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採用はガチャじゃない。確率論よりも、もっと大事なこと。

「採用はガチャじゃない」は、ちょっと言いすぎでした(笑)
しかし、経験者募集で応募がうまく行かない場合、理論上の数字にこだわりケースを見かけます。

求人サイトでは、大きく閲覧数と応募数の指標があります。それはどの求人媒体でも同じです。


閲覧数を増やすのは効果“改善”か

効果が悪いと「閲覧数を増やして効果改善しましょう」と提案する営業が多いですが、それは間違いです。なぜなら、閲覧数は努力では変えられない変数(企業規模・人気・勤務地など)と努力で変えられる変数(訴求するターゲット・コンセプト)で構成されているからです。

前者はどう頑張っても短期間で変えることはできません。後者は変えられるものの、求人そのものを一から制作する必要があります。効果が変わりますが、かなり手間とお金がかかります。

企業目線でいうと、「閲覧数を増やしましょう」という提案は現実的ではありません。

また、ターゲット以外から閲覧される数が増加することは嬉しいのか。たとえば、女性用化粧品のCMがあるとします。女性に1000人閲覧されるのと、男性が9000人、女性が1000人の合計1万人に閲覧されるは、どちらが良いのでしょうか。当然、前者です。後者はまったく意味がないとまで言いませんが、目指す効果と費用のバランスはよくありません。

採用するのは「誰でもいい」のか

それだけでなく、応募数についても、とにかく増やそうとする営業・人事担当者が多くいます。要は「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」理論です。彼ら的には「応募からの書類通過率が○%で、内定率が○%だから、応募数100で1内定を獲得できる」という皮算用をしています。

同じようなことを久松剛氏もDR(ダイレクトリクルーティング)で言及しています。

それでもこれまでは「1人を採用するために通過率、返信率、開封率と逆算してn通送りましょう」と媒体側も言ってきたわけですが、流石にそれを唱え続けるのも厳しい送信通数になってきました。多くのスカウト媒体においてはスカウト通数がチケット制となって売っているため、企業からすると「打っても反応のない何かに課金し続ける」状態となっています。確率の低い1つの当たり、それ以外はハズレというガチャを回し続けている状況のため、解約を検討する話も聞こえています。

IT百物語蒐集家

採用は水物です。同じことをやっても、成功することもあれば、失敗することもあります。同じ求人広告を出しているのに効果が激変するのは、まさにそれ。外部要因の問題だからです。

改めて採用目的に立ち返る

本当に大切なことは、閲覧数や応募数ではありません。どんな人物を採用したいのか(ターゲット)、そのターゲットから応募されているか(有効応募率)です。

(1)ほしい人物像(ターゲット)は明確か
(2)採用市場や自社のポジションで、ターゲット設定は適切か
(3)ターゲットが魅力に思う内容を、求人に提示できているか
(4)求人の表現は適切か

まさに「誰に」「何を」「どのように」言うか。基本のキをおろそかにしている企業は少なくありません。自戒を込めると、基本を疎かにする求人広告営業の、いかに多いことか。人事も営業も数字をだけを追いかけていて、本質を忘れています。

もちろん、成果を求められる以上、判断できるものが数字しかないのは仕方ないことですが。ただ、確率論的な数字に固執しすぎているのも事実です。

本当に大切なことは、確率論的に採用者数を増やすことではなく、貴社にとって活躍してくれる人材を採用することです。

そのためには「誰に」「何を」言うのかを改めて考えることです。誰=採用すべきターゲット、何を=ターゲットが魅力に思う訴求点を言語化して、PDCA(試行錯誤)を繰り返していく。

地味ですが、これが一番効果が高い。

一度、基本に立ち返って自分たちが採用すべきターゲットは誰なのかを明文化してはいかがでしょうか。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。