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新規事業をつくりたい企業と地域の課題を解決したい自治体が、本音で対話できる場・「企業×地域共創ラボ」の魅力とは?

ETIC. Letter 2022年7月20日号より転載

いよいよ夏本番。暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
近年、イノベーション創出に向けた取り組みが注目を集めていますが、ETIC.も企業からの新規事業相談が、ここ何年も増加傾向にあります。今回は、企業の新規事業創出についてお話してみたいと思います。

私たちは、約30年間、社会や地域をフィールドに課題解決に取り組む方々の支援や協働をしてきました。そのネットワークや知見を評価いただき、企業の方より相談をいただくのですが、正直、事業開発のプロセスをご一緒することに難しさも感じてきました。

一番の難関は、筋の良い「事業仮説づくりと協働パートナーとの出会い」です。
企業は、社会課題を幅広く知る中で、自社が取り組むべき社会課題を見つけ、事業仮説を立てたい。地域は、自分たちの優先順位の高い課題に対して、ともに取り組むパートナーがほしい。それぞれの文脈の中で、個別に出会っていって、協働のパートナーシップまでたどり着ける確立はかなり低く、それまでに膨大な時間と費用がかかります。地域にとっても、企業にとっても、しんどい構造になりがちです。

そのコストを減らし、よりイノベーションが生まれやすい環境をつくっていけないかという想いで、2021年より「企業×地域共創ラボ」という取り組みをスタートしました。現在、自治体11市町村と民間企業9社が集い、地域の課題解決にともにアプローチしていこうと対話と試行錯誤を重ねています。

個別にニーズとサービスのマッチングをするから負荷が重くなり、不一致が起こりやすくなってしまいます。そこを解消するために、企業と地域が双方お互いのリソースや取り組みたい課題を見える化させながら、本音で意見交換ができる関係性づくりや対話を行うための場を提供するプラットフォームを構築。先進的な地域を舞台に、地域の取り組みたい課題や仕掛けているプロジェクトのリアルな現場に触れるためのフィールドワークを定期的に行い、関心のある企業社員と、現地を見ながらディスカッションをしていく機会を設けます。

6月は岡山県西粟倉村を訪問しました。テーマは「林業・エネルギー」。日本の森林管理に対するリアルな課題やその中での先進的取組を、自治体や民間事業者、起業家からのそれぞれの話を聞いてまわります。特に、森林ツアーで「管理されている森」と「管理されていない森」を視察し、人の手が入ることで森に日が差し、生態系が豊かに保たれている状態と、荒廃した状態を目の当たりにしたことが、みなさん印象深かったようです。フィールドワークを通じて、森林管理の制度に感じている壁や、現場のオペレーティブな課題まで幅広く対話する時間となりました。参加者のお一人は、「机上のリサーチだけでは見えないものがたくさんあった。行ったり来たりしながら深堀りしていきたい」とおっしゃっていました。

また、複数の企業で同じ現場に入ることで、互いの強みを持ち寄った公×民×民での事業連携の話も検討が進みはじめています。これからどんなイノベーションが生まれるかとても楽しみです。

>>「企業×地域共創ラボ」では参加企業を募集中です

【関連情報】

・プレスリリース:「企業x地域共創ラボ」を開始

・「企業x地域共創ラボ」の土台となっている2つのコミュニティ
 ーローカルベンチャー協議会
 ーand Beyondカンパニー


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※この記事はNPO法人ETIC.が発行するニュースレター「ETIC. Letter」からの転載です。
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