野晒 髑髏

ドクロです。空間と建築

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糞食らえコンテクスト なんかでかくて強いやつ

内部と外部電話 「もしもし、今電話大丈夫ですか?」机の上の携帯は瞬時に遠方とつながる、否、つながった状態で待機中なのだ。技術の発展は都市でのスケール感をマヒさせる。スマートフォン、新幹線、エレベーター、ランニングマシーンetc これらは空間と空間をつなぎ内部環境を人工化する。生活は段々範囲がひろがるテクノロジーがもたらすプロフェッショナルとの接触と電気信号の伝達を基にできあがり、家庭生活だけでなくメディア、政治活動、国家、国際的に接触を要求されている。内向きには安全性に向

    • 日光 Pure Japanese をめぐる旅

       文学サークル「お茶代」4月のジッケン課題「Pure Japanese 」を見た感想です。  どこまでが計算して作ったのだろうか。日光という場所は見事にこの映画のキッチュさを際立てるナイスなロケーションである。後半のバイクアクション、無意味な爆破、江戸時代のセットでの殺陣は昭和日本のアクションの様式美として素直に楽しんだ。  こんなもんで測れないとわかっていながら日本人としての純度を測りたいという閉鎖性が良く伝わる。本編中盤で検査キット、ぴゅあジャパニーズは否定され、ニュース

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      • お茶代ジユー課題2『卒業する、ということ』

         春らしく穏やかな気候に心和む季節となるこの佳き日に、多数の読者の皆様をお迎えしてお茶代「卒業する、ということ」について投稿できることは野晒髑髏にとっても大きな喜びでございます。進学される皆様、社会に出てゆく皆様、卒業まことにおめでとうございます。野晒髑髏心からお祝いの言葉をお送りいたします。  さて今年3月16日、北陸新幹線金沢-敦賀間延伸、3月23日北大阪急行電鉄千里中央-箕面萱野間延伸。高速道路も各地で開通、拡幅し、都市のフィジカルな環境は急速に変化し、それに伴い人々の

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        • 小学生以来、木に登った話

           最近新たに打ち立てられつつある文化を知った。一つがビオトープであり、もう一つが木登りである。2つとも日本文化となる可能性を秘めている。  一つ目のビオトープは様々な生き物が住める生息域や空間のことを言い、最近では小さな鉢などでベランダや庭に人工的に生態系をつくることを指したりする。生態好きのツイートを見る限り、まだ生態系、種、遺伝子の豊かさ、そして環境問題にしか言及していない場合が多い。しかし日本文化と繋がれば、徒然草の「わざとならぬ庭の草も心あるように」のような景情一致の

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          黒川紀章の「動民」と入れ子構造について

           移動する体験そのものに価値を求めることは、地元に固定されず、上京や出張、旅行、ショッピング自体と生きることである。すると故郷という場所を持つ必要がなくなるかと思われるが、実際は都市を寓のような仮住まい、母屋を田舎として志向する人が多いと思われる。しかしここは情報社会、ふるさとは日本内で選択可能。自然や和風として抽象化される。  日本は借景のように山に囲まれた空間を建築と見做し建築をインテリアと見做す傾向があったと思われる。だからこそ「表出」や「あふれ出し」という住む人の生活

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          落書き⑤

           帝塚山の閑静な住宅地から西へ向かう。ここには本物の住宅がある。特に多いのはイタリアの住宅様式。岸里へ近づけばソビエトを彷彿とさせる市営住宅、そして大正〜昭和の長屋がある。子供の頃の歩幅で歩いていたものを大人になって歩いたため、距離感が狂い眩暈を覚えた。ただでさえ入り組んだ道と住宅見本市をしばらく歩くとポータルのようにぽっかり開いた鳥居がある。  三島由紀夫のこの文こそ幼少期の神社建築体験を代弁してくれる。ところで、その枠組はこれといった特徴のない鉄骨と補強梁で支えられてい

          落書き④

          堺市は大阪府による地域区分では泉北地域とされる。府内人口、面積ともに第二の都市である。大阪市のベッドタウンとしての一面を持ち、昼夜間人口比率が低い。中世には自治都市として発展し環濠都市を築いた。江戸時代には幕府直轄地になるなど歴史も古い。以上Wikipediaより抜粋。  とのこと。歴史的アプローチや地理的アプローチをすればもっと詳しく興味深い考察を得られるのだろう。ただ今回自分が問題にしたいのは、自分の印象としての都市体験であり、都市とは人それぞれ、現在と過去を問わず、

          落書き③

           自分にハレとケを最初に教えてくれたのは椎名林檎か磯崎新だったか。大学生当時お気に入りの考えだったが今は懐疑的だ。  幼稚園、小学校、中学校時代、毎年天神祭に行っていた。大阪で天神というと天満の天神さんだが、自分にとっては西成区の天神ノ森という小さな駅近くの天満宮の祭りだった。  祭りが近づくと太鼓の練習の音が聞こえ、1日前になると的屋が準備をし、境内では入念なリハが行われており、よく見学に行った。そんな感じで祭りの日と日常は自分にとって特別性もなく境界なくつながっていた。毎

          落書き②

           海賊が好きである。幼稚園のなんかの企画で仮装した事から出会い、パイレーツオブカリビアンを映画館で見て、アトラクションのカリブの海賊に乗り、小学生で夢中になって読んだ「宝島」と「海賊ジョリーの冒険」と。どこの海を見ても海賊を夢見る。  海賊の金銀財宝、豪勢な食事、酒を飲み続ける骸骨、独裁的な船長(キャプテン)と反乱(ミューティニー)の可能性、売春婦を追い回す水夫、大砲、カトラス。金!暴力!sex! どれも子供には禁止されていて、素直に惹かれる。大人になってパイレーツオブカリビ

          落書き①

           幼い頃を思い出す事は、おもちゃ箱をひっくり返したような記憶の海へ潜るようで、困惑の快感をもたらす。  自分はよく祖母に連れられ住吉大社(すみよっさん)へ行った。季節は夏、冬、七五三の分別なく今や何度も行ったという重なった体験。当時お気に入りだったココア色のチン電、オレンジと青のラインの入った南海電車が直接家と神社を繋げたため、いつもすみよっさんに行くことは渡るという感覚に近かったと思われる。  住吉大社駅の灯台を見ながら祖母はよく戦前の水練学校のことを自分に話して聞かせた。

          J-pop まもるくんの謎(お茶代2月)

          文学サークル「お茶代」2月のお題①です。 こちらの記事からどうぞ。  この記事の「守らなければならない危機的状況としての暴力の発生」に自分は興味を持った。昭和の待つ女は家の中、極端な話家を買ってしまえば終わりでは?と考え、どうも「家」が発動していないように思えたのだ。  昭和から平成の家の変化は範囲の縮小だ。 犬神家の冒頭の葬式のシーンのように空間としての家は襖を外して大広間として冠婚葬祭を請け負っていた。しかし平成、核家族のマイホームでは婚はブライダル式場に、葬はセレモ

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