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非破壊的創造という考え方– Havard Business Reviewからの学び②

近年、ビジネスの世界では、革新的なアイディアが産業構造を一新する「破壊的イノベーション」という概念が注目を浴びてきました。しかし、そんな中で私たちは、破壊だけでなく共存の考え方も大切かもしれません。本記事では、Harvard Business Reviewからの洞察を通じて、「非破壊的イノベーション」について考えるきっかけを与えてくれます。


非破壊的創造とは

破壊的イノベーションがもたらす変革力は確かに大きいです。新しいテクノロジーやアイディアによって、従来の市場や産業が変容し、新たな価値が創出されるのです。例えば、デジタルカメラの台頭によって、フィルムカメラ市場は破壊されました。この「破壊」の言葉は、一見魅力的でもあり、同時に脅威を感じることもあるでしょう。
今回紹介するのは、W. Chan Kim氏による記事「Innovation Doesn’t Have to Be Disruptive」です。Kim氏は、ブルーオーシャン戦略の提唱者として知られています。彼は、破壊的だけでなく、既存産業と調和しながら新たな収益を生み出す「非破壊的(Nondisruptive)」なアプローチも存在することを示しています。記事では、「非破壊的創造」というフレーズが登場しますが、これは誰かを犠牲にするのではなく、新しい価値を創出することを意味しています。
 
一方で、破壊的イノベーションの影響力は侮れません。企業がイノベーションを追求する際、既存の市場を壊し、革新的な技術を生み出すことが求められます。その一方で、非破壊的創造は、既存の産業と共存しながら新しいビジネスや雇用を創出するアプローチです。例えば、マクロファイナンスという分野では、従来の銀行が対応してこなかった需要に応えるサービスが提供され、共存が実現しています。

非破壊的創造の特徴

非破壊的創造の特徴を見てみましょう。まず、新しい技術だけでなく、既存技術からも非破壊的なイノベーションが生まれることがあります。マクロファイナンスはその一例です。また、地理や地位にとらわれず、どこからでも生まれる可能性があります。例えば、セサミストリートは、最初は先進国で生まれましたが、他の国でも展開され、多くの産業を育んでいます。さらに、非破壊的創造は、一部の地域で新しいものかもしれないが、他の地域では既に一般的なアプローチかもしれません。つまり、非破壊的創造には必ずしも世界初や他に類を見ないものである必要はないのです
 
非破壊的創造の本質は、未開拓の市場を開拓し、誰もが利益を享受できるビジネスを形成することです。これは、ブルーオーシャン戦略の考え方と似ています。一方で、破壊的イノベーションは、社会的な変革をもたらす一方で、敗者も生み出すことがあります。例えば、Netflix対Blockbuster、Amazon対従来の書店や小売業、Uber対タクシーなどの競争を考えると、多くの人々がその恩恵を受けてきた一方で、敗者も存在します。
 
それに対して、非破壊的創造は、国境や経済格差を超えて全ての人々にメリットをもたらすことができます。このアプローチによって、誰もが負けることはありません。例えば、クラウドファンディングの一形態であるKickstarterは、アーティストやクリエイターたちの夢を支援するプラットフォームです。この取り組みは、既存の投資家や銀行の利益を脅かすことなく、夢を追いかける人々の活動を支えています。

まとめ

破壊的イノベーションは、大きな社会的便益をもたらす一方で、敗者を生み出すこともあります。しかしながら、AIやロボットなどによって本当の破壊が起こる可能性がある未来を考えると、非破壊的創造の重要性が高まるかもしれません。その観点から見ると、非破壊的創造は競争社会を超えて、持続可能な未来を築くための鍵と言えるでしょう。

Reference

W. Chan Kim (2023). Innovation Doesn’t Have to Be Disruptive. Harvard Business Review.
https://hbr.org/2023/05/innovation-doesnt-have-to-be-disruptive

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