおにぎり、絶品でした!また来ますね。
この焼きおにぎりとの出会いが、息子のブームの由来。
写真をひとつも残していなくて、言葉でしかお伝え出来ないのが残念だが、とにかく絶品だった。
自宅ではそこまで時間をかけられないのだが、あのパリパリ食感と醤油の香りはクセになる。寒くなってきたので、息子からの焼きおにぎりの注文頻度も高くなりそうだ。
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最後までお読みいただきありがとうございました♩
お店はこちら。「北海道料理こふじ」。
もし、札幌駅周辺にお越しの際にはぜひ。
何を頼んでも美味しく、地元民にも人気なので予約は必須みたいです。
出会ってしまったシリーズ、こちらもよろしければ。
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