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喪失感新婚旅行 [14-1] 下諏訪 旅の後半の始まり


旅の後半がいよいよ始まる。
この旅をするにあたり、私は火事の前にたくさん貯金をしておいて本当に良かったと思った。火事に遭わなければ、もっと貯めて、何かに使おうと思っていた記憶はあるけど、具体的に何に使おうとしていたかはすっかり忘れた。貯金も出来てしまうほど、稼いだあの日々、肉体的にもハードなワーキングライフだったけれど、また同じように働こうとは思えない。なぜなら、火事以前とその後の精神状態は、わりと今の方が落ち着いているからである。

さて、今日滞在する下諏訪のゲストハウスは、盛岡のゲストハウスのオーナーさんがとっても良いと言っていたゲストハウスで、めちゃくちゃ褒めていたから楽しみだった。

ゲストハウスに到着すると、この建物の使い方、ルール、近所のオススメスポットなどをじっくりと教えてくれた。
だいたいのゲストハウスが、近隣の銭湯をお勧めしてくれるのが私は嬉しくて、さらにお風呂セットまで貸し出ししてくれるから、ゲストハウスに泊まる予定で、こだわりが無ければ、化粧水とか最低限のスキンケアグッズだけ持っていけば、荷物も減らせるし良いかもと思った。
私たちは、近所の銭湯に向かうことにして、そこから歩いてお寿司屋さんで夜ご飯を済ませることにした。

銭湯は昭和な雰囲気で、まず、扉を開ける時のカラカラカラカラという音がもうたまらなかった。建物の中は、木のロッカーなどが今でも大切に使われていて、昭和時代にタイムスリップしたかのような感覚だった。
大浴場のタイルは色合いも素敵だった。
幸せな気持ちで銭湯を後にして、途中で気になる古道具屋に立ち寄り、お寿司屋さんでお寿司を食べて、ほろ酔いの気分でゲストハウスに帰った。

夫と、ゲストハウスのラウンジでお酒を飲みつつ、オーナーさんと少し話をして、私は先に部屋へ戻り就寝した。
だが、あまりよく眠れず、気がついたら朝になっていた。

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