私達はよくダイエットに失敗するのも、生活習慣を変えられないのも、意志が弱いからだと考える。

今の生活を変えるには、体と心に無理やり言う事を聞かせなければならないと思い込んでいるが、それは大変な作業であり、そのため大抵の人は失敗する。

意志の力で無理やり何かをしようとするのは、それ自体が大きなストレスであり、どんどん精神にストレスの毒素がたまっていく。

そしてストレスを健全に発散する手段を持たない人は、あらゆる不健全な方法で発散しようとする。

誘惑は人によって違う。

オンラインゲームかもしれないし、食べてはいけないお菓子かもしれない。

お酒を飲み過ぎることかもしれないし、働きすぎることかもしれない。

自分の力ではどうにもならないことに固執するといった方向に走る人もいる。

ストレスが蓄積すると、不健全な誘惑から逃げられなくなる。

誘惑はまるで暴れ馬のように、あらゆる方向に引っ張る。

古代インドの言葉であるサンスクリット語では、こういう快楽にふけることを「ボーガ」という。

そして、ボーガが過剰になると、「ロガ（病気）」につながる。

ボーガの悪循環を断ち切ってロガを予防するには、自分の五感をコントロールする必要がある。

それを可能にするのが、ヨガである。

ヨガと聞くと、大抵は色々なポーズをとるエクササイズを思い出すが、ヨガとは本来、統一や統合を意味する言葉。

ヨガで心と体を一つにすることで、五感を制御して誘惑に打ち克ち、静かな精神を手に入れる。

毎日ほんの数分でいいので、自分の心身と向き合うことを習慣にすると、不健全な誘惑や習慣が消えていくのが実感できる。