うまく伝えられないけど、笑って生きてほしい。
※震災の話をします。苦手な人はお気をつけください。
※短歌のあとに文章があるので、読んでくださる方はぜひ最後までお目通しください。
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短歌7首
テーマ:震災(ノンフィクション)
信号が全部止まった夜のこと 星が綺麗に見えた日のこと
一枚の毛布の中でくだらないジョークに笑って夜を明かした
「おかえり」を言ってもらえる幸せと罪悪感で世界が揺らぐ
4年後の成人式まで私たち健康体でいれると思う?
シーベルトとかベクレルとか見えないし死ぬなら一緒だって笑った
一瞬でひしゃげた世界の片隅で農家の息吹が揺れるはつなつ
誰しもが得られる幸せじゃなくても あなたが得たなら笑って生きて
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震災の話をコンテンツ化して、いいねがつくようなプラットフォームで発信することには昔からこの上ない抵抗がある。そこに人間の意地汚さがあるような気がして。
だから今回も、短歌を詠んでから載せるか悩んで、何か月も書いては消してを繰り返した。
それでも公開しようと決めたのは、自分なりにそれを公開する意味をもっているから。
1番最後の短歌。これが私の最も発信したいことです。
かつて、私がFacebookに載せた記事に対して、大切な友人がこんなアンサーをくれた。
私がFacebookに投稿したのが3年前。東日本大震災は、もう8年前のことだ。
あれから、悲しいことに全国で天災が続いた。地震も、大雨も洪水も。北から南まで各地が「被災地」になり、多くの日本人が「被災者」になった。上のアンサーをくれたかなえも、大阪で地震に遭ってしまった。
それは同時に、多くの「中間被災者」が生まれたということでもあると思う。
「命を落とされた方、家族を亡くされた方に比べたら」「北海道や熊本の方に比べたら」そんな悲しみやつらさの比較で、自分の感情を認めてあげられない被災者が、きっと少なからずいる。
そんな人達へ私ができることは多くはない。だけど、確かに伝えられることが一つある。
自分の悲しみを認めていいし、自分の幸せは享受していい。
誰と比べて、じゃなく、あなたがつらかったらそれはつらいし、あなたが得た幸せが幸運によるものだとしても、それにあなたが遠慮することはない。
いいんだよ、幸せになって。過去につらいことがあったとしても。
私がそう思えるようになったのも最近のことだけれど、このことを声を大にして発信することには、きっと大きな意味があると信じている。
今、生きているあなたに、笑っていてほしい。
とてもシンプルで、綺麗事にすら聞こえそうなメッセージだけど、これが私の被災体験の短歌を公開した理由。
中間被災に苦しむあなたへ、どうか届きますように。
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