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公立病院に行く

なんだが皮肉だがみんなが使う事を前提として作られた公共システムはどこにいっても使うのが難しい。公共機関(市役所的とかも)もだいたい使い勝手が悪いうえにストレスも時間もかかるので使うのは敷居が高い。税金だからそんな簡単にほいほい使われても困りますってことかな。でも使うのが難しいからと使うのを断念するのは悔しいので意地でも使いこなさないといけないと思っている。いつも面倒を見てくれる会社や知り合いがいるわけでもない土地にたった一人(と1匹)でやってきて暮らそうというと遅々としてこんな感じ。

まずは公共交通機関。初めての土地の公共交通機関、特にバスは言葉の壁もあると使うのが難しいからついUberに頼りそうになるが我慢する。そして次にクリアしなければいけないのは公共医療機関。

ということで、喉の違和感が2週間ほど続いているという症状で病院にいくことにしました。私立病院はたくさんあるのでプライベート健康保険に入っているなら(入っているけど)私立病院にいくのが楽だし長く待たずに診察してもらえるけど、近所の公立病院にいってみた。

まずはエマージェンシーと書いてある待合室に向かうが、これは日本でいう外来であって緊急受付ではない。そこでまずAdmissao (受付Admission) の選択して番号票をとる。英語も選択できるのになんだか緊張していて見落としたのでポルトガル語で苦しむ。

英語が選択できるのにモニターの前で項目をじっと見つめて立ち尽くして他の人に迷惑をかける私

キンドルとマスクを持ってこなかったこと、特にマスクをしてこなかった事を後悔しながら待合エリアで待つ。番号を受け取ってから30分ぐらい待って自分の番号が掲示板に表示されたので受付をする。音声でも番号が呼ばれているがポルトガル語なのでまるでわからない。次にまた30分ぐらい待って予診の部屋番号が表示される。受付なのか予診なのか区別がないので表示された番号の受付窓口にいってしまい予診の部屋の番号だと言われる。ナースによる予診(症状の説明や体温測定など)が終わるとなにかの番号が書かれた紙の輪を手首につけられてから診察病棟まで移動して待つ。意外と順調だなと思ったが、ここからが長かった、、、長い、、、3時間以上もまった。

待合室では15−20人ぐらいが待っていた。待っている人々の多くは肌や髪が黒っぽいからか、エキゾチックな黒いような(暗いではない)印象がする。外国人もあまりいない感じ。もっとも、私のポルトガル語クラスの生徒達みたいにリタイアしても10万ドル以上の年収(財産はその何十倍)がある外国人が公共病院にいって3時間待つわけないか。

やっと番号が掲示板に表示されたので診察室にむかう。医者はブロンドの白人(コケージャンの意)で小柄な少年のような青年でした。予診のあたりまではなんとかポルトガル語も使って頑張ってみたが、3時間待った疲労で医者とのやりとは英語になってしまった。新しい言語は体力と能力(能のエネルギー)がいるし、それにもちろん説明できるような語彙力もない。10分ほど診察し鼻炎(サイナスインフェクション)ということで抗生物質、ペニシリン?、鼻スプレイを処方してもらった。そして最初のエマージェンシーの待合室にもどり会計(Pagamentos)の番号をとる。30分ぐらい待って支払いをする。

ふう、終わった。

112ユーロもかかった。私立病院でも同じぐらいの費用なんじゃないかな。保険個人番号?(número utente de saude)がもらえるってきいてたけど違うのかな。とかいろいろ考えるが疲れてしまい「公共医療機関を使うことができてよかった。つぎからは私立病院に行こう。」と思いながら帰宅した。来月から加入する保険を選ばないといけない。

近所のランドリーのおばちゃんが「その病院は風邪とかシリアスでない病気対応の病院なので患者が多く待ち時間も長め」だとか「3時間なんて普通」だとかいうようなことを言ったような気もするがポルトガル語なんで90%は理解できていない。

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その後、一応日本の東京〇〇〇〇という大手の旅行保険にはいっているのでせっかくだから返金を請求してみよとしてやり方を調べてみた。え!また紙だ。ジパングクラブを思い出した。

書類を書いて診察書などのコピーを添えて郵送と書いてある、、、、請求手続きがアナログで面倒で「請求できるもんならしてみろ」といっているかのよう。さすがに全ての書類の翻訳と翻訳証明もつけろとはなかったが会社によってはありそうで怖い。5−6年前に勤務していた会社がはいっていたAllianzは携帯アプリでレシートと診断書の写メをとって幾つかの質問に答えて送る(ここまで5分)すると数日して登録してある銀行口座に返金額が計算されて入金されてた。しかも世界中どこの国のどの病院で診察をうけても同じ手続きで自分が指定した外貨に変換されて入金されていた。

紙ベースの面倒な手続きを受け入れるのが普通な日本人だけ対象の保険商売なんだろうが、国外とはいえライバルがどう商売してるのか調べているだろうに。面倒なのは東京〇〇〇〇だけなのかな?せめて日本人にも使いやすいようにしてくれれば、ユーロ換算すると保険料も比較的安いので加入しつづけるのに、こんな使いにくかったらさすがに次はない。