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【言語心理学講座】左脳の幻想 あなたはあなたにだまされているかもしれない


■左脳と右脳の連動がうまくいかないときにどうなるのか


脳について話をしよう。脳の手術で脳幹を切った昔の話がある。
脳幹を切ったことで、はじめは別に日常生活に不自由が起こらなかった。
しかし、しばらく時間が経つと、不自由なことがでてきたということで実験が始まった。

右目だけで見せる物と左目だけで見せる物を変えるとか、一緒にするとかして、どういう感想になるかを聞くと、明らかに異常が起こっているということが分かってきた。

脳幹がなく、右脳と左脳が連動していないので、独自で判断する。
左脳は言語的にとか論理的に、右脳は感覚的に判断する。

右目で見た情報は左脳に伝わる仕組みになっていて、左目で見た情報は右脳に伝わる仕組みになっているので、脳幹が切れている人に左目だけでコーラを見せると、それを左脳は見ていないことになるので、左脳で説明はできないことになる。脳幹が切れているからだ。

コーラを見せるのをやめたときに、
その人が席を立って部屋を出ていこうとした。
誰も部屋を出るようにとは言っていない。
「なぜ出ていこうとしたのですか。」と問うと、
喉が乾いたからコーラを取りに行こうと思ったと説明した。

脳幹がある普通の人だったら、コーラを見て喉が乾いたなと思ったから取りに行こうということが成り立つ。
が、脳幹が切れている人には説明ができるわけはない。
だけどそう言い出したのは

左脳が勝手に理由みたいなものを作った

ということになる。

この実験で分かったことは、

左脳は筋が通っていなくても理由のようなことを作り出す

ということだ。

■左脳は理由を探そうとする


他にもこんな実験がある。
被験者を部屋に閉じ込めて、ドアの鍵を閉める。
その上のところに電光掲示板があって、
数字が何秒かすると定期的に変わるようになっている。

どうやったらこの部屋から出られるかという時に、ほとんどみんながその数字を見て絶対何か規則性が答えを出してくれているはずだと考えて観察しようとする。
ああでもない、こうでもない、規則はこうだ、いやそれは違うみたいなことを延々と考えるという実験結果がある。

しかし、その数字はランダムで、全然何の意味もない数字を出している。
脳はそうやって必ず理由を探そうとするという傾向がある。

これは結構恐ろしい話で、この特徴をしっかりと知っておいてほしい。
というのも我々は経験とか習慣とか日常生活とかでやっていることが当然無意識で正しいと思ってやっている。

なぜ、それをやっているのかとなった時に、こういう理由でやっているという説明がすべて間違っているということがめちゃくちゃありそうだということを知っておいてほしい。
勝手に作っているだけだということなのだが、その人が分かりやすい作り方をしている。

なぜなら分からないとストレスで、しかも「分かってないじゃないか」と指摘されると非常にまずいし、「それは良くないじゃないか」と指摘されるともっとまずいので、「これはいいことです。だってこうだから。」というあまり筋の通らないことを言うことになる。
分かりやすく入れ変える。
脳の配線上、みんなが言っていることは嘘になる。

■みんな嘘をついている?


そう考えると、誰もが何かの理由を説明するのは全部嘘。

左脳的に作られた幻想

と言える。
何か作っておかなければいけないから作ったのであって、本当にそうだから作られたわけではない。
日常会話の8割9割は嘘になる。

合理的な話でも嘘ということがある。
筋が通っている話もそうで、筋が通っているのだから、いろいろな方向から説明できるとなっているのも嘘だったりする。

一方純粋な素直な気持ちを言ったなどということは絶対もう本当としか言えない。
「なぜそう思ったかと言われたら、説明はできないけど、ああやってするんだったらこんな感じ。」というのは多分本当のことだろう。

理由は全部こじつけである

ということを覚えておくといい。



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