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京大卒で大手入社したらコンビニ店員になった話 #3

(前回)

配属ガチャから抜け出すために

長時間の立ち仕事や多忙な勤務スケジュールなど、コンビニ店員という職業は楽なものではない。にも関わらず、都内某所のファミリーマートで見かけたA氏は、今日も穏やかな表情で働いていた。

「あと数年したら希望の部署に配属されるかもしれない。それだけを希望に働いてます。ただ、自分の市場価値が下がっているのも実感しています。だからこそ保険で資格の勉強をしています」とA氏は笑顔で話す。

彼が取り組んでいる資格は、TOEICや簿記、秘書検定など。一貫性はないものの、それぞれの試験に合格するために、日々勉強に励んでいる。コンビニ店員という職業に対する不安や不満が、彼の心に渦巻いているようだ。

「コンビニ店員にはあまり活かせませんけどね」

とA氏は苦笑いしながら言った。コンビニ店員としての立場から脱するために、彼は継続的な努力を続けている。

A氏の努力がいつ報われることになるかは、まだ誰も知らない。(宮)


宮崎:1993年生まれ。ビジネス書編集者。元メーカー勤務。理系。ほとんど本を読んだことがなく、川端康成の存在を29歳で知る。なお、三島由紀夫も知らなかった。署名は(宮)。

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