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”パンセクシャル”の”パン”

パンはギリシャ語で、”Pan”と表記し、”全て”という意味があります。

今回は、”パン”を扱った、都市伝説的な考察が存在するので、そちらについて述べていきたいと思います。

ギリシャ神話における牧神”パン”

 こう言われれば聞いたことがあるかもしれません。

 黄道12星座”星占い”の星座でもおなじみ、”山羊座”の正体も、”パン”と言われています。

 ギリシャ神話の神で半人半山羊の姿をしており、羊飼いや、羊たちの守護神であり、それによって牧場の神、牧神、と言われています。

”開墾”や”農業”の象徴となる神であるため、遥か昔から崇拝されていました。

 元々は古代ギリシャ語で、”牧童”を意味する”ポーン(Paon)”から語源が来ているとされています。

が、”Pan”が”全て”を意味するようになった語源の仮説は多岐に渡ります。

 古代ギリシアに作られた、殆どの内容がギリシア神話の主要な神々を讃美した、作者不詳の33篇の讃歌集である、”ホメーロス讃歌”というものが存在します。

”ホメーロス讃歌”の中の”パン賛歌”(第19編)によれば、パンは山羊の脚、頭に二本の角を生やすという奇妙な姿をしていたため、母親は幼いパンを置き去りにして逃げました。父親はパンを野兎の皮でくるんで神々のもとへ運ぶと、神々はみな喜びました。

 そして「”全て”の神々を喜ばす」として、そこから”全て”を表すようになったと言われています。

星座の”山羊座”は、”半魚半山羊”。。。

 また、星座でもおなじみ、”山羊座”にちなんだ仮説も存在します。

 山羊座の由来は、

パンがギリシャ神話最大の怪物と言われている”テュポーン”に襲われた際、あまりの動揺で、上半身が山羊、下半身が魚の姿になって逃げた。

その姿が星座になったと言われています。

 しかし、この姿は

下半身は、海底の底深く泳ぐ魚の姿

上半身は、高山を苦もなく走る山羊の姿

 つまり、世界の”全て”の場所に到達できるとされ、こちらも”Pan”の語源となったともいわれています。

”パン”と”インド”~凡語源説~

 ”Pan”という言葉は古く、紀元前1000年以前にも及び、語源を辿るとヒンドゥー神話にも行き着くと言われています。

 古代サンスクリット語では「全て=はん(凡)」と語源を同じくするものと言われています。

 ”サンスクリット”は、インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語であり、現代インドでも憲法の第8付則に定められた22の指定言語の1つです。

”नमस्ते”や”पुनः आगच्छन्तु।”、”श्वः मम जन्मदिनम् अस्ति।”といった言葉です。

  文学、哲学、学術、宗教などの分野で広く用いられ、日本の仏教の元でもある大乗仏教でも多くの経典がこの言語で記されています。

 中に人がおらず、何もない状態のことを”ガラン”と言いますが、

仏教寺院の建物である”伽藍堂(がらんどう)”から来ており、”伽藍”とは”僧伽藍摩(そうぎゃらんま)”が略され、なまった言葉だと言われています。

 この”僧伽藍摩”も、元はサンスクリット語で”सँघाराम、(saṁghārāma)”

(↑”サンガーラーマ”と言います。)

から来ているという仮説があります。

が、詳しい語源やルーツは不明です。

 日本や中国といった漢字文化圏では、梵語(ぼんご)と表記され、日本では般若心教といった仏教のルーツとして、サンスクリットの原文を、漢字で翻訳したものなどを通して、梵語という言葉は使われてきました。

梵語は、サンスクリットの起源をインド神話における造物神”ブラフマー(梵天)”を基にした表記とされています。

 梵は、”全て(凡て)”という言葉が入っており、またブラフマー(梵天)は全てを創造する神であり、”パン”の最も古い姿とも言われています。

 あくまで仮説ではあるのですが、”茶”の語源のルーツは全て中国にあるように、”凡=Pan”の語源が大陸を渡り、違う言葉や形として受け継がれる”パン”の姿は、まさにロマンの塊です。



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