【素敵なガーデンデザイン】個性的な樹木と100種類以上のバラが融合。樹木の形や花、葉の色合わせは生け花の感覚で‘‘ヒルズガーデン‘‘in伊豆
「すてきなガーデンデザイン」(主婦と生活社1995~2010年頃刊行)の編集者が巡る庭の旅。「伊豆オープンガーデン」を訪ねました。
ガーデナーの中島さんは、観光で訪れた伊豆高原の気候が気に入り、関西から移住してきました。夫との庭づくりは13年目。何もなかった土地に、少しずつDIYでつくり上げたそうです。5月末に訪れた庭は、数えきれないバラが星をちりばめたように咲いていました。
伸びやかな縦のラインを生かす
私が最初に惹かれたのは、縦のラインが効いたデザインの庭だということ。バラはふんわりと横に広がるフォルムですが、すっと高く伸びたコルジリネやニセアカシアの仲間であるフレーシアが視線を上へ誘導するので、空間が広く感じられます。長年、生け花を習っていた中島さん。樹形や色の組み合わせに生け花で学んだ知識を生かしているそうです。
丈夫なバラを選べば、消毒いらずで元気いっぱい
花壇には、「木立ち性(ブッシュ・ローズまたは木バラ)」、アーチやネットには、「半つる性(シュラブ・ローズ)」、「つる性(つるバラまたはクライミング・ローズ)」の3つのタイプのバラを組み合わせています。
これほどのバラを消毒をせずに育てているという中島さん。理由は、土地に合うバラを選んでいるから。雑誌やフラワーショップで紹介されていた丈夫なバラを少しずつ集めてきました。ナニワイバラのような野山に自生しているバラは消毒がなくてもきれいに咲くそうです(ただし、ナニワイバラはトゲが多く剪定が大変とのこと)。中島さんは「ドイツ原産のバラが土地に合う気がします」と教えてくれました。
斑入りやグラス系の下草で足元まで美しく魅せる
下草は、草のような雰囲気のあるもの、地面を低く這うタイプ、ふんわり茂るものを組み合わせています。樹木、バラ、下草、すべての植物の手入れが行き届いていることに感動しました。
バラが好きな人はもちろん、庭の空間デザインの参考になるお庭です。どの植物を見ても、つぼみの先まで元気いっぱい。ガーデナーの丹精を込めた手入れで、花たちが生きる喜びを歌っている。そんな風に感じた伸びやかなお庭でした。
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