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続・塩水が面白い:ナノテクの未来【最終回】

濃い塩水が世界を変える研究紹介のホントの最終回です。

前回、完結編みたいにしておきながら、1回に収まらなかったので、こちらが真の最終回となります。
内容はかなりマニアックなので、導入は昨日の記事の見ていただけたらと思います。

それではさっそく見ていきましょう。

濃い塩水の中では何が起きている?

これが最大の疑問であり、いまだにわかっていないことになります。簡単そうなことなのに、わかっていないというのは不思議ですよね~

前回は、濃いと思っていたら実はアクティブなイオンとして働いていなくて、物質に対しては薄くなっているのではないかという話でしたね。

個人的にこの”希薄説”は半分正解で半分間違いだと思っています。
というのも、すごい科学者たちの意見がぶつかり合っているんですが、物事はそんなに単純ではないと思うんですよ


必ずしも希薄になっているわけではない?

” 希薄説”ではないといっているグループもアクティブなイオンによる影響は無視できないと考えています。つまり、100%間違っていると反論しているわけではないわけです。

彼らの主張は、溶液中のイオンが動きにくくなっているという話です。
どういうことかというと、溶液中の電気的な状態というのはイオンが担っています。つまりイオンが動くことによって電気的な状態が変化していくわけです。

しかしながら、濃度がとっても濃くなると、塩水の中でイオン同士がペアになったり、強く相互作用するようなり動きにくくなります。すると、電気的な状態の変化はイオンが動くことではなくて、水分子が動くことによって起こります。

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水分子が動くと、+とーの関係(相関)が崩れることで、電気的な変化が起きるという主張です。

半導体がわかる人であれば、電子が動くよりもホールが動くというのと感覚は近い気がします。

そこで、あれこれ数式を解いていくと確かにつじつまが合うようになるわけです。ただ、これには多くの前提が存在するため、盲目的に信じることは避けた方が良さそうです。

そのため個人的には、論文に書いてあることをすべて鵜呑みにはできないなと感じています。しかし、”希薄説”にも同様に無理があります。

なぜ、正解を決めずにモヤモヤしたことをいうかというと、自分の研究でこの界隈の実験を行っており、どうも辻褄が合わないんですよね。

最後に


この内容はおそらく日本語ではだれも取り上げていないと思うので、いずれ全編をまとめて記事にしたいと思います。

科学者たちはより一般的な理論体系を築きたいと思うのでしょうか。自分たちの主張が正しい実験結果や計算結果を示します。

しかし自然界は私たちの思っているほど単純ではありません。だからこそ、簡単に答えは出ないわけです。

傍から見てると喧嘩しているようにも見えるんですが、科学者同士なので喧嘩というよりは、互いに批判することで科学をブラッシュアップしている感じなんでしょうね。

たぶんどちらが正解ではなくて、どちらの言い分も正しくて、見方が少し間違っているだけな気がします。いずれ、彼らか新しいすごい研究者がこの理論を統合して、新しい理論体系を作ってくれるでしょう

そのころにはきっと教科書が書き足されることになるでしょうね

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