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たまには仕事の話など。

実はデザインの仕事もやっています。デザインに関することでお困りの皆様、お気軽にご相談ください(営業モード弱い)。

デザインの領域って結構細かく分かれていて、プロダクト、グラフィック、インテリア、建築…という感じ。それらもさらに細かく見れば、例えばグラフィックならば、広告、エディトリアル、web、UX / UI、という感じでデザインするという点では同じだけど、それぞれにちょっとづつ異なる専門性が存在しています。

僕は学生の頃から「なんでこんなに細分化されているのだろう?」と考えていたこともあり、結構幅広くデザイン業務はやっています。プロダクト、インテリア、グラフィック全般。とりわけグラフィック領域のデザインは多くて、web、紙媒体色々、ブランディングにまつわるCIやVIの開発、パッケージ、そのほか色々。

そんな中から今日は名刺の話。僕自身はすでに数年にわたって名刺を持っていません。時代の流れとともに名刺の役割も変わってきていると思っていて、連絡先の交換手段としての名刺の役割はほぼ終わりを迎えているなというのが実感。初めてあった人と連絡をとるということに関しては名刺がなくても困りません。

でもご依頼をいただいて名刺をデザインするのは、なんか好きです。名刺ってとても小さなコミュニケーションツールなので、そこにはその人やその企業(団体)のブランドや世界観が表れているものだし、直接手渡しすることが前提のツールってもはや名刺の他にないと思うんですよね。古いと言えばその通りだけどなんか素敵じゃないですか?手渡しのツールって。

手のひらで読む人の名刺をデザインしました。

最近デザインした名刺が仕上がってきました。とても美しい印刷で仕上がったと思います。美しかろ?

一部内容をぼかしています

いつもお世話になっている加茂谷真紀さん。手で触れて人や物のエネルギーを読む真紀さん。今回はすごくお待たせしてしまったのですが、結果的に良いものができたと思います。

前述の通り名刺の役割が変わってきていると考えているわけですが、ならば真紀さんの名刺は、そのセッション同様に、もらった人が癒されるような物であって欲しいと思いました。名刺はまさに"手渡し"のツールな訳ですし、手から手へ、名刺を通じて真紀さんのバイブスが伝わるだろうと。お守りとしての名刺です。もらったらお財布に入れて持ち歩こうかな(笑)

真紀さんは「手」で触れてセッションを行います。なので手は象徴的に扱いたいと思いました。手で触れた時に心地よい紙を探した結果、今回は手漉きの和紙にしました。それも機械で断裁をしていない耳のついた状態の和紙です。紙といえどエッジはシャープですが、これは徹底的に優しい。

印刷は活版印刷と言って、現在ではあまり使われない古い印刷方式で、一部のアートブックやステーショナリー等で意図的に用いられるくらいにしか見かけません。現在主流の印刷はオフセット印刷と言って、水と油の反発を利用したもので、安くて早い。活版印刷は凹凸のある版を金属や木のパネルで製作をしてそれをスタンプのように押して印刷していきます。なので、紙にも圧力によって微妙な凹凸が生まれるのが特徴。でもこの凹凸の手触りがとても良いのです。印刷物って「情報」としての側面が強いですが、活版印刷は「モノ(物質)」としての側面を強く感じさせてくれます。

活版印刷による凹凸。見える?

イラストも僕が描きました。真紀さんからは本の執筆も多数手がけているのでペンと紙のイラストを添えたいというオーダーをいただいたのですが、この手のイラストに変えて提案しました。これはミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂の天井画にある「アダムの創造」の一場面をモチーフにしました。

「アダムの創造」では、全知全能の神が、横たわるアダムの指先に触れることでアダムに生命を与える瞬間が描かれているのですが、"触れることで生命を与える"だなんて、まるで真紀さんのようだと感じてしまい、神には恐れ多くもモチーフとさせていただいた次第です。真紀さんは「触れて読む」わけですが、真紀さんのセッションを受けた人たちはそこから新しい人生が始まるかのような清々しい表情で帰る方が多いと思います(見たわけではないけど多分)。なのでピッタリだと思います。

というわけで名刺1枚なんて本当に小さなものです。掲載情報もとても少ない。でも色々考えてデザインするんだなー。というお話でした。たまには仕事の話もしないと遊んでばかりいると思われそうなので、これからもちょくちょく報告します。



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