見出し画像

トレイルランが盛んな国はどこか

トレランが盛んな国はどこなのだろう?と思った。フランスやイタリアなどが本場というイメージがある。一口に盛んといっても色々考え方はあるだろう、その国で開催されているレースもあれば国によっては山がないので近隣国のレースに出ている国民が多いところもあるだろう。

なのでなかなかきれいな結果はもちろんないのだろうが、とりあえずざっくり調べてみたくなった。UTMBのINDEXに登録されている(=UTMB INDEX RACEに一度でも走ったことがある)RANKEDの数だと順位なのでユニーク数だし、国ごとにでてくるのでこの数を調べてみようと思った。(ITRAは有料メンバーでないとランキングが見れないこともあり)2023.8月時点の数字を参照した。日本の場合、下記のとおり20036人がRankedされている。

国ごとにRANKEDの数が出てくるのでこの数をその国のトレイルランナー(狭義)とする。

もちろんこれはかなり狭義の定義となるだろう、なぜならUTMB INDEXレースに参加しないトレイルランナーはたくさんいるだろうし(そもそもレースにでないトレイルランナーだっているだろう)国によってはUTMB主催の大会が複数あるところ(スイス、オーストリア、アメリカ、フランスなど)もあれば主催だけでなくINDEXレースがないところもある。また、そもそも欧州ベースのUTMBで調べるのはやや欧州に偏ることになるだろう。ITRAにしたってスイスベースである。

スポーツとしてのトレランを欧州が引っ張ってきたことを踏まえると現時点では当然であろうが、他に適当なプラットフォームもないので、何はともあれ一度この留意点を踏まえたうえでどんな結果になるかみてみることとする。

ちなみに人口に占める割合については世界銀行の2023年7月25日時点の人口統計を使った(台湾は世銀データになかったので、国家発展委員会の2022年データを用いた)。もちろんこれだって若年層の割合とかいろいろ考慮すべきはあるだろうが、まぁ、とりあえず……である。

  1. 100人以上の[UTMB Ranked]がある国→87か国

  2. [UTMB Ranked]人数上位30か国

下記図のとおり、お膝もとのフランスから・スペイン・英国・米国・イタリアが上位5か国。いずれもUTMB主催レースが開催されている国であり意外感はない。意外なのは次にポーランドやアルゼンチンがくること。アジアでは日本は中国より多少人数が多く上位8か国目でアジア最多である。アルゼンチン・中国・豪州もUTMB主催レースは開催されているので、上位10か国でby UTMBのレースがないのはポーランドと日本ということになる(2023年レースベース)。

青=欧州、緑=米州、黄色=アジア・オセアニア、赤=アフリカ(以下同じ)

3.総人口に占める[UTMB Ranked]人数の割合上位30か国

人口比でみると欧州の国が目立つが、フランスはやはりUTMBの国だけあって、人口が多い割に2位なので裾野が広いと言えるだろう。香港なんかは確かにトレランが盛んなイメージがある。ちなみに日本は0.016%だった。けど日本の大会はUTMBインデックスに登録している割合が低い気がするので実際はもっと多いだろう。

4.ITRA Events 数での検索

UTMBだけでなくITRAでもざっくり傾向をみてみよう、こちらは特定期間(2022-1-1から2023-12-31)のレースのEvent数を2の上位30か国について国ごとにカウントする。下記の場合FRANCEのイベント数(Not Race数)は487となる。

さきほどのUTMB Ranked上位30か国における上記機関のITRAイベントの数は以下の通りだった。やはりフランスが多いが、中国や日本も多い。人数に比してベトナムやオランダなどの大会数の少なさが気になるが、いずれも低地の多い国である。ベトナムは北部やラオスとの国境中心に山岳地帯はあるがオランダに至っては南部の限られた範囲以外は低地が広がる。

ちなみにITRAのRACE数とUTMBのRACE数を同時期で比べると、結構差が出て興味深かった。基本的にはUTMB登録のレースのほうが多いのだがポーランド、日本、中国、スウェーデン、コロンビア、ロシア、香港などはITRA登録レース数のほうが多く、特にロシアと中国でその傾向が顕著である。このあたりは国によってどちらのほうが権威とされているかなど地域での傾向もある気もするので、またの機会に調べてみようと思う。

ということで、いろいろな指標や考え方はあるだろうが、今回の検証では予想通りというか、参加人口の上でもレースのうえでもフランス、イタリア、スペインなどの欧州おひざ元が上位になる結果となった。一方で日本・香港を除くアジア各国では盛り上がり途上という気もするので今後は中国やインドネシア・タイなどでどんどん大会が増え、参加者も増えるような気もするが果たして。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?