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【ネットワークはここから始まる】TCP/IPってなに?

現代においてインターネットを知らない人はまずいないと思いますが、TCP/IPという言葉を知っている一般人はほぼいないでしょう。おそらく知っているのはインターネット業界やその界隈で働いている人ぐらいではないでしょうか。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、インターネットがきちんと動作するためには必要不可欠な重要な仕組みです。

今回はネットワーク分野において最重要といっても過言ではないTCP/IPについて紹介したいと思います。TCP/IPのインターネットのキホンのキのとなります。

TCP/IPとは

TCP/IPはそれぞれトランスミッション・コントロール・プロトコルとインターネット・プロトコルの略です。と言われても何のことやら??となりますよね。そういう名前のプロトコルと呼ばれるものがあると思ってください。詳細はこの後説明しますね。

それじゃあ、TCP/IPっていうのはその2つのプロトコルってやつのこと指しているのかと思われるかもしれませんが、実はそうでもないんです。一般的にTCP/IPというとその周辺の技術全体を指しています。つまりTCP/IPとは、TCPやIPという超有名な代表例を冠している表現といえるでしょう。

ここで登場したプロトコルという用語ですが、これがとっても重要なんです。通常、プロトコルは手順な決まりを意味する英単語ですが、ネットワーク分野で出てくるプロトコルは通信するときの決まりごと・ルールという意味です。

このプロトコル(決まりごと)がないと、私たちは互いに通信することができないんです。

よく挙げられるわかりやすい例を紹介しましょう。

Aさんが使っているノートPCとBさんが使っているスマホでは機械が違えば使用しているアプリも異なるため、決まりごとがなければ通信しても意志疎通ができません。簡単に言えば、中国人と日本人が話そうと思っても言語の違いで会話ができないようなイメージです。

そこでプロトコルという決まりごとを用意してやります。AさんのノートPCとBさんのスマホの間に共通言語を用意してやり、それを使って通信をしてね、と決めてやるわけです。中国人と日本人が会話したいときに、互いが理解できる英語で話すような感じです。

この決まりごとが階層立てて事細かに用意されています。それがTCP/IPというわけです。

プロトコルには階層別に整理されている

ネットワークの世界において、プロトコルは階層別に整理されています。そもそもどうして階層別に分ける必要があるのでしょうか?現実世界のコミュニケーションのようにとりあえず世界共通言語は英語にしておきましょうという風に1つだけルールを決めればいいような気もします。

しかし、ネットワークというのは非常に複雑に構築されています。単にこの言語でよろしく!というわけにはいかないのです。詳細は後述しますが、例えばノートPCとスマホでは作業している場所によって使用しているネットワークが異なります。同じような機器を使っていても、例えば使っているアプリが違うかもしれません。

このように通信においては、考えないといけないことがたくさんあります。実際に運用されている階層モデルでは通信技術の構造に合わせて、もう少し細かく分類しています。

ここではよく使われる2つのモデルを紹介しましょう。

TCP/IP参照モデル

TCP/IP参照モデルはアメリカの国防器官DARPAによって開発され4つの階層に分けれます。DARPAはアメリカで軍事技術を開発する組織で映画で聞いたことがある方もいるかもしれません。

TCP/IP参照モデルは下から順に、リンク層、インターネット層、トランスポート層、アプリケーション層です。それぞれ以下のような接続に使われます。

これだけ見ても何が何だかわけがわからないですよね。簡単に言うと、下のリンク層は機械同士の接続を、上のアプリケーション層は人間が使用するアプリ間の接続を担っていると思えばいいでしょう。

ここでTCPというのはトランスポート層における決まりごとの1つで、IPというのはインターネット層における決まるごとの1つです。決まりごとの1つといったのは、他にも種類があるということです。

例えば、トランスポート層ではTCPと同じぐらい重要なUDPという決まりごとがあります。これらの詳細な説明はまたの機会にしようと思いますが、簡単に言うとTCPはメールなどの通信に、UDPはリアルタイム放送などの通信に利用されます。

OSI参照モデル

こちらはISOという標準化機構が策定した7層の階層を持つモデルです。

OSI参照モデルは下から順に物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層です。一部先ほどのTCP/IP参照モデルと同じ名前のところもありますね。

これも先ほど同様、下の物理層は0と1のデジタルデータを電気信号などの接続を行う役割をもち、上のアプリケーション層は人間が使用するアプリの接続を担います。


プロトコルの意味

それじゃあ、これがいったい何の役に立つの?と思われるでしょう。これはあくまで分類にすぎません。

ただ、この分類がなければ、超複雑なネットワークの世界を理解するのが大変なんです。

ちょっと感覚は違うかもしれませんが、学校の受容でも教科別に分けますよね。国語の時間に数式を解いたり、英語の時間に歴史を学んだりは基本的にはしません。それと同じようにというと語弊はありますが、それぞれの役割に応じて必要なプロトコル(決まりごと)を決めてやって運用しているというわけです。

最後に

今回は、ネットワーク分野で超重要なTCP/IPについて紹介しました。
今後は下の階層である物理層から順にプロトコルや通信技術の紹介をしていきたいと思います。軽く言いましたが、これが結構大変です。というのも、1つの階層を理解するにもかなりたくさんの要素技術によって支えられていますからね。

私自身の勉強も兼ねているので、ゆっくりにはなると思いますが、じっくり続けていこうと思います。

私たちの身の回りにあふれているあたりまえのテクノロジーを一緒に学んでいきましょう!

参考文献


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