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20191104_コートールド美術館展@東京都美術館

「コートールド美術館展 - 魅惑の印象派 - 」
東京都美術館
2019年09月10日 ~ 2019年12月15日
http://www.tokyoartbeat.com/event/2019/7F8D

下書きにして放置していたのをいまさら公開にしたので日付がおかしいが気にしないでそのまま公開。

とにかくマネの《フォリー=ベルジェールのバー》が観たかった。
マネ最晩年に描かれた作品だが、まさに集大成と言えるマネ全部盛りのような作品で傑作である。
(マネらしさががてんこ盛りすぎてやや胃もたれ気味に感じる気もしなくはないが)

一目観てわかるほど不自然な配置(鏡に写っているバーメイドと紳士の位置関係が右にズレ過ぎているとか色々ある)で、そこまでして映り込むバーメイドと紳士を描きたい理由はなんなのか?

仮にこの映り込みをなくして、単純に店内だけが映り込むように描いたどうだろう、と想像してみたが、おそらくつまらない絵になってしまうのだろう。

なんとも微妙でいくらでも解釈できてしまいそうなバーメイドの表情、鏡への不自然な映り込み(二人が右にズレすぎ、実際にはないボトルが鏡に映っている、距離的に鏡には小さく映り込むはずのボトルが大きすぎる、賑わっている店内が映り込んでいるが二階部分であって角度的にありえない等)。

これがあるからこそ、様々な解釈を生み、未だに人々の心に残る傑作として存在しているのだろう。謎が謎のまま残る。そういう箇所が長く評価されるためには必要なのかもしれない。


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